シーズンオフのトレーニングとその効果がしっかり結びついているのか問題

改めてこの問題について書かせて頂きます。

過去に「頑張った練習に意味はあるのか?」というタイトルで記事を書かせて頂きましたが、2月も中旬になって実践が始まりだした所で高校球児達が結果について悩みだしたり、実際故障に繋がり始めているので改めて整理して書かせてもらいますね。

まずトレーニングプログラムを考えた時の最重要事項は目的が何か?という事になります。

野球であれば球速を上げたいとかホームランを打ちたいとか。

バスケットであればシュートの成功率を上げたいとか、バレーであればジャンプ力を上げたいとか。

色々あると思いますが、まずはその目的からもう1段、2段、3段と掘り下げていくことが重要です。

球速を上げたいという目標を掲げたとしても、そもそも筋力を上げなければいけないのか、体脂肪を落とすところから始めなくてはいけないのか、筋力UPはそんなに必要ないのか、まずこの辺りをしっかり調査して何をするべきかハッキリさせてからスタートを切る必要があります。

来年の為にもう1度書いておきますね。

とりあえず野球用に書きます。

画像1

画像2

まず考えておかなくてはいけない事は上の2枚の写真にあるように、このピラミッド構造を崩してはいけないという事です。

どちらの写真もそうですが1番上に技術がきていますね。

技術はパワーや体力を上回ってはいけないし、パワーは安定性、固定性、可動性を上回ってはいけないのです。

ということはこの時期に故障や不調を抱えてしまった選手はこのピラミッドが崩れたということが予想されます。

それを踏まえて月別にやる事をみていきましょう。

11月前半(土台)・・・シーズンの疲れを取るために有酸素運動を多めに取り入れ身体の回復を行う。トレーニングを行うための準備。体組成の計測。中、長距離走(3000m~5000m走)、12分間走、ポール間走2往復ダッシュなど

11月後半・・・目標設定、トレーニングの選定、トレーニング姿勢の確認、体力測定を行います。基本的なウェイトトレーニング(ベンチプレス、スクワット、デッドリフト)はこの時期から始め、まずは筋力UPを狙います。これはどのスポーツでもある程度共通していて、基本的な筋力が無ければスイングスピードや球速などの能力は上がりません。

12月・・・筋力UPを狙いながらイメージとしては速筋を作りたいので、昨日投稿したバネを意識した運動をする時期になります。陥りやすいのは、過度な負荷でウェイトトレーニングを行いすぎて関節可動域が減少するパターンです。ですので可動域も意識したウェイトトレーニングが必要です。速筋の筋持久力を高めるために11月とは違いインターバル走(100m、80m)、300mのシャトルラン、ポール間走を行います。

1月・・・着いてきた筋力を野球におけるパワーに置き換える作業が必要です。野球は0から1にすることが多いスポーツなので特に最初の加速を意識して、タイヤ引き、タイヤ押し、坂ダッシュ(30m~50m)、階段ダッシュを行います。ここの局面は12月よりもっと速筋の筋持久力が求められています。ゼロから1に爆発的に変える事を繰り返す事で速筋の持久力は上がっていきます。頻度は変わりますが回復の為に週1くらいのペースで有酸素運動を入れる事も必要です。バットならこの時期はマスコットバットなどの重いバットでスイングをするイメージですね。

2月・・・実践のスピードを意識してトレーニングを行います。この時期のウェイトトレーニングは昨日投稿した反射や反動を使った軽い負荷でのウェイトトレーニングでOKです。バットは重いモノから普通のモノに変えて速く振れるように意識していきます。トレーニングはラダートレーニングやリアクションダッシュ等がよく行われます。

注意していただきたいのは、全ての方に当てはまる回数や負荷は存在しないので選手個人の体力や筋力を考えて、体力測定やウェイトのMAX値の測定を行った上で重さや負荷を設定する必要があるという事は理解しておいてください。

そしてこの時期の選手が躓いているのは1月、2月に行うことをせずにここまで来てしまったパターンです。

身体だけ重くなって野球におけるパワーに置き換わっていない、スピードについていけない、もしくはスピードが制御できない→身体に負荷が掛かり故障発生、もしくはフォームに問題が発生して不調に陥る。

このパターンが非常に多い印象ですね。

イメージしてみて下さい。

エンジンは軽乗用車なのに重さはトラックだったら・・・。

エンジンはF1のエンジンでボディは軽乗用車だったら・・・。

エンジンはF1のエンジンでボディもF1なのにブレーキが着いていなかったら・・・。

当然不具合が生まれます。

これが人間だと故障になったり、結果が伴わない事に繋がっていきます。

さぁ、もう2月・・・。

ここからできる事を冷静に考えていきましょう。

まず自分がどうやってこの3~4か月を過ごしてきたのかをよく思い出して下さい。

どこで躓いたのか、どこの工程を飛ばしてきたのか。

そこが分かる事によって自主練でカバーできる事も十分あるでしょうし、何かしらの対策は打てるはずです。

全体練習は実践になっていますので調整は難しいですが、自主練なら自分で決めれるので、まずは振り返るところから始めてみて、スピードが足りていないのかパワー変換が出来ていないのか考えてみましょう。

そこで思い出してほしいのは冒頭の写真2枚です。

ピラミッドのどの部分が崩れているのか。

当院ではそういった部分での相談にも応じていますのでいつでもご相談ください。

よく考えてしっかり対策を練って本番を迎えましょう!

#ヤマキ整骨院 #ヤマキトレーニングセンター#ジム#高校野球



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?