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【凸凹と歩む】暑いの?寒いの?感覚過敏と感覚鈍麻

「さむいさむい」

と次男はまた、ダウンを出して羽織っていました。この陽気に、です。

温度感覚がずれていて、季節に合わない服装をしてしまいます。

次男は自閉スペクトラム症(ASD)。
とことん得意なことと、とことん苦手なことがある、凸凹の激しい子です。
次男が徐々に語ってくれるようになった凸凹の世界について、そばで見ている親の立場からお伝えしていきたいと思っています。

こたつが好きすぎる子

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GWも過ぎ、ようやく意を決してこたつを仕舞うと、毎年、大ブーイングを浴びせられます。

「なんで仕舞ったん!さむい!さむいさむい!」

季節柄、さすがにね。もうこっちが耐えられないので勘弁してほしい。
すると、ダウンを引っ張り出してきて着こんでいます。あああ、見ていてかなり暑苦しい。夏も基本は長袖長ズボン。靴下は絶対。

気温が上がっても、彼は感覚的に、寒いのだそうです。寒いから着る。そうすると、身体は汗をかいてくる。でも寒い。熱が出る前の寒気に近い感じらしい。

何年か前、春に出かけたら思いのほか暑かった日がありました。厚手のトレーナーを着ていた次男に何度脱ぐように言っても、頑として「暑くない!」と脱いでくれません。仕方がないのでそのまま、あちこち歩きまわっていたら、だんだん次男の顔は赤くなってきて、汗をかいてきて。これはもう、アウトでは?と無理やり脱がせました。
「はぁ~~~~」
気持ちよさそうです。
「暑かったじゃろ?」
「いや、さむかった」
「脱いでみてどんな気分?」
「涼しい、かもしれん」
ヤバいですね。これでは、彼に判断を任せていたら、熱中症になりかねません。

発達障害の人には、感覚過敏感覚鈍麻のかたもいるようです。音や光に非常に敏感で教室のザワザワがつらいとか、洋服のタグが皮膚に触れるのがダメだとか、あるいは痛みを感じにくいとか。
次男も多分、感覚鈍麻なのでしょう。暑いのがわからない。その一方で、タグは嫌い。帽子もマフラーも嫌い。こっちは過敏でしょうか?

上着を着ない子

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じゃあ冬はどうなのかというと、基本的に上着を着ません。さむくないの?って聞くと、さむくないって答えます。
もちろん、彼にも暑いときや寒いときもあるのです。けれども、多分、他の人よりも鈍い。すごく鈍い。
冬には皮膚の色を見て判断しているそうです。あれ?血色悪いな。寒いのかな。じゃあ着ようかな。そんな感じらしい。

感覚鈍麻で気をつけておきたいこと

あつささむさがわかりにくいこの子も、成長したら誰かに「脱ぎなさい」「着なさい」といってはもらえなくなります。
自立に向けて、気をつけておいてほしいことを今から少しずつ伝えています。

1.熱中症に気をつける

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「自分の感覚だけに頼らずに、気温を確かめること。そして、周りの人の服装を見ること!いい?」
と強く言い渡しておきました。
「わかった、そうする」
頼むよ、覚えといてよ。

2.まわりを不快にしない服装を心がける

暑くなってきた日のダウン。寒い日の薄着。見ているほうが気になりますよね。

「気温がこのぐらいだったらこれは着ない、逆にこれぐらいだったら着る、っていうのを決めておこうか」
「うーん、できるかわからんけど考えてみる」

感覚が他人と違うって、それなりに大変です。
ですが、少しずつ、生きていくすべを身につけていってほしいと思います。




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