週2時間くらいの練習時間で上手くなったりルーチン作るためにやっていること

この記事は、ジャグリングアドベントカレンダーその2(https://adventar.org/calendars/4216 )に参加しています。

アドベントカレンダーに参加した記事なので、少し誰かの役に立つようなことを書いてみようと思ったら、意識だけ高いアフィブロガーの書くハウツー記事のようなタイトルになってしまいました。

そういう記事は、その人しかできないような内容を他人から見て都合の良い部分のみ書いていたり、抽象的にぼかしているので基本的に役に立ちませんが、その例から漏れられるようになるべく具体的に、他人から見て都合の悪いことも書くようにします。

この記事での内容は、僕の性質と環境が揃った上で、長いことやっていたら結果的に上手くいったという、生存バイアスの掛かった内容になります。つまり結局は僕しかできない内容を書いています。
なので、まるごと全てそのまま誰かの役に立つとは思えませんが、部分的に役立ててもらえたら良いなと期待を込めています。


・週の練習時間内訳

基本的に、会社の昼休みに練習しています。12:30頃に公園に着いて、12:55頃まで練習しているので、1回の練習時間は25分程度です。雪のない期間は週3回くらい、雪のある期間は週2回くらいやっています。

その他、練習したい気分の時や用事の合間に時間が空いたとき、休日に1時間程度練習します。
頻度的には月に1~2回程度です。

また、稀に練習会に参加したり人と練習をします。
1回での時間は3~4時間、頻度は2月に1回あるかないかくらいです。
(全くない期間が4年くらいありましたが)

これらすべてを平均すると、週に2時間くらいの練習時間になります。
これがここ3年くらいのペースです。

学生の終盤は1日に2~3時間(週14~21時間)、ひとり暮らしの時は平日1時間休日2~3時間(週9~11時間)は練習していたので、
かなり練習時間が減って、上手くなれるのか?ルーチンは作れるのか?と心配でしたが大丈夫でした。

ただ、そうできるように工夫はしています。その内容を細かく説明します。
昼休みの練習がメインになるので、そこに重点を置いて書きます。


・昼休み練習の内訳

25分ですと、好きなように気ままに練習するとあっという間に時間が過ぎてしまいます。

なので、練習メニューを決めています。
まず、練習場所に着くまでに歩きながら手首と腕周りの体操をして身体をほぐしておきます。
効果があるのかはわかりませんが、僕は腱鞘炎が慢性化しているので悪化の防止に気休め程度にやっています。
練習場所に着いたら、軽く足首とアキレス腱のストレッチをして、基礎練習をします。

基礎練習の内容は、

【パターン1】
・リールターン(右向きと左向きの2種類)× 5周期
・セイム方向で足の位置固定したビッグサークルターン(正回転と逆回転の2種類) × 5周期
・セイム方向のビッグサークルピルエット(右向きと左向きの2種類) × 連続で5回転
・オポジット方向で足の位置固定したビッグサークルターン(正回転と逆回転の2種類) × 5周期
・オポジット方向のビッグサークルピルエット(正回転と逆回転で右向きと左向きの4種類) × 連続で5回転
・オポジット方向ウォール面のビッグサークル(正回転と逆回転の2種類) × 5周期
・ オポジット方向ウォール面のビッグサークルピルエット(正回転と逆回転で右向きと左向きの4種類) × 連続で5回転

【パターン2】
・ セイム方向のアンチスピンフラワー(フォワードとバックワードの2種類) × 5周期
・ セイム方向で足の位置固定したアンチスピンフラワーターン(正回転と逆回転の2種類) × 5周期
・ セイム方向のアンチスピンフラワーピルエット(右向きと左向きの2種類) × 連続で5回転
・ オポジット方向のアンチスピンフラワー(正回転と逆回転の2種類) × 5周期
・ オポジット方向で足の位置固定したアンチスピンフラワーターン(正回転と逆回転の2種類) × 5周期
・ オポジット方向のアンチスピンフラワーピルエット(右向きと左向きの2種類) × 連続で5回転
・ オポジット方向ウォール面のアンチスピンフラワー(正回転と逆回転の2種類) × 5周期
・CAP(右向き左向きとセイムタイムスプリット
タイムの組み合わせ4種類) × 5周期

