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Vietnam 準備(貿易条件)

 いろいろと商材の仕入れ準備をしていく中で、貿易条件について整理する必要が発覚(汗)。今までは深く確認せずに進めてきたことが多かったのですが、世界で取引をするうえで共通ワードとなるのでササっとまとめてみます。

貿易条件はインコタームズ(国際商業会議所)が定める貿易条件の定義・ルール。10年おきに改訂されているようで、2020年に発行された「インコタームズ2020」が最新版。インコタームズの規則は、アルファベット三文字(例えば、FOB、EXWなど)で表され、売主・買主間の物品の引き渡しに関する危険の移転の分岐点、役割や費用(運送の手配と運賃の支払い、保険の手配と保険料の支払い、通関手続きと費用)の負担区分などそれぞれの規則の下で売主・買主が行うべき義務をまとめた取引条件。
ただし、支払われるべき代金や支払い方法、物品の「所有権」の移転時点、契約違反の結果などは定めておらず、あくまでも下記の三つの取り決めを定めている。

①売主と買主の費用負担の範囲

②貨物引渡し時期の分岐点

③引渡しに関わる売主と買主の役割

そして、アルファベット3文字で表される規則は、頭の文字をとって4つの区分けとなる。

「E型」=売主の指定施設(工場/倉庫)での引渡し
「F型」=輸出地での買主の指定した運送人への引き渡し
「C型」=売主が輸入地までの運賃を負担し、輸入地にて引渡し         *ただし危険負担は輸出地にで買主に移転
「D型」=売主が目的地までの費用を負担し、目的ににて引渡し

あとはそれぞれの型に対して、危険負担と保険負担の範囲で変わってくるが。予想される輸入体制から、保険については全て会社として一括で入る事が割安かつ、コストが明確になりやすい。そのため、下記では想定される貿易条件のみ抽出して整理する。

「EXW」 EXW(工場渡)/EX Works 買主の負担範囲が最も大きい条件                    EXWは、売主(輸出者)が指定した自社の工場・倉庫などで、商品を買主(輸入者)側に渡し、その後の輸送に関するリスク・費用は、すべて買主が負担する条件です。EXWでは、商品を引き取るための輸送手段(トラックなど)も買主が手配し、積み込み作業における危険負担も買主側にあります。輸出国での輸送や通関の費用も買主が負担する条件は、インコタームズ2020のなかでもEXWだけ。ただし、関係省庁からの輸出認可取得や輸出通関時の情報提供に関する助力義務は、輸出者側にもあります。

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「FOB」 FOB(本船渡)/Free On Board                                                   指定船積港で本船の船上に商品を置いた時点で、売主の引き渡し義務が完了したと見なされ、その時点から一切の危険負担・費用負担が買主に移転するという条件です。なお、FOBも輸出通関手続きは、売主側で行われます。

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「CFR」 CFR(運賃込)/Cost and Freight              CFRは、売主からの商品の引き渡し場所、危険負担の範囲はFOBと同じですが、指定仕向港までの商品の運送費用は売主が負担するという条件です。
なお、貿易実務では「C&F」と表現されることもありますが、契約書などでは正式名称である「CFR」表記を使用しましょう。

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「DDP」DDP(関税込持込渡)/Delivery Duty Paid         DDPは、輸入国の指定仕向地での輸入通関後に、危険負担・費用負担が買主へ移転する条件です。つまり、輸入通関手続きの費用や関税、その他の税金も売主の負担になります。インコタームズ11条件の中で最も売主の負担が大きく、買主の負担が小さいのが特徴で、輸入国内での通関や輸送費用も売主が負担する条件は、このDDPだけです。フォワーダーを通しても、売主が輸入国での通関許可を取得できないような場合は、DDPを避けてDAPを適用すると良いでしょう。

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関税について
輸入貨物の課税価格は、WTOの関税評価協定で「輸入取引された実際の取引価格(現実支払価格)によること」とされます。しかし、実際の取引には値引き、手数料、ライセンス料など買手が売手に支払う商品価格以外の費用があります。日本では物品の卸売価格に運賃と保険料を加算したCIF価格が課税標準ですから仕入書価格に運賃と保険料が含まれていない場合はこれを加算します。

という事で「CIF」 CIF(運賃保険料込)/Cost, Insurance and Freight CIFは、売主からの引き渡し場所、危険負担の範囲はFOB・CFRと同じですが、指定仕向港までの商品の運送費用と保険料を売主が負担するという条件です。

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以上となります。

これらを把握したうえで、物量と引渡し場所を加味して、判断がもとめられますね。


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