三浦春馬という俳優が私にとって特別な存在である理由

ここ数日、三浦春馬さんのことをnoteに綴っています。
普段のnoteでは料理や暮らしのことを主に書いてきたので、もしかするとフォローしてくださってる方の中には、「急にどうしたの」と思われてる方もいるかもしれません。
(以下 春馬くん と呼ぶことにします)

私にとっては春馬くんは特別な存在です。
といっても、ずっと熱心なファンだったわけではありません。ここ数年はそもそも映画やドラマなどコンテンツ自体から縁遠く、彼の活躍を遠くから見聞きはするものの、熱心に追いかけていたわけではありませんでした。

ただ多くの三浦春馬ファンや彼を好ましく思う人々は、それぞれに彼や彼の作品との出会いがあり、重ねた月日があるように、私にも忘れられない出会いがありました。

このnoteではそのことを書きます。
これまで亡くなってからの彼のことしか書けなかったのですが、
四十九日を迎える前に、書き記そうと思います。


初めて三浦春馬という俳優を認識したのは、
2008年のTBSドラマ「ブラッディ・マンデイ」でした。
作品自体の求心力が強く、毎週楽しみに観ていました。
主役の春馬くんは若いのにしっかりした芝居をする子だな、ぐらいの印象だったと思います。

強烈な印象を持ったのは、2011年のフジテレビ月9ドラマ
「大切なことはすべて君が教えてくれた」
です。
主人公の高校教師 柏木修二という役でした。

『大切なことはすべて君が教えてくれた』(C)2011 フジテレビ

当時私は同じく主演の戸田恵梨香さんが好きで、彼女見たさに視聴したのですが、次第に春馬くん演ずる柏木修二のキラキラした人生がどんどん暗転していく様に目が離せなくなりました。

実際の物語は結構目を背けたくなるようなシンドさがありました。
テーマは「試される愛」。スリリングかつシリアスな展開。
教師でありながら(しかも戸田さん演ずる夏美という婚約者がいながら)教え子と誤って一夜を共にしてしまう、というところからすべては始まるのですが(この時点で修羅場が想像できますよね)、当時修二の優柔不断さにイライラするという視聴者の声もありました。

春馬くんは20歳で、平成生まれ初の月9主演(最年少)。
20代半ばの教師役はさすがに早すぎるという声もあったとどこかで読みました。

でも私は、修二の人生が暗転してどんどんすさんでいく様を体現する
春馬くんの芝居に心底驚かされた
のです。
しかも、堕落していく様に美しさや儚さまで感じさせるってどういうことよ、と。
若干20歳で人間のダークな部分を生々しく、でもどこか美しさを伴いながら表現する彼の演技力に釘付けとなりました。

三浦春馬ってすごい俳優だわ、、
私の中で、高い演技力のある若手俳優、という印象が定まったのがこの時です。

なぜそれが忘れられない出会いか。

このドラマが放送されていた3月、東日本大震災がありました。
震災後(3.11時は海外にいて、その約1週間後帰国しましたが)
テレビはほとんど見られなくなりました。ツラすぎて本能的に情報を遮断したくなったのだと思います。
あの当時、触れていた唯一の作品がこの「大切なものはすべて君が教えてくれた」でした。

シリアスな場面の方が多いこのドラマを、なぜ震災後の不安しかない日々の中で観続けたのか。
ひたすら窮地に追い込まれて、それでももがこうとする修二と夏美の姿に、どこか自分の不安感や行き場のないツラさを重ねて、心が救われるような感覚を抱いていました。

2人は婚約を解消するのですが、その後修二が自分の気づいた正直な思いを夏美に伝えるという第8話の告白シーンは何回も繰り返し観ました。
春馬くんの台詞、間の取り方、表情。
なにこれ上手すぎる!と心の中で感嘆しながら、
その素晴らしさに毎回興奮しながら観ました。忘れられないシーンです。

私にとって、2011年3月は東日本大震災とこのドラマの三浦春馬が
同じ記憶にあります。
このセットは一生変わらないです。

春馬くんといえばその笑顔というほど、彼の笑顔は皆を虜にしますが、
このドラマで観ることができた、ダークな心情を表現するその演技力も
三浦春馬という優れた俳優の数ある魅力の1つだと思います。

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オンエア後DVD化したら入手しようと思いながらも、
1万円越えに当時尻込みして結局買えずじまいでした。
今回のことがあって、作品再視聴したいと、ようやく重い腰を上げて購入。
(FODなど動画配信サイトでは2020年8月現在配信されていません)

亡くなった直後は転売で5万円近くまで高騰してびっくりしましたが、
その後定価で再販されたタイミングで即買いました。
ほんと「欲しいもの、いつでもあると思うな」ですね。。

先にも書いた通りけっこう重めな話なので、結末がわかってても私はサクサク観られません。。
今日9年ぶりに第1話を観ました。

春馬くんは、今こうしてみるとやっぱり少年の面影が残ってますね。
しかし難儀な役どころだなぁ。

少しずつまた観ていきます。

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