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色のちからを自分のちからに!

『四季の色彩心理学 色のちからを日々に活かす本』の見どころ紹介
2024年9月5日に発売される『四季の色彩心理学 色のちからを日々に活かす本』では、彩り豊かな生活が送れるヒントを色彩心理の観点から、色を四季に分け、季節ごとの美しい写真とともに紹介しています。監修を務めてくださった橋本実千代さんに、本書がどんな本なのか、そして色彩心理の魅力について伺いました。


色彩心理学は、実は幅広い…!

本書を楽しんでいただくにあたり、まずは「色彩心理学」とはどういうものか、簡単に紹介させてください。

例えば、赤を見たり、身に着けたりすると大胆になり、青は集中力を高め、緑はリラックス効果があるといったことを聞いたことはありますか? 他にも、黒い服はスタイリッシュ、ピンクの服は可愛らしく、黄色やオレンジの服は親しみやすさを感じさせる……。まさに、それが色の心理的効果であり、「色彩心理学」と呼ばれるもののひとつです。

写真=キャメル色は「安心感」「安定感」を与えます

この地球上は、色に満ちあふれていて、色それぞれに、心と体を元気にする「ちから」が備わっています。しかも、色は日々の食卓の盛り付けやファッション、インテリア、メイク、アクセサリーなど、日常生活のどの場面にもあるものなので、毎日そのときの気分に応じて楽しくその「ちから」を取り入れることができるのが、色彩心理学の一番の魅力であり、楽しさです。

写真=地球にはさまざまな色があふれていて、人のこころと体に影響を与えます

色は、人間の感情に強く結びつき、気分を左右させるなどの影響をもたらしますが、「色彩心理学」とは色の情報を脳が受け取ると、それをどのように感じ、何を連想するか、またどのような生理的な反応が起きるのかなどを分析、研究をすることです。また、色の好き嫌いや、選ぶ色から心を読み解く心理分析のことも色彩心理学と呼ぶこともあります。

さらに、色の波長の長さや、振動数などによって心身に与える影響が違うといわれていることから、カラーセラピーなどの分野についても色彩心理学ということがあります。

写真=カラーセラピーに利用されるさまざまな色のオイル。

このように色彩心理学は、名前の通り、色と心の関係を研究する学問なのですが、研究は進んでいるものの、大学などでの学問として単独で成立しているわけではなく、これからの発展に期待をしていきたいと思っています。

私が色彩心理学に触れることになった理由

色彩心理学を勉強するようになる前に、色については勉強していたのですが、そもそも、なぜ私が色彩心理学を勉強することになったかというと、大きな理由は二つあります。

まず、一つ目は、「はじめに」でも少し触れているのですが、自分が若いころから持病があり、入院したときに感じる好みの色の変化や、西洋医学の治療を受けながらも色のシールを貼る治療法や、光で内臓を癒やす光線治療など、色を使った体をケアする治療法の効果から、色が心身にもたらす効果の探求をしてみたいと思うようになったからです。

そして、二つ目は、似合う色の分析をするパーソナルカラーにおいて、似合う色が本人の嫌いな色だった場合、アドバイスをしても取り入れにくいことがあるため、外見だけでなく、心の部分をケアすることや、より元気に輝くための色のアドバイスも必要と感じたからです。

主にこれらのきっかけから、色彩心理を勉強するようになりました。

パーソナルカラーと色彩心理は少し異なる

先ほど少し触れたパーソナルカラーですが、近年、パーソナルカラー診断もすごく流行っていますよね。それは自分に肌や瞳、生まれ持った髪の色をもとに、自分に似合う色を探す分析のことで、色彩心理とは少し異なります。ただ、パーソナルカラーも色彩心理もどちらも、あくまでも「日々を豊かに彩る」もので、絶対にこう!と決めるものではありません。色は楽しむものです。

パーソナルカラーも色彩心理も、日常生活により良い色を取り入れるということに違いはありません。ですので、どんな気分で1日を過ごしたいのか、自分がどんな風に見られたいのか(どんな印象を与えたいのか)を考え、この二つを組み合わせて、生活に色を取り入れていただくと、毎日が楽しくなるのではないかと思います。

