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【開業者インタビューVol.2】ライフステージの変化のなかで美容師を続けていくために独立 ー プライベートサロン『Mino’aka』毛利香苗さん

須坂市賑わい創出拠点やまじゅうでは、市内での開業や事業拡大を目指す方などに向けたチャレンジショップの貸し出しだけでなく、開業に向けたサポートも行っています。本シリーズ【開業者インタビュー】では、当施設が関わった開業者をご紹介します。

今回お話を伺ったのは、2024年4月に須坂市米持にオープンした予約制プライベートサロン『Mino’aka(ミノアカ)』店主で、美容師セラピストの毛利香苗(もうりかなえ)さん。須坂市内で美容師としてのキャリアを積んだのち、ご自宅の一部を改装して自身のサロンをオープンしました。3児を育てながら新たな道へと進んだ毛利さんが開業を志した経緯、オープン直後の現在の思いをお聞きしました。


お客様らしさに寄り添うプライベートサロン

—— 木の温もりと爽やかなブルーの調和が感じられる、明るくやさしい雰囲気の店内ですね。

お客様と私だけのマンツーマンのサロンなので、何も気にしないでゆっくりしてもらうにはどういう色が落ち着くのかを考えて、自分もすごく好きな青をテーマカラーにしました。あとはナチュラルな雰囲気を作るために木目が多く見えるようにしています。

お店になっている1階部分は元々倉庫だったのですが、施工をお願いした大工さんが私の要望に合わせて改装してくれました。天井が低いのを広く感じられるように工夫してくれたり、棚やコンセントの位置、台の高さも私が使いやすいように数センチ単位で調整してくれました。

—— お店づくりにあたって、どんな空間にしたかったのでしょうか。コンセプトなどを教えてください。

コンセプトは『お客様の笑顔のお手伝い』です。店名の Mino’aka は、ハワイ語で ”笑顔” という意味なんです。自分ではそんなつもりはないのですが、いつも笑ってるって言われるんですよ。

サロンワークをしていて一番嬉しいのは、お客様が「ありがとう」と仰って笑顔でお帰りになるときです。お客様も、家族も、自分も心から元気になれる場所でありたいという願いを込めて、”笑顔” というワードは入れたいと思っていました。

形にはまった感じより、お客様らしさを大切にしています。その人その人の色があり良さがあるので、カウンセリングをして「これがいい」「こういうのが好きだよね」という点を共有して、お客様の好みを引き出すことを意識しています。

—— 自分のことって自分ではよくわからなかったりするので、誰かに「こういうのがいいんじゃない?」と言ってもらえるとありがたいですね。それが美容師さんからのアドバイスだとより心強いです。

その場だけのスタイルを一生懸命作っても、その人らしくなかったり、ご自身で作れないスタイルであったら、お客様にとっては本当の満足じゃないと思うんです。生活のなかでの悩みをしっかり聞きながら、その人に寄り添ったスタイルを一緒に探すことを大事にしたいです。

—— 奥の空間はキッズスペースだそうですが、お子様連れの方のニーズに応える形で設けられたのでしょうか。

そうですね。私も母なので、子育て中の方も来やすい場所にしたかったんです。子供を連れて行くのって「いいよ」って言われても気が引けるじゃないですか。ここはマンツーマンで他の人を気にする必要がないので、お子さんたちも自由にしてもらえます。あとは、まつ毛パーマやAGOメソッドの施術場所としても活用しています。

—— 毛利さんは美容師セラピストとして、髪以外のケアも専門とされているのですね。聞き慣れない言葉ですが、AGOメソッドというのはどういったものでしょうか?

AGOメソッドというのは、小顔骨格調整です。一般的な小顔矯正とは違い、全身を整えることで顔の歪みを整えていきます。

元々は私自身のコンプレックスを解消できるのではと思い、施術を受けに行ってみたらすごく変化を実感できたんです。それと同時に、コンプレックスや不調で悩んでる方に対してのお客様を思う気持ちを持っているセラピストさんがすごく多くて。私も美容師をやりながら悩んでいる人の力になれたらいいなと、学んでみようと思い習得しました。


美容師と家庭の両立のため開業を決意

—— 毛利さんのこれまでのご経歴を教えてください。

高山村出身で、中学3年生の頃に美容師になりたいという気持ちが芽生え、高校は経営を学べる商業高校に進学しました。高校3年の夏からは須坂市内の美容室でアルバイトを始めました。色々経験させてくれるお店で、学校が終わってから夜まで、シャンプーの練習など髪を切る以外の仕事をやらせてもらっていました。

高校卒業後に長野市内の専門学校に進学したあとも、同じお店でアルバイトを続けました。学校終わりや土日に働かせてもらい、美容師のたまご時代を育ててもらいました。専門学校卒業と同時に、ずっと修行してきた美容室に就職してカットデビューしました。

—— 夢に向かってまっしぐらという感じですね。それにしてもハードだったのでは…?

