間違ったスキンケア

私はと北の方の地方都市で皮膚科医をしているものです。間違ったスキンケアをしている患者さんをよく見るので驚いた症例を紹介していこうと思います。

1 顔面をたわしでこする

70代くらいの女性の患者様です。皮膚を清潔な状態に保ちたいと言う一心でたわしでバリバリ顔面を擦っていたとのことです。考えただけで恐ろしいですよね・・・。

顔面をこすることは下記の3点から絶対にやめたほうが良い行為です。

・皮膚のバリアする機能を落として乾燥や炎症を悪化させること

・炎症が起きて色素沈着しやすくなること、

・コラーゲンやエラスチンといった皮膚を支える組織が破壊されてたるみやすくなること

などなど百害あって一利なしです。泡で優しく洗う方法をお話ししました。

2 強度のアトピー性皮膚炎なのにステロイドを使用したくないと言うこだわりから感染症に

40代くらいの男性の患者様です。アトピー性皮膚炎の患者様は脱ステロイドと言う間違った知識をどこかから聞いてきたのでしょう。アトピー性皮膚炎を塩水で治すと言う謎の治療を行なっており、細菌感染を起こして顔面浸出液だらけでした。

アトピー性皮膚炎はの患者さんは

・ステロイド外用剤を塗る場所

・ステロイド外用剤の強さ

・ステロイド外用剤を塗る期間

を間違えなければステロイド外用薬のメリットを引き出すことができます。

その患者さんにはステロイドのメリットを説明して使用してもらったところ数日でかなり綺麗な肌を取り戻しました。

3 美容のために長時間のランニング

美と健康のために長時間のランニングをしていることが自慢の患者さんがいました。

しかしその方の皮膚は黒ずみ、小じわ、たるみも年齢の割に目立っている状態でした。お話しを聞くと日焼け止めを使用せずにランニングを長年されているとのことでした。

紫外線は美容皮膚科的には大敵です。このように長時間の日光暴露で皮膚の老化は圧倒的に早く進んでいきます。

また、長時間のランニングによってストレスホルモンが分泌されると体内での炎症が誘発されて老化の原因になるとも言われています。

ランニングするのはいいのですが、適度な時間と日焼け対策をしっかりしてもらうようにお話ししました。

このように間違った知識から自分の肌を傷つけてしまうかたは多いようです。自分のオリジナルの健康法は避けて、我々専門の医師に相談して行動してもらえると嬉しいです。

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