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大学生一人暮らしのアパート選びに合格前予約は必要?2年連続で体験してわかったこと

共通テストが始まり、本格的な大学受験シーズンが幕をあけましたね。
受験生の保護者のみなさんは、お子さんがベストな体調で受験に臨めるように細心の注意を払うと同時に、合格後に一人暮らしをするアパート探しにも頭を悩ませる時期ではないでしょうか。

筆者の子どもは、なぜだか地方の国立大学を2年連続で受験した(一浪した、ともいいます)ため、わが家では「合格前予約」について2年連続で考えることになりました。
合格前予約をするべきかどうか悩んでいる方に向けて、体験談をつづります。
※なお、地域によって状況は違うかもしれません。受験する大学周辺の情報収集をオススメします。

1年目「みんな先にアパート決めてるのよ?」

子どもの大学受験って、本当に大変ですよね。
成績の伸びはもちろんのこと、天気予報を見つめて公共交通機関が無事に動くかどうかヤキモキするし、風邪引かないかインフルエンザにかかりやしないか、受験票は持ったのかお弁当はどれくらい用意したらいいのか、もう心配することだらけ。

しかも、あるとき先輩ママさんに衝撃的なことを教わったんです。
「アパートは決めたの?」
「まだよ。だって受験はこれからよ。合格してから決めるもんでしょう?」
「何言ってるの。今はね、合格前予約っていうシステムがあるのよ。みんな合格する前にアパートを決めてるの。だから合格後にアパートを探しても、いい物件はもうなくなってるのよ!」

なんですってえええ?!
合格前にアパートを決める?合格するかどうかもわからんのに?
何?みんな自信満々なの?

調べてみると、たしかにありました。合格前予約というシステムが!

合格前予約、するかしないか

すごいシステムが存在していました。
合格発表前から部屋の予約をしておけて、合格すればその部屋に住む、不合格なら自動的にキャンセルになる。「うっうっうっ。ダメだったのでキャンセルします…」なんて切ない連絡をしなくても済むようです。

でも。ちょっと考えました。
国公立は前期試験のあとに後期試験ってものがあります。
後期試験の合格者がアパートがなくて通学できない、なんて話は聞いたことがありません。
ってことは、アパートの数自体は、足りているハズ。
合格してからアパート探しても大丈夫なのでは?

そもそも、一次試験が終わって自己採点してみないと、どこを受験するかもはっきり決まらない、決まったら改めて二次試験の対策しなきゃいけない、そんなときにアパート探ししている余裕なんてあるのかしら?

二次試験のときに親が一緒に行って、子どもが受験している間に親が不動産屋でアパート決めるのよ」と先輩ママ。
「えっ?それって住むのは子どもなのに、親が勝手にアパート決めちゃうってこと?無理では?」
「でも、そうしないといい部屋はなくなっちゃうから。大学から遠い部屋とか、ホントに古い部屋とか、そんなところしか残ってないかもよ」
なんという世の中でしょうか。ついていけない…。

念のため、子どもに聞いてみました。
「ねえ、世の中では二次試験のときに親がくっついて行って、試験の間にアパートを契約するらしいんだけど、する?」
「えっ、俺が住む部屋を俺が知らんまま契約されちゃうってこと?絶対ヤダ!」

ですよね~。
というわけで、わが家では子ども一人で二次試験に行きました。
手応えは十分あったらしく、プレッシャーから開放されて楽しそうに過ごしています。
しばらくするとこんなことを言い始めました。
友達みんな、もうアパート決まっとるみたい!やっぱり合格前予約してるんだって。今なら時間あるし、見に行っといたほうがいいんじゃない?」

えっ。だから言ったやん。今から行って部屋あるんやろか。
一抹の不安を抱えつつ、とりあえず受験した大学近くにある不動産屋さんへ行ってみることにしたのです。

不動産屋によって違いがある

大学周辺には不動産屋さんが複数あります。
どこに行くべきか悩みつつ、午前中に1軒と午後に1軒回ればよいだろうと、物件の多そうな2軒を予約しておきました。

まずはA不動産。合格前予約というシステムについて、ベテランっぽい方から改めてじっくり教えていただきました。
でも。
「実は合格前予約に対応している物件は、あまりないんです。しかもいい物件は早いうちに予約されていまして。今から案内できるのは、こことここ、くらいですかねえ」
なんと!