【パターン3】
・ セイム方向の上下2枚葉フラワーターン(右向きと左向きの2種類 ) × 5周期
・ セイム方向の左右2枚葉フラワーターン(右向きと左向きの2種類 ) × 5周期
・ オポジット方向の上下2枚葉フラワーターン(右向きと左向きの2種類 ) × 5周期
・ オポジット方向の左右2枚葉フラワーターン(右向きと左向きの2種類 ) × 5周期
・ オポジット方向ウォール面の上下2枚葉フラワー(正回転と逆回転の2種類 ) × 5周期
・ オポジット方向ウォール面の左右2枚葉フラワー( 正回転と逆回転の2種類 ) × 5周期

このパターン1~3をローテーションして、1回の練習で1つのパターンをやっています。
ここにかかる時間は5分くらいです。

このパターンがなぜ決まったかというと、ルーチンで使う頻度が高そうなこと、ビッグサークル系統は他技術の基礎になる上に粗が目立ちやすいので綺麗な軌道に保っておきたいこと、そしてなによりもやっていて体力的・精神的に苦痛にならない分量や内容を試行錯誤した結果、こうなりました。
それぞれ10周期やると体力的に辛かったり、3ポイを基礎練に入れると面白くなくて辛かったり(使う技術としては本当は入れたい)、一度にやる内容を増やしすぎると面白くない基礎練で時間がとられるのが嫌になったりします。

練習しない日はお風呂上りに毎日する体操に、各種ビッグサークルとそれらの足の位置を固定したターンを5周期ずつ、ポイを持たずに手だけ回す体操を追加しています。

この分量での基礎練の効果は、オポジット回転ウォール面でのビッグサークルピルエット連続などは、出来なかったころから2年くらいこの基礎練を続けると綺麗に出来るようになったりと、技術の向上はしています。
ビッグサークル系統で腕が自然な感じで綺麗に伸びるようにもなりました。

僕は人と比べて、物事にエネルギーを注ぎ始めるのに時間が掛かるけれども、軌道に乗ると同じことをずっと続けていくのが苦になりづらい性質だと思っています。熱しづらく冷めづらい性質です。
また、もともとの技術もあるので一からこれらの練習をやるより負担は少ないです。
その上で、毎回必ずやることにしておき、やらないと物足りなく感じるように習慣化しておくことと、負担が大きすぎない内容と分量に調整することで、無理せず基礎連を続けられていると思います。

その後、10分くらいは勝手気ままに好きな練習をします。
ルーチンを作っているときはルーチンのアイデア出しをします。

そして、最後の10分で動画を撮影しながら練習します。
アイデアや新しく出来るようになったことを、結構無理やりひねり出していることが多いです。
動画を撮って、それをtwitterにアップするということをやっているのですが、これが技術の向上やルーチンの作成に良い影響を与えていると感じます。
まず、人に見られる意識を持つと客観的に自分を見られます。
発表せずに動画だけ撮ると、僕の現状だとジャグリングに向ける時間が少ない関係で、見返さず頭の中だけで良し悪しを決めがちになるのですが、
良いところをトリミングする過程で見返すことと、twitterを見るついでに自分の動画を見返すようになります。
そして、できるだけ動画をアップしようと決めると新しいことを考えようとか進歩を出そうという方向に意識が向きます。
新しいことや進歩が無いなら無いで別に良いのですが、あった方が自分でも嬉しく思えますのでプラスの学習を積み重ねられます。
また、モチベーションの関係もあります。
やはり、いいねやリツイートやコメントなどの反応がもらえると嬉しいので、承認欲求を餌にしてやる気を出す面もあります。
反応が少ないとモチベーションが下がったり、動画を上げる目的が反応を得ることにすり替わっていく人もいるでしょうが、僕は他人の反応でモチベーションが下がったり目的が変わったりしづらい性質のようですので、雑に動画をアップし続ける方法はプラスに働いているように思います。

