ワインを愛し、愛された男【父親像】
日刊【書くメシU30's】マガジン木曜日担当のgataです。
今週のテーマは父親像ということで久しぶりに"父さん"について考えてみました。
生粋の仕事好き
私は幼い頃、広島市から広島県北部の三次市という場所に引っ越してきました。父はそれからずっと広島のワイナリーで働いていますが、昔からとにかく仕事大好き人間です。
父の職場はワインの製造販売がメインですが、ワインを飲みながら焼肉が食べられる施設やレストラン、お土産を販売したり試飲が出来る建物、遊具がたくさんある公園が併設されていることもあり、観光地になっています。観光地ということもあり、連休はもちろん、年末年始もイベントでほとんど休みはありません。
朝7時半に家を出て、8時頃帰宅をする。休みの日も会社に行く。家に帰ってもワインとワインに合うつまみを自分で作って食べる。こんな生活を送っていました。
とは言え、観光地で働いているからか、中学に入る前までは、休みに色んな観光地に連れて行ってもらったり、会社に一緒に行ってレストランでご飯を食べてそのまま遊んだりと父がワイナリーで働いていて良かったと思うこともたくさんあったと記憶しています。
会社で製造現場を案内されたり、Excelで売上推移か何かまとめているやつを熱弁されたりと、面白くない話も多かったのですが、今となっては物凄く気持ちが分かります。
きっと、自分が大好きなワインや会社のことを息子である私に伝えたかったのでしょう。「仕事がきつい」「会社に行くのがだるい」という言葉は父からは聞いたことありませんし、父のおかげで仕事は楽しいものという印象が根付いているのかもしれません。
中学から大学に入るまでは塾と部活で話すことすらなくなりましたが、父の仕事への「愛情」や「情熱」は間違いなく今の私の基盤になっている部分です。
チャレンジャー
父はとにかく挑戦するのが好きな人でした。ただでさえ本職では立場上いつも忙しいのに、色々手を出していました。
・観光関連の仕事
・私の高校のPTA
・兄の高校のバスケチームで練習
・妹の中学のバスケ部のコーチ
他にも覚えていませんが色々やっていたと思います。来るもの拒まずという表現が正しいのかもしれません。
休みが取れても、会社に行ったり、家でビジネス本を読んだり、接待ゴルフに行ったり、ワインに合う料理を試してみたりと、だらだらすることはなく、常に何かやっていたイメージがあります。
子供の頃は、ワイナリーや観光関連の仕事、飲み、ゴルフなどは全て仕事という認識だったので、仕事ばかりして、休みも何かよく分からないことしているし、こんな大人ってどうなのかなと思うこともあったかもしれませんが、今考えるととても魅力的です。
もし、今に満足して、新しいことを何もせず、変わらない日々を過ごしている父親だったら、今こうして尊敬はしていないと思います。
皆さんは理想的な父親像ってどう思いますか？私はパッと聞かれたら以下のような言葉を思いうかべました。
・家族と一緒に時間を過ごしてくれる父親
・仲良しで色々と相談に乗ってくれる父親
・優しくていつも味方になってくれる父親
私の父は一般的に良い父親と言われる条件に当てはまらないかもしれませんが、自分は父にこのような部分を求めてはいませんでした。
仕事やその他の活動で私の記憶ではあまり接点はなかったわけですが、背中で見せて今の自分の「考え方」「人との接し方」「情熱」をつくってくれた父親には改めて感謝しなければならないですね。
【父親像】考えてみて気付いたこと
今私は2児の父親であることもあり、父との思い出を振り返ってみると多くの気付きがありました。その中でも「背中で見せる」というのが一番印象に残ったことです。今、何気なく子育てしていますが、私の言動が息子と娘の人生を左右します。父が私の基盤つくってくれたように、私が子供たちの基盤を自然とつくり上げていくのだろうと思います。
私が周りの人に気持ちの良い挨拶をしていれば、その時は分からなくても大人になった時にその意味に気付いてくれると思いますし、仕事への情熱を背中で見せていれば、子供たちも何事にも対して情熱を持てる人になってくれるでしょう。
私の名前である「昇」という字は上昇志向を持つ人になって欲しいと言う両親の想いが付けられたらしいのですが、「こういう人間になれよ」と、父親がしっかりと背中で見せてくれたので、私も息子と娘に名前を付けた時のことを思い出しながら、全力で子育てしようと気付ける良い機会となりました。
父はたまたまワインに対して情熱を抱きましたが、息子と娘にも父や私のように何かしら情熱を持って取り組めることが見るかるよう育て、そして、いつか子供達が大きくなった時にこの話をしようと思います。
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