大学院修業休業制度① 決めるまで

もうすぐ50歳(半世紀かぁ…)になり、あと1か月あまりで息子が生まれ、4月から大学院(博士後期)へ通うことになるなど、ここ数か月で人生の転機になることがいろいろとあり、思い切ってNoteを始めることにしました。

最初の投稿は、X(formerly known as twitter)で質問いただくこともあった大学院修業休業制度について書きたいと思います。

周りの人と比べてそんなに外れないような人生を生きてきましたが、これについては、「へぇ、あなたもですか。奇遇ですね。」となったことが一度もないので、結構レアなんだろうなと思います。

今でも変わらず存在するみたいなのでそれなりにニーズがあるということでしょうか(大学院修学休業制度:文部科学省 (mext.go.jp))。私は現在は東海地方の高等教育機関で働いていますが、2021年3月まで公立中学校で英語を教えていました。計23年間で、4つの学校でお世話になり、本当にいろいろな経験をさせていただき(これについてもいつか記事にしたいですが)、今でもそこで得た知識やスキルが仕事の支えになっています。

中学校教員という仕事はブラックとよく言われますが、その世界に入ってしまうと慣れてしまうもので、教師として大したカリスマ性をもたないへなちょこな私でも、激務の中に、大小さまざまな喜びを見つけることができましたし、時間の使い方や、生徒との関わり方、保護者への対応など先輩の先生方に一つずつ教えていただきながら、やりがいをもって働いていました。

そんな中で、とある先輩の先生に英語教育研究会に誘っていただき、ありがたくも、口頭発表や紙面での発表の機会を数多く得て、授業実践についてお褒めの言葉をいただくこともできました。それがとてもうれしくて、当時の自分にとって、最大の自己実現の機会でありました。

教師になって8年が経とうとするとき、校務が多忙で授業準備がやりきれない日々を過ごす中、海外留学(アメリカのTESOLコース)をして勉強(休憩?)しようと考えました。当時、結婚もしていなかったので、毎週末の部活指導以外の時間は図書館の自習室でTOEFLの勉強をして、今でもお世話になっている英語学校に通い始めました。

当初、教員を辞めてから留学しようと考えていましたが、文科省のHPでこの制度を見つけ、海外の大学院へ進学する場合は最長3年(入学時期が秋なので)というのを見つけて、とりあえず休職して行くことにしました。でも、無事にTOEFLスコアもとれて、資金も貯まっていましたが、ふと、このタイミングではないな、と思いとどまりました。

その後、結婚し、子どもが生まれ、異動した学校でも、校務と研究(授業実践)を両立しながら、充実した生活を送っていました。赴任して2年目に教育研究員という立場を与えられ、3名の大学の先生方から直接、授業実践についてご指導いただく機会を得ました。

その中の1人の先生が、大学で働くという道について、「人生は一度キリ」というキラーフレーズとともに話してくださいました。そして、ここで、再び「この制度」のことを考えるようになりました。家庭があり、住宅ローン返済もあり、自分一人で決められるわけもなく、妻に相談したところ、了承してくれました。寛大な妻には、本当に感謝しかありません。

さて、職を維持したまま休職する制度が3つあったのですが、私は以下の2つで少し迷いました。

① 大学院修業休業制度(私が利用した制度)
 ・教員免許1種しかない人が専修免許をとることを目的として最長2年(海外は3年)休める。
 ・進学する大学に制限はないため自由に選んで受験し、合格を目指す。
 ・休職中は完全に無給で、市県民税や共済年金の支払い等の免除(猶予)もなし。バイトは学内のTAぐらいならよし。家庭教師や塾講師とかはダメという理不尽な公務員縛りあり(情報漏洩防止?今でもダメなのだろうか?)。

② 〇〇研修制度(正式名称は覚えていません)
 ・(確か)研修の一環として1年間休職して地元の大学院へ進学し、2年目は復職し、働きながら修了を目指す。他府県の大学院行くと2年休める。
 ・進学先は指定の教育系大学(教職大学院)に絞られる(これは、所属する自治体によって違うかもしれませんが、私の自治体はそうでした)。
 ・休職中もなんと有給(確かフル)。

家庭をもつ身であり、「有給か無給か」、は一大事ですが、進学したい大学を心に決めていたこともあり、進学後の経済的なプランの実行可能性を基に、妻に相談し、①での了承を得ました。1年休職して、2年目は復職して修論書く計画でした。同僚や先輩方から幾度となく「よく奥さんOKしてくれたな」と言われました。普通に考えれば、①を選ぶことも、それを許すこともあり得ないことだと思います。「なんで②じゃだめなの?」が普通の反応だと思います。でもお金より大切なものがそこにはあり、それを受け止めてもらうことができました。

何はともあれ、休職する時に後ろ指さされないように、より一層校務に励み、その後4年間かけて、学費と1年間休職するための貯金(生活費、家のローン返済、市県民税、共済年金等)を完了し、2015年4月から大学院修士課程へ進学することになりました。

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