本の見どころ

ここまで、「色彩心理学」についてご紹介してきましたが、ここからは、本書について紹介させていただければと思います。

● 序章 色彩心理学のキホン
● 1章 SPRING
● 2章 SUMMER
● 3章 AUTUMN
● 4章 WINTER
……の5章立てになっています。

まずは基本を学びます
序章は色が心と体にもたらす効果を、恩師であり、カラーヒーリングの第一人者である高坂美紀先生に教えていただいたことを中心にご紹介しつつ、色彩学の基礎知識も学べるようになっています。基礎を少し抑えていただいてから、1章以降を読んでいただくと、より理解が深まり、楽しめると思います。

写真=色と色彩心理学の基本をわかりやすく学べます

そして、1章から4章は、パーソナルカラーのフォーシーズン分類(4つの似合う色のグループ分類)も少し意識をしながら、その季節に映える色を掲載しています。色のもつ特性を分かりやすく解説し、その色がもつ「ポジティブ」な面だけでなく「ネガティブ」な側面も明記しています。

写真=各章は、色見本とそのイメージに沿った写真で構成しています

デザインやプレゼンなどにも便利
色の意味だけでなく、デザインワークにも活かしていただけるよう数値も載せています。印刷物用のCMYK、モニター用のRGB、ウェブデザイン用のHEXの各数値を明記しました。

その色がどんな色みかがわかりやすいよう、大きなチップで色も紹介しているので、パッと目に飛び込んできた色から読んでいただいたり、デザインの参考にしていただいたりもしやすくなっています。

写真=日々の生活にいかせる内容になっています

また、配色例を生活に取り入れやすいよう、イラストで紹介しています。季節感を意識した配色になっているので、ご参考になれば幸いです。そして、なんといっても本書の特徴は大きな美しい写真。山と溪谷社さんらしい、見ているだけでも癒やされるような写真にしようと、スタッフ一同で写真選定にも時間をかけました。

コラムでは、四季の花や、12ヶ月の誕生石の色についても紹介しています。そして、最後のページには、気持ちごとで検索できるINDEXがついています。パッと本を開いていただいても良し、1日をどんな気持ちで過ごしたいのか、INDEXから引いていただいても良しという作りになっています。

最後に、皆さんへメッセージ

色それぞれにはちからがあります。この本をご参考に、ぜひイラストに添えたカラーコーディネートや、写真に添えているアドバイスを実践してみてください。また、毎朝、気になる色を選び、その色やその色と関係の深い補色のメッセージを読んでみたり、目をつぶってパッと開いたページの色を、その日のラッキーカラーにするなど、色のちからを感じて日々、色を味方にして楽しんでいただければ幸いです。

この本がみなさんが毎日を、そして季節を元気に楽しく過ごす手助けになることを願っています。

『四季の色彩心理学 色のちからを日々に活かす本』
監修:橋本実千代
定価:1980円(本体1800円+税10%)
発売日:2024年9月5日
仕様:A5変型判(縦190mm×横148mm) オールカラー192ページ

【監修者プロフィール】
橋本実千代(はしもと・みちよ)
公益社団法人色彩検定協会認定色彩講師。日本色彩学会正会員、日本色彩教育研究会会員。大学や企業で色彩教育を行う他、FANTISTにて公式カラーコースの監修、クリエ・スクールにてカラーセラピーやパーソナルカラーの個人カウンセリングなどを担当している。共著に『色で巡る日本と世界』(青幻舎)『配色の教科書』(パイインターナショナル)『世界のふしぎな色の名前』(グラフィック社)、監修に『世界でいちばん素敵な色の教室』『366日 日本の美しい色』『理想の色に巡り会える 青の図鑑』『理想の色に巡り会える 赤の図鑑』『理想の色に巡り会える 白の図鑑』(三才ブックス)『伝統的なテキスタイルの色使いから学ぶ世界の配色見本帳』(日本文芸社)などがある。

企業向けの講習会、ワークショップなどで活躍している橋本さん

(写真=iStock、橋本実千代)