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テレワークの壁を超える

日本では、ひとまず全ての社会活動制限が解かれ、コロナ以前の対面出社訪問の業務スタイルに戻りつつあるのかな、と思った矢先に、東京都心を襲った震度5の地震。テレビでは朝の通勤に向けて改札手前の長蛇の列の映像が流れていました。これを見て、あれ?テレワーク在宅勤務に切り替えなかったのかな?と感じた方も少なくないのではないでしょうか。

強みとし機会に転じたい

世界中で、強制されたWork from home、在宅勤務。変化を機会ととらえるのか、脅威ととらえるのか。
SWOT分析、強みと弱み×機会と脅威、と言われますが、仮に弱みや脅威の場合であっても、今回は世界中がスクラッチ同じ条件ですから、それを強みや機会に変えていくのか、弱みや脅威ととらえ続けるのかでは、この先の我々の未来は明るく強いものになるのか、不安で不確実な未来となるのか、180度異なってきます。コロナが仮に過ぎても、天変地異もやってきます、未来は、嵐が過ぎればただやって来るものではない、創るものでありたい。
困難をしっかりと正面からとらえて逃げず、それを克服しようと大変な努力の試行錯誤の先に得たものが、強みとなり、機会に転じ、結果として新しい未来を創るのだと信じて行動してゆきたいですね。

さて、日本では行動制限がすべて解かれたこの時点で、テレワークについて現時点で一旦総括してみたいと思います。
テレワークはメリットとデメリットがあることは、みな課題を共有できている状態になりました。

テレワークのメリット

1.パソコンで事務作業を行う業務は、集中してできる
2.タスク化された業務もディスプレイを通じた打合せで遂行できる
3.成果型の業務の進行管理や把握が文字ベースで可視化共有されやすくなった。
4.意味のない会議が減った
5.通勤時間がなくなって、時間が有効に使える
6.痛勤がなくなって、体力ストレス軽減される

テレワークのデメリット

1.スキルがない(足りない)場合には、難しい。(ちょっと相談するのが難しかったり、何を相談していいかすら判断できなかったり)
2.タスクがテンプレート化されていない新しい業務や、創造的な業務、複合的な課題が絡んでいる問題の対策、などはなかなか共通理解や認識合わせやアイデアの着想が出にくい。
3.仕事に対して受動的なタイプの場合、仕事のモチベーションが低下傾向。
4.エモーションのない、ただの文字コミュニケーションやロジックだけで
は、コミュニケーションコストが高くなり、ギスギスする。
5.職場コミュニティで形成していたバインドの力が低下する。
6.家でのON/OFFがつけにくい

他にもまだあるかもしれませんが、こんなところでしょうか。

デメリットをどうさばくか

さて、冒頭にも書きましたが、業界的に自宅に持ち帰ることができる
パソコンと携帯電話を通じての業務が主体の組織であれば、
週2-3日は会社に出社しましょうね、となっている会社が多いですね。

おそらくその出社理由は、デメリットの1.~6.のどれかに該当するからではないでしょうか。(他に理由があればぜひコメントご指摘いただければ嬉しいです)
このデメリットをさばく試行錯誤について、私が考え行っていることを列挙してみました。

1.スキルがない(足りない)場合には、難しい。(ちょっと相談するのが難しかったり、何を相談していいかすら判断できなかったり)

こちらは、結論:スキルがない人は在宅勤務にしないこと。労働法では労働者は監督者の指示に従い、業務内容、働く場所、時間管理、求められています。監督者や指導者の前で、教育される必要がある、ということかと思います。オンラインで行える教育もありますが、インタラクティブに「ちょっと相談することができたり、何を相談してよいかを探ったり」できる環境においてあげ、指導が必要な人たちです。
経営者目線からすると、指導者も本人に張り付けなければならないため、ダブルでコストがかかる方法でもあり、働く側も自立しない未熟な状態なので、早期に脱却させたいところであります。手っ取り早い方法は、定型可能なスキル系業務ならば、マニュアル化してしまうことです。
ちなみにマニュアル化ができないということは、上司が業務オペレーションを把握していない属人的になっている証左ですので、これを機会に業務の可視化をしてしまうチャンスですね。

2.タスクがテンプレート化されていない新しい業務や、創造的な業務、複合的な課題が絡んでいる問題の対策、などはなかなか共通理解や認識合わせやアイデアの着想が出にくい。

