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【大地震を経験した私の結論】「防災リュック」に入れておきたい15のアイテム

毎年9月から10月にかけては、とくに自然災害が増える時期です。
しかし、いつかやらなければと思いながら、なかなか実践できないのが自宅の防災対策。「何からやればいい?」「好きなデザインがない」「置き場所に困る」「めんどくさい」などなど…。

そんな方に向けて、2021年3月に発刊した『おしゃれ防災アイデア帖』から、とくに「真似したい」「参考になる!」の声が多かったアイデアを抜粋掲載します。

著者は、2018年に大阪北部地震を経験し、防災の意識が大きく変わっという整理収納アドバイザーのMisaさん。スッキリ暮らして無理なく続く、防災アイデアばかりです。ぜひ、防災対策のヒントにしてみてください。


◎使い慣れたリュックを防災用に活用する

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一次避難用の防災リュックは、マリメッコのメトロという少し小ぶりなものを使っています。防災用にあらためて購入したものではなく、長男が生まれた頃から使い慣れていたリュック。

子どもたちが大きくなるにつれて使う機会が減り、一年のうちのほとんどをクローゼットの中に置きっぱなしになっていました。

防災について考えた時、家にあるものをうまく使いまわせたら管理もラクだなぁと思い、避難用リュックとして使うことにしました。使い慣れたものだとより安心です。

小ぶりなリュックですが、パンパンに詰め込んだらかなり重たくなります。普段から運動不足の私のことなので、重すぎるといざという時に持ち出す余裕がなくて「置いていく」という選択をしかねません。

自分と子どもの身を守ることが最優先になるので、無理のない重さにしておきたいところ。そんな理由で私は5キロまでの重さを目安にしています。本当に必要なものだけしか持ち出せませんが、完璧よりも現実的に。

たまに他の用途でリュックを使うために中身を出すということも、防災リュック放置の防止にちょうどいいのです。

防災リュックを準備する時に想定したのは、私だけで子ども二人を連れて避難できること。とりあえず一日しのげるくらいのものを準備しておくことにしました。

必要なものを細かく想定して厳選していますが、これから子どもの成長とともに内容も変わっていくでしょうし、季節ごとにも見直しが必要になります。

だから詰めておしまいでなく、暮らしの中でついでにチェックできるような仕組みにしています。防災リュックに入れる優先順位は人それぞれなので、暮らしや環境に合わせて選んでみてください。


〔一次持ち出し用の防災リュックの中身〕

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一次持ち出し用は災害時にさっと持って逃げられるための、必要最低限の備えです。一日しのげることを考えて中身を厳選。着替えや食料などあれこれ詰め込みたくなりますが、リュックの存在が避難の足手まといにならないようコンパクトにしています。

もしも容量の関係でリュックに詰められないけれど、ないと不安なものがあれば、二次持ち出し用として別のかばんにまとめておくといいですね。


1)LED ライト

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ラジオ付きでサイレン音も鳴らせる多機能なライト。手回し充電も可能。

2)家族分の水

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310mLの飲み切りサイズなので衛生的。柄で誰の水か見分けられるのも便利。

3)千円札と小銭

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停電で現金しか使えない時のために。十円玉は公衆電話用に準備しておくのがおすすめ。

4)絆創膏

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使い慣れたものを準備。袋には使用期限を記載している。

5)大判タオル

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少し大きめのタオル。身体を拭くだけでなく、敷き物やタオルケット代わりにも使える。

6)モバイルバッテリー

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20100mAhの大容量で、iPhone11proに約4回充電できるもの。急速充電対応のケーブルを準備。

7)口腔ケア用品

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歯磨きできない状況での口腔内の衛生管理に。使ってみると想像以上に爽快感がある。

8)カイロと冷却パック
寒い季節にはカイロを。暑い季節には叩くと冷たくなる冷却パック。季節で入れ替える。

9)除菌シート
手が洗えない状況を考えて、除菌シートを準備しておくと安心。

10)ウェットティッシュ
子どもが赤ちゃんの頃から使い慣れたおしりふきを、ウェットティッシュとして使っている。

11)ドロップス

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実はこれが最初に買った防災グッズ。子どもが好きな飴。不安な時こそ甘いものを。

12)緊急連絡先一覧表
スマホの充電がなくなった時のための連絡先メモ。百円ショップのケースに入れて防水対策。

13)衛生セット

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多用途に使えるポリ袋は3種類準備し、大きさや特性で使い分けられるように。マスク、簡易トイレ、母子手帳のコピーなどをひとまとめにしている。

14)文具セット

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書ける&貼れるものがあると便利。ガムテープだとかさばるし重たくなるので、防災リュックにはタックシールとマスキングテープを入れている。ペンやハサミと一緒にひとまとめに。

15)ケガ防止&防寒セット

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防刃手袋やアルミ保温シートなど、ケガ防止や防寒になるものを入れている。災害時、子どもサイズのものは手に入りにくくなると聞くので、子ども軍手、子ども靴下なども準備。

◎防災と暮らしをセットで考えるーー「はじめに」より

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私は、小学生の息子2人と夫と4人で暮らしています。実は、「防災」「備え」という言葉がずっと苦手でした。めんどくさくて、どうしても楽しい気持ちにはなれなかったからです。

雑誌の中で特集があっても読み飛ばしていたような私ですが、2018年の大阪府北部地震を機に防災に対する意識が変わりました。

当時、子どもはまだ6歳と4歳でした。私の防災知識はゼロに近く、家には防災グッズがひとつもない状態。こんな無防備な家で、幼い2人をどうやって守ったらいいのだと、怖くて、とても情けない気持ちになりました。
防災と暮らしをセットで考えるようになったのは、そんな苦い経験からです。

もしもの時も、いつもに近い暮らしを続けるためには、どんな対策をしておけばいいのか知りたいと強く思いました。自治体の防災冊子で自分なりに調べてみましたが、これだと思えるものにはなかなかたどり着けませんでした。

防災講座を探して参加しながら、少しずつ備えを考えるうちにだんだん「暮らしの数だけ備えがある」と思えてきたのです。もしもの時に、困りごとを少しでも減らすものや知識が防災なら、それは人や暮らしのかたちによって変わってくるでしょう。

それなら、普段の暮らしをもとに考えていく方が本当に必要なことが見つけやすいはずです。そして、日常に溶け込む防災であれば、自分にも続けられそうだと思いました。

この本でご紹介するのは、防災のプロではなく一人の母親であり整理収納アドバイザーである私が暮らしを楽しみながら、もしもの時の安心を備えるアイデアです。

家族が好きな味の備蓄食材や、使いやすい収納、管理しやすい仕組み、防災を無理なく続けるための、暮らしの工夫を紹介しています。

読んでくださった方にとって自分の暮らしに寄り添う備えをはじめるきっかけになったり「これならできそう!」と思っていただけると嬉しいです。


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