Dai, Y

身体そのものをデザインしています。

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最近の記事

寝具と付き合う

寝具とは人生の1/3をともに過ごす。 この寝具で重要なのは、身体的な側面と精神的な側面で以下の3つを追求していくことである。 ・広さ ・柔らかさ ・無垢さ 身体的な側面での正解は見つけやすい。 これらは、わたしたちの身長、肩幅、体重、持病などに由来する。 が、精神的な側面で正解を見つけることが難しい。ただ、そこに醍醐味がある。 広さで言えば、カプセルホテルの狭さがなぜか落ち着くという人、その逆でクイーンベッドキングでしか寝れないという人が例に挙げられる。 柔

    • 掃除するということ

      自分が生活している住空間はもはや私たちの身体の一部である。部屋がホコリまみれなのは、体がホコリまみれなのと同じである。 アメリカの文化人類学者のエドワード・T・ホールは人間の空間に対する意識の違いを4つのレイヤにまとめた。 もちろん、これらはコミュニケーションの文脈で語られてきた。 これを引用して、身体に関する哲学者、身体性認知の科学者であるアンディ・クラークは、身体の周りに存在する空間は脳が自分の一部とみなすことを紹介している。つまりわたしたちの身体の境界は皮膚にある

      • 雨の日を雨の日として楽しむこと

        私たちは天気を気持ちと相関させる。 雨の日は 心が晴れない といった気持ちを抱く。 ただ、心が晴れない そんな雨の日の憂鬱も嫌いではない。心が晴れない といった気持ちに意識的になるほどに、雨の日は心の内側へと思考を向けてくれる。 だから、最大限雨を楽しむようにする。 雨が入らない程度に適度に窓を開け、Spotifyとスピーカーを繋げ、雨音を少し大きめに空間全体に流すといい。 雨を増強させてしまおう。 悲しい時には、楽しい歌を聞くのではなく、悲しい歌を聞くほうがいい

        • 洗濯するということ

          コロナ禍で生活のあらゆるものを見直している。 一般的に、洗濯・干す・畳む という行為は私達が身に付けている衣服にまつわる行為であることは明らかである。 先日、衣や服のことを考えているときに、鷲田清一先生の、「ちぐはぐの身体」という本を読んだ。 横断的に服にまつわることが書いてあるわけだが、特に本の中で服のあり方として、 体の「像(イメージ)」を補強するため という考え方を紹介している。服とは、自分の皮膚の外側にもう一枚環境とのつながりを生み出す第二の皮膚のような存在

        寝具と付き合う

          メタなゲームのあり方 - ドキドキ文芸部,Everything

          コロナ禍で、改めて自宅でゲームをする機会に恵まれている。 高校生までは1日10時間以上もゲームをする完全にゲーマーと呼ばれる類にいたと思う。どこか当時の自分にとってゲームというものは、足りない現実世界から離れて、フィクションの主人公としてその世界に没入でき、その中で敵を倒す、自己をレベルアップしていくことで自己実現を満たしてくれる場所であったと思う。 実際に、遊びに関する著書を多く残した哲学者のホイジンガも、 「現実の中では満たされない願望をフィクションによって満足させ

          メタなゲームのあり方 - ドキドキ文芸部,Everything

          男の下着存在論ついて真面目に考えてみた 1

          私たちはなぜ下着を履くのか。私たちは幼い頃から盲目的にズボンの下には下着を履くという概念を疑わずに生きてきたように思う。 この先は、自分が男なので、男の下着に限って考えたい。 男の下着は、ズボンと下半身の間に一つのフスマを作り出している。敢えてここだけに、一枚のフスマがあるのはなぜなのだろうか。 簡単に思いつくのが、性器と肛門があることになにか関係してそうだなといったところだろうか。たしかに、ここから生じてくる汚物に"内部"から一枚バリアを作ることは衛生的に大事である。

          男の下着存在論ついて真面目に考えてみた 1

          Zoomで変わるかもしれない服という概念

          Zoomが登場して一ヶ月。 SnapCameraと呼ばれるツールによって表現するvirtualな顔が、日常における私達の化粧のような表現となり、 Virtual Backgroundで見せられるvirtualの空間が、自己の住空間のインテリアによる表現となる時代、 肌と空間がハックできるなら、もう一つの重要な自己表現である服もハックできるだろうということで服をvirtualに表現できるツールを作ってみた。 必要なもの ・緑 or 彩度高めの蛍光色の紙、付箋 ・無地

          Zoomで変わるかもしれない服という概念

          Zoom時代の一人称ものづくりとプロトタイプ力

          covid19でリモートワークが定着して早1ヶ月。 部屋の中、同じ場所で生活する時間が長くなると、"生活"という概念を否応なく意識される。そして料理しなかった人が料理するようになり、そこから料理に目覚める、生活の中から楽しさを見出すみたいなことが起こっている。 それをもっとメタ的に意識して生活してみると、少し窓を開けるとなんだか集中できるとか、Alexaから音楽を書けてもらう場所は左斜め後ろがちょうどいいみたいな一人称的な気持ちよさを追求できる。 さらにこれをメタ的に捉

