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【授業レポ】高校生のためのデザイン授業③

■3回目の授業のテーマ
私の〇〇専門店その2 (ポスターとメニュー表を作ってみよう)

前回の授業で作った専門店のデザイン。どうしたら知らない人に知ってもらえるのか、どうしたら食べたいと思ってもらえるのか、どうしたら買ってもらえるのか。

3回目はこの部分を考えていく時間です。

①ゴールまでにどんな過程があるのか?

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前回私が見本で作った専門店のメインビジュアル。コンセプトやイメージに合わせてデザインをしましたが、ただ絵やロゴを作っただけでお客さんが買ってくれたら苦労はありません。

知らない誰かにつくったものを買ってほしいと思ったとき、買う側の立場に立つと「知らない」→「買う」までの間にはどんな心の変化があるのでしょうか。

今回の対象は「専門店の商品」。コンビニやスーパーでお茶を買うのとは違い、「なんとなく」では買ってもらえません。わざわざお店に来てもらったり、ネットで指名検索してもらわないとたどり着けません。それには相手が「欲しい、買いたい」と思ってもらうための働きかけが必要です。その過程を、自分に興味がない人と最終的に付き合うまでに例えてみました。
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えらそうに恋愛マスターのようですが、私には恋愛なんてまるで語れません、すみません。高校生の方が語れるかもしれません。

知らない人に知ってもらうためにはどうする?
「話しかける」「共通の友達に紹介してもらう」
…更に興味を持ってもらうためにはどうする?
「相手と自分の共通点を探す」「相手の興味を調べて話しかけてみる」
…いいねいいね!さすが今時高校生。アプローチ例が返ってきました。

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相手との関係性がどんな状態なのかによって、アプローチの方法が変わってきます。

②導線を考えてみる

今回は、オープンキャンパスで校内のキッチンを1日限定店をオープンする想定なので、校内に初めてやってきた中学生親子をキッチンに誘導するためのポスターを張る場所をどこにするか、チームに分かれ、教室を出てシミュレーションしてもらいました。

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校門を入ってすぐの壁だったら目につくかな?説明会をするホールから誘導するためにこの壁に貼ったらどうかな?コピー用紙じゃ小さくない?矢印作る?などなど高校生たちで考えてもらい、教室に戻って、ポスターを張りたい場所を報告してもらいました。

③専門店のポスターとメニュー表を作ってみる

今日の課題は前回作ったお店のメインイメージを元に一日限定店の店頭に置くポスターと、メニュー表をcanvaを使って作ってもらいました。
メニューは1フード、1ドリンク以上。メインイメージと違うお店のように見えないように、ロゴと色の統一は必須です。

感想

デザインは単に絵を作ることではなく、相手に伝えたいという気持ちの上に立ち上がるものです。
デザインのコミュニケーションを恋愛へ例えたことで
意外と高校生たちが乗ってくれて私もほっとしました。

導線を考えるワークでは、ポスターを掲示したい場所とその理由を聞くと、ちゃんと答えることができていました。
実際に相手の立場になって客観的な目線で見ることができたようです。

授業が終わったその日の夜に、担当の先生から連絡がきました。「山口さんの授業がおもしろかったのでもっとお話し聞いてみたいです。画像を加工したりするのが好きなので、どんな仕事があるのか知りたい。」と1人の学生さんからclassroomにメッセージが届いたということでした。

この学生さんは1番「作るのが好き」というのが伝わる、気持ちの良いデザインを作れていた学生さんだっただけに私も嬉しく、ぜひ話を聞かせてください!と翌週学校に飛んで行きました。

プロのデザイナーにならなくても、人に伝わるデザインを作れることは、社会に出たときにとても強みになるというのは、私が普段の仕事でも実感していることです。趣味があって動画が作れる人は多いですが、デザインの基本の考え方を知ることは動画スキルと同じようにぐっと世界を広げてくれるものだと思います。

今後もノンデザイナーのためのデザインの可能性を探っていきたいです。






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