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素晴らしき「音商標」の世界

CMソングも商標登録できる

 商標というと、文字やロゴが最初に思い浮かびます。
 実際にはそれだけでなく、音も商標法上の商標に当たります。
 具体的には、CMで流れる企業名や商品名、CMソングのメロディ、サービスを起動した時に鳴る音、などが該当します。
 登録された音商標は、特許庁のホームページで聞くことができます。
 その中から、何度も聞きたくなる音の商標を選びました。

何度も聞きたくなる音商標その1「お~いお茶」

 「お~いお茶」は、日本人なら誰もが知っている、ペットボトルのお茶です。
 発売当初の1985年は「缶入り煎茶」という名前でしたが、1989年に現在のブランド名に改名し、大ヒットしました。

 「お~いお茶」の音声は、音の商標として登録されています(商標登録第5805757号)。指定商品は「茶」などです。
 詳細を見ると、「本商標は、『おーいお茶』という人の音声が聞こえる構成となっており、全体で4秒の長さである。」という説明があります。
 再生すると、「お~いお茶」の女声が聞こえます。

 この声の主は、どこか恥ずかしがっている印象を受けます。
 おそらく個室ではなく、オフィスの一角で録音したのでしょう。
 「録音しといて」と上司に言われ、緊張しながら録ったのかもしれません。
 再生する度に、心境を想像してしまいます。

何度も聞きたくなる音商標その2「関西電気保安協会」

 関西のCMソングは、首都圏では聞けない特徴的なものが多いです。
 「関西電気保安協会」も、そのひとつです。

 CMソングの歌詞とメロディが、音の商標として登録されています(商標登録第5833009号)。指定役務は「電気設備の保安・保守・点検又は維持管理」などです。
 楽譜を見ると、「かんさいでんきほーあーんきょーかい」と記載されています。
 再生すると、中年男性による合唱が聞こえます。
 独特のリズム感は、癖になります。

 関西のCMソングは、まだ商標登録されているものが少ない印象です。
 今後、「ホテルニュー淡路」や「たこ昌のたこ焼き」も、音の商標として出願・登録されるかもしれません。

何度も聞きたくなる音商標その3「オートバックス」

 CMソングは、どんどん変わっていきます。
 しかし中には、昔から全く変わっていないものもあります。
 それが「オートバックス」です。

 CMソングの歌詞とメロディが、音の商標として登録されています(商標登録第6695864号)。指定商品は「自動車用エンジンオイル」などです。
 楽譜を見ると、「オー ト バッ ク ス」と記載されています。
 再生すると、男声が奏でる合唱が聞こえます。
 オペラのような、硬派な響きです。
 慣れ親しんだCMソングですが、つい再生したくなります。

 子供の頃オートバックスのCMを見て、「大人になったらオートバックスによく行くようになるのかな」と思っていました。
 実際には、車を運転しない(そもそも持っていない)ため、まだ足を踏み入れたことがありません。

まとめ

 音商標は、奥が深いです。
 今後もどんな音の商標が登録されるのか、注目していきたいです。

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