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流浪の月(映画)ネタバレあらすじ解説と感想。


凪良ゆうさんの流浪の月が原作となってます。


出会いから逮捕まで

9歳の家内更紗(白鳥玉季)は友人と別れた後公園のブランコに座って本を読んでいました、少し離れたところに大学生の佐伯文(松坂桃李)がベンチに座って本を読んでいました。しばらくして、雨が降ってきて更紗は雨に濡れてしまいます、それでも本をお読むのを辞めません、すると文が近づいてきて傘をさしかけて、「帰らないの?」と話しかけると、「帰りたくない」と答えました。「うちに来る?」と文が話しかけると、しばらく間があり、うなづいて二人で傘をさして文の家についていきます。

そこから二人で暮らしていきます。更紗はお父さんを病気で亡くし、母は男をつくって家を出ていきおばの家で暮らしていたが、従妹のたかひろに夜になると部屋に入ってきて体をさわられていました。それが嫌で家に帰りたくなかったようです。文との暮らしは、穏やかで、自由に暮らしていました。

2カ月たったある日テレビのニュースで「更紗が行方不明になっている」とういうニュースが流れました。文はテレビをけします。更紗はふみに「誘拐犯にされるの怖い?」ときくと「誘拐犯にされることよりも人に知られたくない事を知られる方が怖い」と答えます。

別れは突然訪れます。

湖で更紗が泳いでいて、それを見ている文、そこに誰かが通報したのか、警察がやってきて、文を連行しようとします。更紗は文と別れるのが嫌で抵抗しますが、文は誘拐犯として逮捕されてします。

それから15年後

更紗は24歳になり、恋人もできて幸せそうに暮らしています。
そんなある日職場の飲み会終わりで、仲の良い職場仲間と2件目に行こうとバーにいきますが、そこはコーヒーしかおいていないカフェでした、そこで文と再開することになります。声を聴いた瞬間更紗は文の存在を感じ取って、恐る恐る見てみるとやはり文で間違いなかったのです、それから更紗は文のカフェに通うようになりますが、文にも恋人がいて更紗は恋人といるところの文に声をかけますが、文はただの常連客を恋人に伝えます。更紗はショックをうけますが、文が新しい人生を歩んでいるのならそれで良かったんだと自分を納得させようとします。

それでも、文のカフェには通う更紗を不審に思った恋人の亮(横浜流星)が突然カフェに現れます。亮は文の存在に気付いていたようで、ネットで過去の事件のことを晒します。亮は元々独占欲が強く、嫉妬深い性格で、だんだん暴力がエスカレートしていき、更紗は家を出て、逃げ込むように文のカフェに行きます。そこで、昔の文と更紗に戻った二人。文も初めて更紗が来た時からわかっていて、自分は関わっちゃいけないと思っているようでした。

更紗は文の隣に部屋を借りて住みだします。まるで昔に戻ったかのような時間が流れますが、しばらくして、亮が居場所を突き止めてやってきます、やつれて無精髭をはやした亮はかつてのさわやかな青年とは一変しています、更紗に乱暴をしますが、抵抗します。

職場の同僚の頼みで3日程、娘の梨花を預かる事になる更紗、しかしその同僚は戻らずに面倒をみる事になる更紗、何度連絡しても繋がりません。梨花が熱を出してしまって、仕事が休めない更紗を見かねて文が梨花の面倒をみてくれるようになりました。

その後も文は梨花の面倒を度々みていましたが、ネットに文と梨花が一緒にいるところが上がってしまいます。

さらに週刊誌が「15年前の幼女誘拐事件の被害者と加害者の驚くべき現在を」と、文と更紗と梨花が一緒に暮らしている様子が記事にされてしまいます。

また誘拐事件

文の店にはひどい落書きをされたり、世間のさらし者にされてしまいます、
更紗は犯人は亮だと思って、亮のところに行きますが、犯人は亮ではありませんでした、すっかり変わり果てた亮は自分で自害しようとします。

亮の事で警察に呼ばれたと思っていましたが、警察が聞いてきたのは文と梨花の事でした、警察が文のところにいって、15年前に文と更紗を引き裂いたように、梨花を保護しようとします。二人とも離れたくいと必死に抵抗しますが、梨花は警察に連れていかれます。

文は警察に出頭させられますが、今回は事件性が無いという事で釈放されます、そこで15年前の逮捕されたあとの事を思い出す文、少年院を出た後は実家に離れを作られそこで母親の監視のもと生活していた文、食事は決まった時間に母親が作ってくれていました。そこでは毎日本を読んで、いつも気になっていたのは更紗の存在でした。

ある日、母親が庭の木を「育ちが悪いわね」と引っこ抜いているところを目撃してしまいます。その光景を見た文は母親に、「お母さんは気を出来損ないだと処分したけど、僕の事も出来損ないだと思っているの?」と尋ねると、「産んだ私が悪いの?」と少し不機嫌になって、何も答えようとしませんでした。

文の過去を記事で知った恋人が文の元訪れます、文が過去の事件の事話してくれなかったのは、私の事信頼していなかったからだと指摘して、小児性愛者だから私と大人の関係をもってくれなかったかと尋ねると、そうだと答える文に怒って去っていきました。

文が自分の店の隅っこで座っているところに、更紗がやってきます。

更紗はこれまでの事で文に迷惑をかけた事どうやって償えばいいのか、語り掛けます。15年前に湖で、離れ離れになる際に文が手を強く握ってくれたおかげでここまで生きてこられたと告白します。

しばらく会話が続いた後に文は震えながら服を脱ぎだし泣きながら告白します。

「みんな大人になっていく、君を立派に成長した、だけど僕だけ大人になれない。」

文は男性器がいつまでたっても幼少期のままの病気である事を告白します、文が他の人に知られたくない事でした、誘拐犯にされるよりもつらい事、それを更紗に告白したのでした。

泣きじゃくる文に近寄って強く優しく抱きしめます。

文と更紗は誰も自分達を知らない土地で二人で暮らすことを決めました。

感想

家に帰りたくない少女と、心に闇をかかえた青年が出会い、一緒に暮らすことで、文は自分のコンプレックスである大人の女性と関わる事の恐怖を少女と暮らすことで居心地の良い空間、更紗の方も自由で、夜になるとおびえずに寝る事も出来る居心地の良い空間で暮らしていた2か月は二人にとってかけがえのものになっていたのだが、世間から見れば、ロリコンと被害者少女という枠組みでしか見る事ができない、「人は見たいようにしか見ない」というセリフが出て来るが、まさにその通りで、人間は自分の都合や常識で物事を判断する。そこからはみ出たものは除外されてします。

ネットで検索すればなんでも分かる現代、過去に事件を起こした文は15年経っても過去の事件の呪縛から逃れる事はできない。


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