「コモンズ思考」を発酵させる・2 D.グレーバーの到達点---カンディオロンクの視点と「3つの自由
1. 『負債論』から”The Dawn of Everything”へ
D.グレーバーが注目を集めるようになったきっけかは、『負債論』の原書の出版のすぐ後でウォール街占拠運動が起きたためだという。グレーバーはこの運動の中心にいて、広場に集まった人々の中には、学資ローンの負担にあえぐ学生や若者が多数いた。広場では、現代社会のさまざまな課題について議論する集まりが延々と重ねられたが、とうぜん負債が重要なテーマの一つになった。『負債論』は、5千年という大きな視野で、貨幣と負債