というわけで、「こことここ」を見せてはもらいましたが、子どもはあまり乗り気でない様子。
「ありがとうございました。ちょっと検討してきます」
とお礼を言って、B不動産屋へと向かいました。

B不動産では、案内してくれる人が…妙に若い。
「〇〇大学1年の〇〇と申します!よろしくお願いします」
なるほど!現役の学生さんが対応してくれているのです。
「こことかこことかがおすすめですね。私の友達もこの辺にたくさん住んでますが、大学が近いのでギリギリまで寝ていられます」
バイトするならこのあたりが便利です。スーパーやコンビニも近いですし」
うわぁ、いい!
学生目線の生の情報がガンガン出てくる!
めちゃいい!

「このアパートのこの部屋には今、住んでる人がいるので内見はできないんですが、こっちの部屋なら空いているので中が見られます。違う部屋ではありますが、雰囲気はわかると思います。行ってみますか?」
たちどころに2~3の部屋をピックアップして、車で案内してくれました。

お昼と夜は学食ですねー。ミールカードがあればひとまずご飯が食べられるので、助かってます」
県外から来てる人も多いですよ。7割くらいは、県外じゃないかな」
「遊ぶところはカラオケとボウリングくらいですかね」
移動中も生の〇〇大学情報をどんどん教えてくれました。
いい!
A不動産より、断然、B不動産を推します!

というわけで、B不動産でアパートを合格前予約して帰りました。
ここの大学の学生さんって本当に優秀で素晴らしいなと、保護者も安心できる見事な仕組み。
子どもにとっても、学生生活が楽しみになったようです。

しかし、残念ながらこの年は不合格に。
子どもの受験番号を預けておけば、合格発表を確認して合格なら契約手続きを進め、不合格ならキャンセルまでしてくれる不動産屋さん。
ありがたいけど申し訳ない気分になりました…。

2年目「合格前予約でキャンセルになった部屋があるよね?」


1年後、結局また同じ大学を受験。
さあ、アパートどうする?

「合格前予約したけど不合格になった場合って、その部屋は空くんよね?いい物件は早くから押さえられてるってことは、合格発表直後にアパート探しに行けば、いい部屋がキャンセルで出てる可能性が高いってことでしょ?」

なるほど、たしかに。
というわけで、今度は合格が決まってからB不動産に向かいました。
今回も、学生さんが対応してくれました。

すごくいい部屋がキャンセル出てます!ここ、合格前の予約受付を開始したらすぐに埋まったんですよー!◯学部なら、この部屋からめちゃくちゃ近いです」
「ここもいいですよ。僕は学食より自炊派なんですけど、近くにお店が多いので便利です」

おおお。読みは当たった!
その「すごくいい部屋」は子どもも気に入ったので、すぐ契約して帰りました。

住んでみたら「駅が遠い!古い!」

しかし。学生生活が始まり友達の部屋へ遊びに行くようになってみると、自分の部屋よりもずっとキレイで便利で快適だと、子どもはタラタラ文句を言っています。

「台所が狭い。2リットルのペットボトルすら洗えん。水切りかご置いたら何もできなくなった。湯が出ない。駅まで遠い。バイト先も遠い。スーパーは近いけど高い。部屋の設備が古い。友達の部屋はもっときれい」

あのね。予算ってものがあるんですよ。
社会人になってから、自分でいい部屋に住みなさい!

合格前予約はしてもしなくてもよい

以上、2年続けて同じ大学周辺のアパートを探した経験をお伝えしました。

・合格前予約をするなら、早めが吉
・合格前予約に対応していない物件も多い
・合格発表後にキャンセルされた部屋を狙うのもアリ
・とはいえ、合格後にアパートを探す人もいる。合格前予約にこだわる必要はない

結局、部屋探しって「運」とか「縁」なのかもしれません。土地勘のない町でどんな不動産屋を選ぶか、そこでどんな部屋に巡りあえるか、運を楽しんでもいいような気がしました。

住むところを確保して安心して試験に臨みたいなら合格前予約をすればよいし、合格が決まってから部屋を探したいなら合格前予約はしなくてもなんとかなります。

お子さんがこれまで頑張ってきた実力を十分に発揮して、夢をつかまれることを応援しています!

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