まとめると、
昼休み練習25分のうち、
基礎連  5分
遊ぶ   10分
動画撮る 10分
という内訳で練習しています。

ルーチン作成については、遊ぶ10分や動画を撮る10分の中で少しづつシーケンスを作ったり、それを曲に当てはめて調整したりを繰り返して作ります。

以前までは、曲に対して合う動きを思いつくまで試行錯誤してルーチンを作っていくという曲先行の作り方をしていましたが、この作り方だと一度に2時間くらいのまとまった時間練習しないとルーチンが作れないようでした。
今の練習ペースになってからは曲とは関係なくシーケンスをどんどん作ってストックしておき、それを曲に当てはめ曲に合わせて調整するという動作先行の作り方に変えました。

結果、音ハメが甘いと感じる箇所や曲の質感と調和しきれていないと感じる箇所が増えたので、ルーチンに関しては妥協してこだわりを緩めています。

この作り方で今までの作った感じだと、大体3分のルーチンを作るのに1年くらいは掛かります。

練習時間が少なくても、技術もルーチンも長い目で見れば妥協する面はあれど向上するし作れるので、焦らずじっくりと数年スパンで見ていくのが良いようです。


・昼休みに練習できる環境について

昼休みに練習できることは環境の要因が大きいと思います。
僕の職種はWebコーダーとプログラマーとディレクターと運用オペレーター(とプランナーとデザイナー)を兼任しているような、要はWebサイト制作のクリエーター職です。
私服勤務で服装はかなり自由にできます。
スーツ勤務だと、スーツが汚れるのが気になったりそもそも動きづらいので、私服で働けることは昼休みに練習できる要因の中で大きいです。
職場によっては周りの目が気になることもあるでしょうが、会社自体がWeb制作会社でないので社内でも特異なことをしている関係か、多少外れた行動をしていても特に何も言われません。

また、土地の要因も大きいと思います。
職場のすぐ近くに練習できる程度の広さと人の少ない公園が、複数あるという環境が大きいです。
僕は札幌市在住で札幌で勤務していますが、札幌市は市町村別の都市公園数が全国2位のようです。
都市公園面積は北海道が1位(土地が大きいのであたりまえですが…)で市町村別は分かりませんが、体感的には札幌市はそれなりの広さの公園がわりとどこにでもある感覚です。
札幌市でも、例外として中心部は公園の数が少なく昼休みは公園に人が集中するので昼休みに練習するのは難しいと思いますが、僕は郊外に職場があるので、この例外にもあたりません。

逆に環境要因でやりづらい面もあります。
札幌は、11月後半~3月前半まで、つまり4カ月くらいは雪が積もります。
12月~3月までの公園は1m近く雪が積もるので、足場が確保しづらくどうしても練習はしづらいです。
公園は各家庭の雪かき後の雪捨て場になっていることが多いので、雪かきのママさんダンプ(ググったらどんなのかわかります)の通った跡や、子供が雪遊びをした跡など雪が踏み固められたところを狙って、長靴を履いて練習すればなんとかなります。
また、僕は暑いのが苦手で寒いのはわりと耐えられます。デビルスティックやディアボロと違ってポイは気候に練習のしやすさが左右されづらい道具なので出来るという面もあると思います。

つまり、私服勤務で人の少なくて広い公園が近くにあるという環境の上で、気候の問題を体質や道具の相性で解決できることで、昼休みに練習出来ていると思います。

職場近くに30分単位で借りられるレンタルスタジオがあるとか、会社で練習できる空間があるとか、家が昼休みに帰れる距離で家でも練習できるとか、ほかにも条件の違う良い環境があれば昼休みに練習出来そうですね。


