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第23話 変身!「UFOまぜそば」

カップ焼きそばといえばUFO。あのソースの香り。誰かが食べている香りを嗅いでしまうと、それはもう衝動を抑えられなくなる。

職場のNsステーションでこの香りを漂わせようものなら、たちまちのうちに看護師さんたちの注目の的となるどころか、部屋の外にいる患者さんたちにも影響を与える最強の香りだ。

UFOといえばこのソースだと思っていた。しかし、しかしである。今日食べる『UFOまぜそば』の味は、『醤油』そして『お酢』ですと。しかも麺も極太麺と、もうここまでくると味の想像がつかなくなる。

極太麺にリニューアルで食べ応えUP!
太くなった麺にお酢がきいたコク旨醤油だれが絶妙に絡むまぜそば。"濃い濃いラー油マヨ" をかけることで、やみつきになる味に仕上がります。


第5話でどん兵衛のイレギュラーメニュー『豚ニンニク醤油うどん』を食べた時には、どん兵衛のプライドを貫いた味に感動を覚えたものだ。さてこの『醤油まぜそば』はいかがであろうか。

・・・いや、ソースばかりに注目していたが、実は麺にもUFOのUFOたる秘密があるのか、そこをこれまで意識していなかったのはうかつだった。

『やきそば』ではないのだから、すでにUFOブランドとは違ったものになってしまっているのか・・・

ところで同じような汁なし麺の『油そば』と『まぜそば』これらは違うものらしい。

『油そば』は東京に古くからある麺文化で、スープの底に入った油とスープを麺に絡めながら食べる料理で、一方の『まぜそば』は名古屋で広まった『台湾まぜそば』をルーツとしており、その特徴は台湾ミンチを中心に様々な具材と絡めて食べるものらしい。

・・・と知ったようなうんちくを並べる僕だが、どちらもきちんとしたものを食べたことがない。

今回食べるのは『まぜそば』。カップ麺に具材を求めることはできないのは重々承知のうえ、今日も味わってみたい。

さっそく開封してみる。小袋は2種。『まぜそばのタレ』と『ラー油マヨ』だ。『まぜそばのタレ』はこの2月の寒波襲来の時期には固まっている。フタの上にのせて温めるのを忘れないようにしなければ。お湯を注いで5分待ち、湯切り。

フタをはがすとカップ焼きそばを湯で戻した香りがする。この香りが結構好きだったりする。

ではまず『まぜそばのタレ』をかける。クリアなオイルと黒いタレだ。普通のUFOと全く違い、香りはわずか。混ぜるとわずかに香ってくる程度だ。

この時点で一回味見してみる。平たく太めの縮れ麺のしょうゆベースの味。”こってり”といわれているが、くどくなく主張控えめの味だ。何やら中華風のような味を感じたのだが何かわからなかった。後で調べるとメンマの風味とのこと、なるほど言われてみるとそうかなと思った。

それではラー油マヨをかけて食べてみる。

!!!!!!!

味わいは突然変わった。マヨネーズのまろやかさと酸味のすぐ後に、口の奥に飛び込んでくるラー油の辛み。口の中に残るホットな感じ。

普段は宇宙警備隊であるハヤタ隊員が、いざという時にウルトラマンに変身するように、その姿は激変する。

これはこれでうまいまぜそばなのだが、ラー油マヨをかけることでワイルドに変化するのだ。それはただ単にラー油マヨがうまいだけではなく、ベースのまぜそばの味を増幅させ、インパクトを与えてくれる。

UFOのソース感は全くなかった。ただ、うまいのはうまい。しかしUFOのブランドを冠するポイントはどこなのかは、まだまだ入門者の僕にはわからなかった。タレをかける前の麺の香りと食感はUFOだったかもしれない。UFO道、奥が深い。

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