専門学校を卒業するまでに、カット以外の勉強やたくさんのテストを全部クリアしなさいというお約束でした。結構きつかったですが、その経験がいまも活きています。

そのまま24歳まで働かせてもらい、結婚と同時に退職して、新しい美容室に移りパートとして働きました。妊娠出産のあいだも産休育休を取得して、3人目の子供が保育園に入ったタイミングでまたしっかりと働き始めました。

—— お子さんが生まれてからも市内の美容院にお勤めになっていたそうですが、ご自身のお店を持ちたい!と思ったのはなぜでしょうか。

自分のお店を持つことは以前にも考えたことはありましたが、出産や育児に追われていた頃は無理かなと思っていました。忘れていたとか諦めていたわけではないけれど、そこに気持ちがいっていなかったというか。

3人目の子育てが落ち着いたあとに「自分が年を取っても、細々とでも美容師を続けていくにはどうしたらいいんだろう?」と考えるようになったのが、開業の大きなきっかけです。

美容師って土日になかなか休みが取れなくて。土日は主人が子供の面倒を見てくれるけど、子供達からはまだ小さいのに「ママまた仕事?」「ママ仕事だもんね」とか・・・。家族との時間がなかなか取れないことにモヤモヤしていました。でも美容業だし仕方ないのかな、とも。

「今のお店でいつまで勤められるのかな」とか「どういう形でなら続けていけるのかな」と思いを巡らせるうちに、自分のお店を持ってみようかと考えるようになりました。家族の時間も大切にするために、子供が小さいうちは割り切って日曜定休にしています。自分で営業日も決められるのも決め手のひとつでした。


自分で決めることの難しさや周囲の支えを実感

—— やまじゅうに最初にお問い合わせいただいたのは2023年7月のことでした。当時はどんなご状況だったのでしょうか。

当時はまだ出店場所も決まっておらず、「もしかしたら1階の倉庫部分を工事すればできるのでは?」と思いついたくらいの曖昧な状況でした。やまじゅうさんのことは以前から知っていて、開業支援もされているのを偶然見かけて連絡しました。

開業に関してなにもわからない状態でしたが、特に相談したかったのはお金のことです。お店づくりに必要な資金繰りが決まっておらず、やまじゅうさんに金融機関を紹介してもらいました。その際もリードしていただいて本当にお世話になりました。

—— やまじゅうでは長野信用金庫さんと連携したオンラインによる相談窓口を設けています。毛利さんにはこちらの制度をご活用いただきました。その後の融資に向けた準備はどうでしたか?

金融機関に提出する事業計画書づくりも初めてだったので、なにもわからない手探り状態で本当に大変でした。やまじゅうさんや美容室をやっていた方からも色々と教えていただきましたが、それでも一度メンタルやられてしまいました。1年間の売上とか書いているうちにだんだん不安になってしまい・・・。

旦那さんはあまり口を出すほうではないのですが、私が「うわー!」ってなっているときに「大丈夫大丈夫!」と言ってくれたり、メンタルを支えてもらった気がします。でないと、家族の平和がグラつくので(笑)自分一人では乗り越えられませんでした。

—— 開業の準備をするなかで気づいたことはありますか?

初めてだらけでいっぱいありますが、全部自分で決めていくことの難しさを知りました。勤めていたときは、実はオーナーさんが見えないところで色々な判断をしてくれていて、ほんとうの意味では自分で決めていなかったんだなと感じました。

初めは「自分のお店だから自分で決めて当然でしょ」と思っていたのですが、決めることが多すぎて大変でした。「本当にこれでいいの?大丈夫?」の繰り返しで、そのたび「もう知らない!誰か決めてくれ!」という気持ちでした。

開業されているまわりの人たちは、楽しそうにキラキラしてる部分しか見えないけど、こんなに苦労しているんだということがよくわかりました。一方で、相談に乗ってくれたり関わってくれた周りの人たちは本当にみんな優しくて、いい人たちばかりで。苦労してきた人たちは相手の苦しい気持ちもわかるし、自分もそうやって助けていけるようになりたいと思いました。


お客様への感謝を胸に、笑顔になれる場所として

—— オープンから数日が経過して、いまはどんなお気持ちでしょうか。

オープンする前はワクワクや楽しみ、期待の反面、不安の波との戦いでした。まだこれからですが、実際に始まってみると思っていた以上に楽しくできているかなと思います。まだオープンしたばかりで落ち着かない部分もありますが、自分のお店で仕事していることを実感しています。

勤めていた頃もお客様が来てくださるのはもちろん嬉しかったけど、オーナーさんのお店なので私に会いに来てくれてたかどうかはわからないというか。でもここは私一人でやっているから、私のサロンに来てくれていると感じられて嬉しいです。たくさんある美容室の中から選んでくれて、本当に心からの感謝の気持ちです。

お客様にとって、心が元気になれる場所でありたいです。疲れている時や話を聞いて欲しいときにそっと寄り添ってあげられるような場所でありたい。元気になれたよと言って、キレイになって帰ってもらえたら嬉しいなと思っています。

—— 最後に、これから開業する方へメッセージをお願いします。

初めてのことばかりで大変なこともたくさんありますが、それ以上に嬉しいことのほうが多かったので、頑張ってほしいと思っています。いろんな人に頼ってみてください。


取材・文:波多腰遥、小笠原妙子
撮影:内山温那


店舗情報

Mino’aka(ミノアカ)
住所/須坂市米持町633−3
電話番号/050-1720-0059
営業時間/9:30~17:00
定休日/日曜日・他不定休
予約方法/公式LINEにて
Instagram/@minoaka_hair_kanae


やまじゅうでは、起業や開業にチャレンジする皆様をサポートいたします。
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