"群青日棋" 第1回 内山あや女流初段「知的で寡黙、だけど天真爛漫」

1.「緊張する事ってあんまりないんです」

"内山が福間に勝った"
昨年、秋に差し掛かろうかという季節、期待の若手が第一人者から挙げた金星がコアな将棋ファンの注目を集めた。

筆者が"群青日棋"を始めるにあたって、同じ東竜門役員に取材するのが自然かなと考え、それならあの一局かなと真っ先に浮かんだのが福間ー内山戦だった。
内山はこの企画の話に前向きに乗ってくれて、思い出の一局はやはりあの福間戦、とすぐに決めてくれた。

第一印象は知的で寡黙な印象だった内山だが、会話が進むにつれて、フランクな口調で話してくれることもあり、しばしば筆者を楽しませた。
「ここはまあ、△35歩かなって。」
筆者も驚いた強気の好手にも、あくまで自然体の言葉が印象的だ。
「でも、この後良い手を指されてわからなくなっちゃって〜」
そう話す内山は明るく笑っていた。将棋の話をする内山に気負いはなく、どこまでもフラットで楽しげだ。
それでは思い出の棋譜を追いながら、女流棋士内山あやの魅力に迫っていこうと思う。(続く)

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