日本の地方都市の街並みが同じ理由
こんにちは。やまけん(@yama_architect)です。
建築や都市計画に関する情報を発信しているブロガーです。本業はコンサルタントでゆる〜く生きてます。
この記事は、わたしが運営しているブログ記事の詳細版です。
何故、日本の地方都市は同じような街並みが多いのか。
知らんは!という方は別の記事へ〜〜〜( ´△`)
もっと知りたいワン!という方は続いて読んでください٩( 'ω' )و
このことについて考えることってほぼないと思うのですが、これを機会に一緒に考えてみませんか?
という読者任せの記事っぽい感じですが、自分が住むところの情景を思い浮かべてみてください。
まず、なぜ、同じ街並みに見えるのか考えてみましょ^ ^
その理由は、駅前から広がるどのビルも似たようなつくりの建築物が原因なのか、ロードサイドに展開している大手企業のチェーン店や看板広告が原因なのか、これについては、人によって見る視点が異なるので、それぞれ違うと思います。
とはいえですよ。多くの方は、ロードサイド型店舗が要因かなと思いますので、この視点に基づいて、何故、全国の地方都市で同じような街並みが形成されるのか理由を考えてみたいと思います。
理由その1 : 都市計画に所為によるもの?
よくある話として、都市計画が悪い!という意見を一度は聞いたことがあるんじゃないでしょうか。というか、とりあえず都市計画がまちづくりやってるんだし、都市計画が悪いんじゃね?的なやつ?
結論から言うと、残念ながら今の都市計画にはそのような画一的な街並みをつくるための確固たる手法はないんです。
都市計画というのは都市計画法や都市再生特別措置法、都市再開発法などの法律にに基づき、都市計画道路や都市公園、区画整理、市街地再開発といった都市計画事業を行うために手段として都市計画決定を行う場合のほか、都市計画決定することで建築物などの用途に関して法的な緩和や規制を行う場合などもあります。
簡単に言ってしまうと、市街地の整備と田園環境の確保を図るため土地利用の方向性を定めるに留まっているため、同じような街並みでありがちなロードサイド型の店舗や飲食店の建築物の外観や外構といった人が見た目で判断する部分をある一定のものに制限・誘導するものではありません。
とはいえ、都市計画道路や公園などのインフラとして必要な機能をどのように配置・整備するかは都市計画によるため、道路や公園の形状などにおいてどの都市も似たように感じてしまうことはあるかもしれないかなと思うところです。
理由その2 : 建築基準法が悪いの?
これまたよーく聞く話かなと思います。建築物において建築物の外観や外構といった部分を地域の特性に応じて変えないからだ!てな感じですかね。
建築基準法の役割としては、建築物自体が地震や火災から人々の人命や財産を守ることを第一に置かれていることはご存知かもしれませんが、集団規定といって、都市計画と連携する規定もあります。
その中では、地区計画といって街区単位(数百m範囲)できめ細やかにまちづくりを行うことができるになっており、建築物の意匠性も一定程度統一することは可能です。また、建築協定といって、住民独自にルールを定めることができるようになっています。
ですので、他の都市とは異なる統一した街並みをつくりたいなら、こうした手法を用いてやればいいだけです。でもですね、土地の権利関係は複雑だし、人によっては財産が侵害されると考える人もいるし、価値観は人それぞれなので、相当な時間を要することが考えられます。
例えば、それを自治体職員が一生懸命にやればいいと考える人もいるかもしれないのですが、首長がそういう判断を下せばいいのですが、そうではない場合、人の部分で相当なコストがかかることは必至です。
ですので、現状では、グリーンフィールド型(新規開発型)や市街地再開発ぐらいでしか使われていないかなと思います。開発当初から1人所有者であるディベロッパーさんが建築の統一した意匠性を決めれば他の人には批判する権利はないですからね。
なお、補足として景観法を活用することも考えられます。
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