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今日、樺太・真岡で、、、8/15

8月15日

今日、樺太・真岡で

天皇陛下の玉音放送があった。
大詔渙発、ポツダム宣言を受諾したことを、天皇陛下が国内外に発表したのだ。
真岡に駐留していた第八十八師団歩兵25連隊将兵は茫然とし、今まで張りつめていた緊張が解けてしまったという。

正午のことである。
日本人に戦争の終結が伝えらた。
この日の正午をもって、ソ連以外の連合国は戦闘行為を停止した。

人口1万9千人の製紙業とニシン漁で栄えた真岡の町に
ボクの父は住んでいた。小学4年生である。
住んでいた王子製紙の社宅を調べると、町の東側の崖の上とある。
そこは、王子製紙工場と海を見渡せる海岸段丘の上であった。

時を同じくして、樺太の日本とソ連の国境北緯50度に近い古屯では、前日からの雨があがり、夏の日差しが照りだしたころ、ソ連軍の攻撃が日本軍の古屯兵舎を襲った。迎え撃つ第八十八師団歩兵125連隊に対して、ソ連兵数千人、150mmりゅう弾砲10数門、戦車隊50両。日本軍は、国境付近の戦闘から戻ってきたほぼ一個中隊。15日は何とか持ちこたえたものの、翌16日夕刻、ソ連軍の手中に帰した。

白旗をあげた国に対して、ソ連は攻撃の手を休めることはない。
これは、ボクの父だけでなく、樺太から引き揚げてきた人々が忘れることのない、怒りにつながっている。

参考文献:「証言・南樺太 最後の17日間」 藤村健雄著

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