          Zoom時代の一人称ものづくりとプロトタイプ力

          ずぼらのための留学準備マニュアル

          今回ニューヨークとロンドンへのデザイン留学があり、その留学準備に奔走してしまったので、二度とないようにまとめることに。 というのも、今回9月22日の出発に対して、18~22日まで仙台で学会が行われており、ドタバタを極めた。なおかつ自分はずぼらなので事前に準備をすることができない人間。時間がなく、めんどくさがり屋な人でも効率的に失敗せず留学できる準備メモだと思います。 [引っ越し系] ・退去日を大家さんに連絡,精算 ・粗大ごみ処分(役所へ電話し、指定された金額の粗大ごみシー

          ずぼらのための留学準備マニュアル

          2020年東京オリンピックの開会式を勝手に考えてみた。

          このインターネットの時代に開会式で1億2000万人が参加できるスポーツを同時開催しようと考えました。e-sportsじゃないです。 そのスポーツが、”ハッキング” です。 オリンピックの開会式をハッキングシた回数に合わせてポイントが入ります。で、しっかりとオリンピックと同じ金メダルがもらえます。 なんでハッカソンかといえば、ちゃんと目的があって、 オリンピックって、毎年かなりサイバー攻撃に合うんですよ。 おそらく、これからどんどんとハイテクな開会式になる。その分セキュ

          2020年東京オリンピックの開会式を勝手に考えてみた。

          歴史から考える2020年東京オリ・パラのカタチ

          近頃、芸術やバウハウス等で有名なデザイン史、カーデザイン史など歴史から現代、未来を見直すことが多い。やはり、歴史から見ていくと、堅実的な未来を予想できることはこれらの経験で強く実感した。 今回、「2020東京オリンピック・パラリンピックの開会式を企画する」というテーマでのお題が与えられた。ということでまず、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを考えるためにこれらの歴史を振り返ってみることにする。 オリンピックはもともと、古代ギリシャ・オリンピアの神であるゼウスを称

          歴史から考える2020年東京オリ・パラのカタチ

          初めてのサービスデザイン.6 -100年時代のモビリティ-

          モビリティというのは、サービスデザインを考えていく上で切っては切り離せない重要な領域なので、今回は車の歴史から考える今後のモビリティについてまとめてみた。またバウハウスで有名なデザイン史と照らし合わせてこの中身について深掘りしてみたい。 未来を考えるには、まずは歴史を遡ろうということで、車の歴史を簡単におさらいしてこれからのモビリティを考える。 [1769~1900 馬車の延長線上にある趣味としての車の開発。強さと速さ重視] 1769年、フランスのニコラ=ジョセフ=キュ

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          初めてのサービスデザイン.6 -100年時代のモビリティ-

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          初めてのブランディング.6 -Branded Entertainment-

          これまで、ブランディングにおいてコンセプトを考えるとこから、ロゴ制作の注意点まで多くの点で述べてきた。 今回は、作ったブランドを "どう楽しく届けるか" について話したい。これを海外では、"Branded Entertainment"と呼ぶことも多い。 なぜ、このBranded Entertainmentが今注目を集めているのか。 端的にいうと、ブランドを創ることと、ブランドを届けるという領域が切り分けられなくなって来ているからである。 具体的には、テレビをイメージす

          初めてのブランディング.6 -Branded Entertainment-

          初めてのブランディング.5 -注意点-

          今回ブランディング・デザインしていくにあたって特に気をつけいおきたいポイントをまとめました。メモ程度に。 ① Langualization 作ったブランドロゴが、一字一句フォントから色、シェイプ、配置まで背後にある意図を言語化できるかどうか。これが一つ目のポイント。 言語化できなければそれはデザインではない。 深澤直人さんは、高浜虚子の"客観写生"を持ち出し、デザインというのもあくまでアフォーダンスに基づいて全て客観的に図れるものと言っている。 客観的に図れるとは

          初めてのブランディング.5 -注意点-

          SNS上での"いいね"が可視化できる砂時計を作ってみました。

          [コンセプト] LIKEからLIFEへ 私達の生活は、メディアに規定されている。マクルーハンの「メディアとはメッセージである」を拡大解釈するならば、もはや新しいメディアの登場が私達の生活を規定することは避けられない。つまり、新しく現れたSNSといったメディアが私達の生活の一部になることは避けられない運命なのである。 一方で、近頃のインターネットをめぐる論争においては、SNS上の承認欲求に縛られることを絶対悪とみなす世論が一般的である。 このダブルバインドな状況が、むし

          SNS上での"いいね"が可視化できる砂時計を作ってみました。

          サランラップシティとマジックミラー号

          「公共空間でプライベートな空間にいるような気持ちに変化するようなコンテキストアウェアなエンタテイメントをデザインする。」 こんなお題を頂いた。 まず、そもそも人はどういう時に公私を分けるのかそこから考えていくこととした。 「サランラップシティ」というこの言葉を知っているだろうか。 例えば、スーパーで野菜を買うとき。 かつては手触りや匂いで新鮮さを確かめていた。そして、スーパーで生理用品や食材が同じ1つの買い物かごに置かれることは考えられなかった。根源的な空腹としての食

          サランラップシティとマジックミラー号