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日本のMTBがまず目指すべきところ=政策化・制度化

全国各地で少しずつMTBで走れる専用の場所が増えてきています。

しかし、それに伴い、そこで育ち、あふれたライダーが全国の山々に侵入し、トラブルが起きはじめ、規制看板が立つところが少し出てきているようです。

それは、私が活動を開始した2013年には予想していました。

当時、多くの方は、走る場所が増えればいいという考え方でした。

しかし、実際は、バランスがとても重要です。

何のバランスかと言うと、ハードとソフトです。

ハード→場所

ソフト→政策や制度

専用コースやパークでは、一般の山での走行に関する教育まではとてもできません。

それは本当は全国のローカル団体が担っていく方向ではあるのですが、それも完璧には難しいでしょう。

なので、行政と一体となってルールガイドラインを策定し、公布することが必要です。

そのルールは全然厳しいものでなく当たり前のことばかりです。

ルールを策定したら「ルールを守れば走っていいよ」という形です。

そうすることで、マウンテンバイカー側としても「行政と一緒に決めたことなのでしっかり守ってそのトレイルを楽しんでください」と胸を張って言えるようになります。

分かりやすく、分かりやすいところに明記されているルールを守れば走って良い、しかもそのルートマップは公開されているという状況であれば、気軽に走行できるのでMTB人口拡大が可能です。

が、、、

やはり毎回同じところで走るより毎回異なるトレイルを走りたいはずなので、それは正式に走行OKなパブリックトレイルを増やす必要があります。

ルールがあっても「で、結局どこ走っていいの?」となるわけです。

その走る場所がグレーなのでトレイルマップ公開できずどこに相談すればいいかもわからない知る人ぞ知るといった状況ではなかなか普及につながりません。

パブリックトレイルの設置は、また困難を極めるでしょう。

それには行政にとっても管理責任がつきまとうからです。

現状、日本全国で、パブリックトレイル網はほとんど存在しないに等しいです。公園内の一部などの小規模なものが多く、一般の山林内に存在する山道の大半はグレーゾーンです。

行政と一体となったルールやガイドラインというのは、条例等に基づいて策定されるものです。

ということで、条例が必要になります。

しかし、条例を作るには、それなりに社会に受け入れられている必要があります。

当然、行政レベルでMTBが政策になっているくらいになっている必要があります。

例えば、「県としてMTBを推進していきましょう」とか、「MTBについて検討していきます」のようなことが県政や市政に盛り込まれている状態です。

条例化するということは、議会承認となってきます。

議会というのは、議員さんで構成されます。

議員さんは市町村や都道府県の人々から選挙で選ばれた代表者です。

つまり、有権者からの理解や賛同が必要になるわけです。

ということで、ただMTBに乗りまくっているだけでは、今の日本の状況では制度化は難しいわけです。

ということで、全国のローカル組織で頑張っている地域活動が非常に重要になってくるわけです。

昨今、物事をシンプルに考えようとする傾向にありますが、地球も人間の肉体も非常に複雑な仕組みになっています。当然、MTBを取り巻く環境も非常に複雑になっています。その現実を直視して行動する必要があります。

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