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第53話 長年の隔たりを経てついに「カップヌードル チリトマト」
実はこれ、食べたことがなかった。辛いものもトマトも大好きなくせして。なぜかというとカップヌードルを手に取るときは「基本の味」が恋しくなった時で、そうなるとノーマル、シーフード、カレーに手が行くのだ。それに僕の勤める病院の売店にはなぜかチリトマトが売っていないのも理由の一つだ。
トマト好きとしては「これを食べていない」では済まされない。この記事を書く関係で、ご当地ラーメンを食べることが多かったのだが、今回はレギュラーメニュー、楽しみだ。
チリの辛さ&トマトスープのマイルドさ
ピリッとしたチリの辛さに、トマトの甘みと酸味がマッチしたスープ。具材はトマトキューブ、コーン、キャベツ、インゲンに加え、鶏肉由来の「白い謎肉」を使用。
ところでこのカップヌードルのチリトマト味は歴史のある商品のようだ。1982年(昭和57年)から販売が開始されたらしい。そのころから名前は聞いていたが、一時姿を消したように思う。
僕は学生時代には寮生活を送っていたのだが、10代後半といえば「腹が減る」のが代名詞みたいなもので、僕もご多分にもれず空腹の夜を過ごし、自動販売機のカップヌードルによくお世話になっていた。4年間を過ごした寮だったが、この間自動販売機にチリトマトが並ぶことはなかった。
こうして過去を振り返れば、チリトマトの噂を聞きながらもなかなか食べる機会がなく、今回実に二十数年もの歳月の隔たりを経て食べることになる。
ではいざ開封。
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明らかにノーマルとは違った。酸味とスパイシーな香り。お湯を注げばそれが湯気に乗って漂う。これは期待大だ。いけるやつだと確信した。
3分を待ってふたを開ける。色とりどりの見た目もいい。
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まずはスープを一口。カップヌードルはスープが少なめなので、スープを存分に味わうということはできないが…さっぱりなのに、のどに軽い辛味を感じる。スープの熱と辛みがまた絶妙だ。
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では麺を食べてみよう。軽く赤く染まった細い麺をズズズとすする。軽い酸味がありほのかに辛みがあるが、子供でも十分に食べられる味だ。
トマトジュースでカップヌードルをつくったような単調さではなく、味の深みがありうまみはしっかりしている。
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具で目立つのは、直方体で白い謎肉だ。鶏肉ベースで作られているらしい。ほかの謎肉に比べると、謎肉らしさはありつつもきめが細かくあっさりしている。
さすがはカップヌードルのロングラン商品、うまみを堪能しながらも程よい酸味で、飽きがこない。なので最後まで罪悪感を抱かせずスープまで気に飲み切ってしまった。
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さすがはカップヌードルのレギュラーメニューを飾る商品、期待を大きく上回る味わいだった。
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