保険のコストダウン

 これから書くことは、保険会社の人には本当に迷惑な話で申し訳ないけど、保険を最低限にしてコストダウンするという話。
 保険や共済というのはとてもよく考えられた商品で、発明した人は本当にすごいと思う。万が一起こるようなことに対して、それを恐れたり、それがあったりしたら困る人からお金を集め、万が一が起こってしまった人に、生きていくために困らないような金額を、契約に応じて渡すというのは良くできた仕組みだと思う。
 しかし、「万が一の時の不安」を盾に、必要のないものまで買ってしまって無駄なお金を払っている場合も多いのではないだろうか。
 僕はある会社に新卒で入社した時に、もれなく生命保険のセールスの方が来られて、「定期付終身保険」という商品を契約した。新入社員の時から毎月1万円とかそれ以上の金額を払っていたような気がする。これこそが無駄な商品・無駄な出費だったように思う(本当は競馬で負けてもっと無駄なカネを放出していたけど…)
 その頃は、「社会人になったら生命保険に入るのは当たり前」という風潮みたいなものがあり、周りもほとんど入っていたような気がするし、今考えたら、その人のよさそうな保険のセールスの方に牛耳られていたような気もする。
 しかしよく考えてみると、その保険は必要がなかった。もちろん、学費を払ってくれた親に、自分が死んだときにお金が渡るのは悪いことではないかもしれない。しかし親は僕が死んだところで特に金銭的に困ることもなかったので、宝くじが当たってあぶく銭が入ったような形になる。薄給の中の貴重な金子を毎月持っていかれて、本当に無駄だった。無学無知のなせる業かもしれない。
 医療保険もたぶん、相対的・確率的に見て無駄なものではないだろうか。まさかの大きな入院の時に助けになるのは素晴らしいが、長く入院するような確率はかなり低いと聞く。的中率の極低い馬券とか車券を毎月買い続けているようなものでは無いかと思う(医療保険販売をされている方、本当にすみません…)。
 大事なのは、「今、万が一死んだ場合に、充分な収入や貯蓄のない遺族が生きていけるために必要な額を過不足なく」払ってくれる保険に加入することである。貯蓄性のある保険なども必要なく、お金を貯めたいのであれば、もっといい金融商品があるのでそれを買えばいい。わざわざ生命保険でお金を貯める必要はない(余計な経費が掛かっているから)。
 今仮に死んだ場合、子どもが大きくなって自分で収入を得るまでにかかる費用とか、配偶者が死ぬまで困らない位の費用をまかなえるような保険に入るべきである。その計算をする際には、子どもが今何歳であるとか、配偶者の年金がどれくらいになりそうかなども計算して算出すればいい。いまお金をいくら持っているか、なども考えることが必要になる。
 つまり、「掛け捨て保険」に入ればよくて、それだけであれば保険料は結構安く済む。今はネット生命保険もあるから、自分で計算してネットで生命保険に入れば安く済む。
 会社を持っている人には、「節税になる生命保険」の案内が来ると思うけど、多分必要ない。もちろん生命保険料を払って、それが経費として認められれば税金は減るが、その後に保険金とか解約返戻金が返ってきたときに課税されるため、税金の先延ばしにしかならない(そうはならないようにする工夫もあるが、なかなかうまくはいかないものである)。
 個人的な意見ではあるけれど、保険自体はとても素晴らしい仕組みなので、本当に必要なものだけに入り、毎年ちょっと見直しの時間を取れば(Excelなどに毎年必要になる金額などを入れて計算するのがいい)、コストダウンできる。無駄な保険料を払っていないか見直してみよう。

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