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RIZIN45 大晦日 感想


僕は格闘技を観るのが大好きだ。
強い人同士が殴り合い、最後は認め合うのを固唾と酒を飲みながら見守るあの時間に、おそらく何をしている時よりも幸福を感じる。
好きになったきっかけとか理由とかはまた今度書いていこうと思うが、今日は年一度の格闘技の祭典、大晦日のRIZIN45について、印象的だったことを書いていく。俺たちはファミリーだ。


YUSHI、芦澤、三浦。気持ちで負けてちゃダメでしょ。(敬称略)


YUSHIvs平本丈、芦澤竜誠vs太田忍、三浦孝太vs皇治を見て、
YUSHIも芦澤も三浦も、気持ちの面で負けてしまっていたなと思った。

YUSHIvs平本丈

YUSHIは1ラウンド目はよかったものの、差を感じたのか平本丈の打撃を警戒しすぎて2R目以降はあまり手が出てなかったし、3R目の最後とかも明らかに判定で負けているのに、寝かされてから展開を作りにいこうとせず、勝ち負けはどうでもよくて失神だけを避けているように見えて、残念だなと思った。

太田忍vs芦澤竜誠


芦澤も相性最悪の超強豪、太田を指名し、「自信がある」と大風呂敷を広げた割には太田忍のタックルを警戒しすぎて何もせず秒殺されていた。つまり勝ちに行く試合ではなく負けたくない試合になってしまっていた。

三浦孝太vs皇治


三浦孝太もラウンド終盤で皇治の右ミドルをもらって前屈みにダウンしてしまうのは追撃を恐れる気持ちの弱さの現れだと思った。

大前提、格闘家はリング上で気持ちで負けるのを見せるのが1番ダメだと思う。薬物使用とかとか軽量オーバーとかよりよっぽどタチが悪いなと思う。
何者でもない僕がこんなこと言うのは偉そうでしかないけど、金を払った客側としてこれは切実に思う。
僕みたいな格闘技ファンは単に勝敗や技術の応酬だけを見ているわけではない。
痛い、苦しいのが分かっていながら、それでも相手に立ち向かって勝ちを掴みに行く強い精神を見て、感じて、明日からの生活の活力にしているのだ。
格闘技観戦にそういう「観る抗うつ剤」的な要素があるのは昔から変わってないはずだ。知らんけど。
世の中色々なエンターテイメントがあるが、それを1番魅せれるのが格闘家だと思っている。だから試合中に気持ちが折れて負ける選手を見ると、ppv代を返せと思ってしまう。
酷なことを言っているとは思うけど、ホントに、選ばれしネオ人類なんだから、たのんますよ。

平本蓮vsYA-MAN、安保瑠輝也vs久保優太、堀口恭司vs神龍誠。勝敗決するも両者株を上げた

平本蓮vsYA-MAN

まずは平本蓮vsYA-MAN。
試合前のSNSでの煽り合いや記者会見で散々注目を集めた2人の試合。大SNS時代にこういう盛り上げ方は批判が多いけど効果的で賢いなと思う。
下馬評通り、平本蓮が全局面でほぼ完封する結果になったが、先に挙げた三試合とは違い、いいパンチをいくら貰っても倒れず、相打ち覚悟で突っ込むYA-MANの気持ちの強さと、打撃へのこだわりを要所要所で捨ててテイクダウンに行く平本蓮の勝ちへの執着が見れて、技術以上の感動があったと思う。試合後のYA-MANの悔し涙は美しかった。

久保優太vs安保瑠輝也

次に安保vs久保の元K1スター選手対決。
大会20日前、急遽のMMAでのオファーを受けたキックボクサー安保の漢気にあっぱれで戦前から楽しみな試合の一つだった。
僕の戦前の予想としては、久保の有利は揺るぎないが、色気を出して打撃戦に付き合ったりしたら安保もワンチャンあるといった感じ。
実際は、安保が蹴りを出して打撃でプレッシャーをかけるも、久保がニータップからテイクダウン、安保の足をまとめてマウントポジションのパウンドから最後は裸絞めで一本勝ち。定石通りで盤石な勝ち方だと思う。
テイクダウンディフェンスを練習しているストライカー相手には、ダブルレッグタックルや上組みからの投げより、ニータップなどの片足タックルが決まりやすい(扇久保vs朝倉海2、萩原vs牛久のように)と思うので、IQファイター久保優太を遺憾なく発揮した試合だと思った。負けてしまった安保もやはり打撃は鋭いと思ったし、今年からMMAに挑戦するみたいなのですごい応援してます。ライト級は化け物しかいないから体重落としてフェザー級で戦うのがいいと思います。like a 中田氏からの提言。

堀口恭司vs神龍誠

そして堀口恭司vs神龍誠の試合。夏の超RIZIN2では堀口のアイポークにより試合が流れてしまい、大晦日での再戦。言わずと知れた国内最高の選手、堀口恭司に勢いに乗る新星、神龍がどう戦うのか。再戦ではあるもののダントツで楽しみな試合だった。
そして、言うまでもなくベストバウトだった。
堀口が経験の差を活かした試合作りで最後は一本勝ちをしたが、1R目、シングルレッグタックルを切られるものの堀口をコーナーに押し込み、背後を取ったりしてコントロールした神龍誠の評価が爆上がりしたのは間違いない。
バックを取られながら肘を打ってくる堀口も、勝ちに徹する本当に強い選手だなと再確認した。
なぜか神龍誠の世間的評価がそこまで高くないと思っていたから、見たか!愚民ども!とまるで親のような気持ちで嬉しくなった。まあこの試合の魅力はマジでYouTubeで観るのが早いと思う。世界レベルの試合を見せてくれてありがとう。



勝ち負けが決まり、勝った側が全てを奪うような残酷さも格闘技の魅力だと思うが、負けた側も株を上げて両者が得をするような試合がやっぱり好きだ。この3試合はそれを三者三様の形で体現していたと思う。

僕は現実世界で相手も自分も美味しくなるような関わり方をできているのだろうか?
格闘技というある種のファンタジーを自分の生活に敷衍して考えることで、自分の現実での山積みの課題が浮き彫りになることがある。明日からも頑張るぞ!

まとめ?

普段レポートとかも適当に書くタイプの僕はもう長い文章を書くのが疲れたのでこの辺で終わろうと思うが、まあRIZIN45は2023年を締めるに相応しい神興業だった。
テーマである「泣いて、笑って、格闘技」の通り、オープニングVの時点で泣いてしまったし、堀口のプロポーズで幸せな笑顔になったし、色々な感情をジェットコースターのように駆け抜けた数時間だった。
バラさん!笹原さん!佐藤さん!柏木さん!選手の皆さん!いつもありがとうございます!また来年も楽しい興業をお願いします!!!!!

泣いて、笑って、格闘技。いいテーマだなあ。




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