"群青日棋"内山女流初段③「まぁ大丈夫かな、と思いやすい(笑)」


△84飛▲94歩△74飛など、切り返す思考になりがちだが、
内山は堂々と"同歩同歩"の対応が棋風だ。

指了図から少し戻るが、福間の仕掛けに対して筆者の第一感は△86歩や△84飛▲94歩△74飛など、素直には応対しない指し方だった。

それを全て"同歩同歩"で応対したのだから、堂々としているな、と感心した。内山は、
「感覚的に、"まぁ大丈夫かな"と思いやすい。(笑)それが上手く行く時もあれば、潰れちゃう時もあるので、課題でもあります。」

本譜はその大局観がいい方に働いた。前回指了図の▲95角に△64銀が、
「ギリギリバランスを取れていて、いい形かなと思った」
という、駒を目一杯使った指し方。
さらに先手から見ると▲27香はいかにも気分の良い手なのだが、内山は「読み筋でした」
と△33桂。
確かにこれで先手から厳しい手はなく、後手も十分に戦えている。
第一感で"怖いな"と思いそうな局面から、更に深く読みを進められるところが内山の強さだな、と筆者は感じた。

少し進んで指了図に。
福間の▲47金も流石の一手で、振り飛車も十分に思える局面。

指了図は▲47金まで
福間女流五冠も堂々たる駒運び。
先手も十分に見える場面で内山の自慢の一手は?

ここで内山が指した一手が
「手応えがあった」という自慢の好手なので、是非皆さまも考えて頂きたい。(続く)

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