今まで取り組んでこなかった新しいビジネスを始めようとしたり、創造的な業務だったり、あるいは複合的な課題が絡み合っているような問題に取り組んだりする場合、関係者同士がFace to Faceで会って話をすること、3人寄れば文殊の知恵が必要です。またそれを気づいた人が自発的にFace To Faceでの打合せを主張したいですね。
仕事って、だいたい、Why→What (to Do) →How(to Do)の順で認識共有が必要だと思いますが、手前ほど、リアルでしっかり認識共有合わせをしておくことが大事だと思います。

3.仕事に対して受動的なタイプの場合、仕事のモチベーションが低下傾向。

まず、自分がこのタイプかどうか、意識してみる必要があると思います。
会社組織はいろいろありますが、当社ではこのタイプは難しいです。
なぜなら、仕事を丸投げされ成果を求められるからです。
業務範囲に対して、結果を出すために業務遂行責任を果たそうと、プロアクティブに行動する人であれば、リモートでも元気に自発的にコミュニケーションを取ろうとしますし、必要あればリアルでやりたいです、という発言になります。

4.エモーションのない、ただの文字コミュニケーションやロジックだけで
は、コミュニケーションコストが高くなり、ギスギスする。

文字だけのコミュニケーションだけの業務ですと、エモーション的な部分でちょっとしたすれ違いや勘違い認識違いが、コミュニケーションの手間を発生させてしまいますが、一言電話等でインタラクティブに双方の状況を認識確認することで、問題がスッとなくなることも少なくないです。電話かけることをためらわないようにすること、また電話を受けるほうも、かけずらい雰囲気を醸し出さない配慮、が必要ですね。

5.職場コミュニティで形成していたバインドの力が低下する。

会社の経営陣や管理職が、一番気にするのがこの点でしょう。
体育会系の雰囲気の会社で、みんなで遅い時間まで残業しながらそのあと飲みに行くような組織文化の会社の場合、この問題に直面する傾向にありそうです。私もどちらかというとこれが好きなタイプです。がこれはテレワークをすると途端にバインド力が弱くなり個人の力も落ちる傾向にあるので、リモートであってもより強くバインドできる形を目指す必要があると考えています。これは2つの対策が必要ではないかと思っています。
一つは、「ミッション・ビジョンの設定した言語化であり、それが働き甲斐につながるものであること」。
「働き甲斐」と書きましたが、最近はWell-Beingのような考え方もあったりしますので、さらに踏み込むと「生きがい」を感じるよう再設計することだと考えております。では仕事の職場における「生きがい」とは何か、というと、いろんな意見があろうかと思いますが、現時点で、私は次の4つの設計であると仮説を立てています。
①社会的なニーズに適合していること
②それが好きであること
③得意であること
④報酬評価
これが、「ミッション」と「ビジョン」にダイレクトに連携していていること、だと思っており、目下「ミッション」や「ビジョン」に従って①~④を徹底しようとしております。


二つ目は、それを共有するイベントを意図的に作ること、であろうと思います。10年ほど前になりますが、私はよくAppleの本社にサプライヤーとして営業出張していましたときに、Appleの社員から聞いた話として、社員(及び家族も)参加義務のパーティーイベントが定期的にあると聞きました。
単に懇親という理由では最近の若い人は参加しませんから、「ミッション」と「ビジョン」の宗教活動みたいな形を意識したいと考えています。
またそのような活動を創作する人にメンバーや社員になっていただければ
働き甲斐や生きがいを感じられるようになるのではないかと考えています。

6.家でのON/OFFがつけにくい

最後のこれは、仕事というよりも、家庭環境や住居環境にありそうです。
こちらは、どうしても会社に来たい人や来たくなったらきたらよいのではないかと思います。留意点は、会社は憩いの場ではありませんし、家庭の現実から逃避する場所ではありません、5.のミッションやビジョンを実行する場でありますのでその覚悟で。


以上、とりとめもなく書いてしまいましたが、リモートワークの総括、今後のチャレンジを書き留めてみました。
今回書ききれなかったリモートワークに関連した事項がまだまだあるのですが、時間を見つけて、以下を書きたいと思っています。


・業務委託と社員の違い

・情報セキュリティ

・メンタルケア

以上です

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