vietnam会社設立② 手続きの流れ

日本での手続
ここでは、親会社が日本の企業である場合について説明します。
親会社が日本以外の企業の場合は、その自国で手続を行うことになります。

■必要書類の準備
日本で準備する書類として、次のものがあります。

【投資登録証明書(親会社:日本)】

親会社の登記簿謄本(※発効後3カ月以内のもの)
直近2期分の監査済財務諸表もしくは納税証明書
親会社の銀行残高証明書(※銀行印の押してあるもの、かつ、資本金額以上の残高が記載されているもの)
親会社の代表者のパスポートのコピー
現地法人の代表者になる方のパスポートのコピー
宣言書(上記書類を日本側の公証役場で公証認証する際に必要
賃貸契約書
※東京コンサルティングファームに上記書類の公証認証を依頼される場合には、委任状や宣言書のフォーマットを東京コンサルティングファームが用意します。

■公証役場で認証
上記書類を用意した後、これらの書類がベトナムで法的効力を持つためには、日本の法務局、公証人、外務省の公証がされていなければなりません。
それぞれの担当機関にて手続きを行うこともできますが、東京都、神奈川県の場合は公証役場にてすべての機関の手続がワンストップで行うことが可能です。

ただし、在日本ベトナム大使館の公証手続は別個に行う必要があります。
なお、公証役場で認証の代理申請を行う場合は、以下の書類が必要となります。

委任状
印鑑証明に登録された社印(個人の場合は実印)が押印され、印鑑証明に登録されている者の署名がされた公証委任状
印鑑証明書
委任状に捺印されたものであり、法務局より発行されてから3カ月以内のもの
登記簿謄本
代理委任者が法人の場合に必要。法務局より発行されてから3カ月以内のもの
代理人の身分証明書と印鑑
代理人の身元を証明するために必要


■在日本ベトナム大使館で認証
公証役場での認証が完了した書類を在日本ベトナム大使館または領事館で認証する必要があります。
英文での提出が望ましいです。

実務上は日本で公証認証したものをベトナム国内で翻訳ができるので、日本語での提出でも問題はありません。なお、公証可能な在日本ベトナム大使館・領事館は3拠点あります。

公証はベトナムでもすることができます。

その場合、ハノイで公証する場合とホーチミンで公証する場合があります。

ハノイの場合は、在ベトナム日本大使館で公証した後、ベトナム外務省領事局で認証のための公証を行います。
ホーチミンの場合は、在ベトナム日本領事館で公証をした後、ホーチミン市外務局領事室で認証のための公証を行います。

公証作業が終了したあとは、これらの書類をベトナムに送り、ベトナムでの手続に入ります。

ベトナムでの手続
■ 日本で作成した投資登録証明書と企業登録証明書の翻訳・公証
日本で準備した①~⑧の書類をベトナム当局に提出するためには、書類をベトナム語に翻訳し、再び公証する必要があります。
ベトナム語への翻訳は、政府が指定する翻訳機関で行う必要があります。政府の認可を受けていない機関での翻訳の場合、効力はありませんので注意が必要です。

政府認可の翻訳機関に依頼する場合に要する日数は、通常1~2週間ほどで、当該翻訳機関にて書類の公証を行うことが可能です。

■ 申請書類の作成
続いて、申請書類の作成をします。
日本で用意した書類(①~⑧)とは別にベトナム当局に申請する書類を作成する必要があります。

このプロセスが最も重要で、工数がかかります。
申請書類や定款などの記載内容を誤ると投資登録証明書取得後の事業や資金繰りに大きく影響するため、十分な注意が必要です。

【投資登録証明書申請書類(ベトナム)】
投資計画実施申請書
投資計画提案書
財務支援誓約書、財務省保障誓約書
賃貸契約書(もしくは、合意書)
委任状


【企業登録証明書申請書類(ベトナム)】
企業登録申請書
現地法人の定款
代表社員のメンバーのリスト
代表者の任命状
投資登録証明証
投資家のパスポート
上記はベトナムで用意する一般的な書類です。
申請書類を英語などの外国語で作成して提出することも可能ですが、その際は同時にベトナム語訳も提出する必要があります。

ベトナム語と外国語の各書類の内容に齟齬がある場合は、ベトナム語訳が優先されます。
業種によっては、その業種の専門性を示す資格証明書や日本での実績を示す契約書・請求書などを根拠資料として追加で提出を求められることがあります。

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