・隙間時間を利用した短時間の練習を続ける意義について

最後に、なぜ練習を短時間の隙間時間を利用してやるのか、それを続けるのかについて説明します。

忙しいから、つまり生活の中で他に時間を掛けるべきことが多いからというのも一因なのですが、休日に毎週時間を作ってたくさん練習するのも今でもやろうと思えばできるはずです。

そうせずに、隙間時間で上手くなろうとするのは、僕の場合ジャグリングにたくさんの時間を使っても得が少ないというのが一番の理由です。

例外はあれど、人には他人との気持ちの交換、言い換えると交流が不可欠なのだと思います。
不可欠なものに対しては欲求が生じて、欲求を満たすことで発生する快さやそれを相手に与えたことで返ってくる対価は得になります。

僕は慣れていない他人と接するとどうしても大きく消耗してしまう性質です。
人ひとりに慣れるのにも数年単位の時間が掛かったり、慣れてもしばらく会っていないとリセットされます。仲良くなれる他人の性質の範囲も狭いです。

程度の差はあれど、ほとんどの人は他人と接することは負担だと思います。
僕はその負担の程度がかなり大きい性質です。

ジャグリングのコミュニティは練習・交流会や最近は大会などが盛んな上に、大学生中心の文化なので人の出入りが多く流動的な面が強いです。
また、ジャグリングのパフォーマンスは自分自身が矢面に立って表現する分野です。
そのため、どうしてもコミュニティ内外で承認・楽しさ・満足感・金銭といった得を獲得するためには、人のいる空間に自分自身が出向く必要がある場面が多いと感じます。
その得が人と接する負担より大きい場合や、親しくなった人がコミュニティ内に多くいる場合は、ジャグリングにたくさんの時間を使い続けても得が多いのだと思います。
僕はどちらにも当てはまらないので、人と接する得より負担が上回ります。
(とはいえ完全にコミュニティから離れるのも寂しいので、負担のほとんどないインターネット上ではずっとゆるやかに参加していたり、最近はたまには練習会への参加や人と練習するようにしています)

一方で、身近な人を大切にするとか、生活を丁寧にするとか、別種の楽しいことをするとか、苦手で負担の大きいことをせずとも得になることは他にたくさんあります。
そちらに掛ける時間を増やしたいと、ここ3年くらいは思ってきました。

ただ、僕はジャグリングそのものは大好きです。
ジャグリングをやっていることがアイデンティティにもなっています。
ジャグリングを上手くなることやルーチンを作ることが、他人との交流とは別種の楽しさや満足感という得を生み出し続けます。
だから、なるべく長くジャグリングを楽しんで行きたいと思っています。

ですが、自分ひとりで完結できる得より他人との交流でえられる得の方が快楽の量は大きいようです。
なので、ジャグリングに多くの時間を使うと自分ひとりで完結できる得では量が足りず、交流によってえられる量の得が欲しくなります。

ここで、他人との交流による得より負担が上回ることが続くとコストに見合ったリターンが得られず、段々と嫌な気持ちが積み重なっていきます、そうなっていくと大きくなった嫌な気持ちは交流が負担という一点だけでなくジャグリングそのものが生み出す得をも上回りかねません。
そうなるのは嫌だなと思います。

ジャグリングそのものからえられる得に見合う時間だけをジャグリングに使うように調整する、得をえられる他のことにもっと時間を使いたい
そのための最適解が隙間時間での練習ということになりました。


・最後に

ジャグリングやってる人の役に立つかもしれない記事を目指して書き始めましたが、書いているうちにこれ役に立つか…?と思えてきました。

ただ、状況は違えど隙間時間で上手になり続けたい人やジャグリングをなるべく長く続けたい人は居ると思いますので、一例として見てもらえたらと思います。

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