娘ちゃんに贈る話
むすめちゃん。
いつもママを大好きでいてくれてありがとう。
いつもママ可愛いって言ってくれてありがとう。
ママの絵を好きでいてくれてありがとう。
ママのご飯を美味しいって言ってくれてありがとう。
ママはむすめちゃんが産まれてくるのをずっと楽しみにしていたんだ。
小さな肌着を、用途のわからない服を、小さなお布団を買うたびにママはずっとワクワクしてたんだ。
いつか娘ちゃんが大きくなったら一緒にクッキーを焼いてみたいと思ってたの。この前一緒に焼いたね。
それから、段ボールで一緒に何か作ろうと思ってたんだ。段ボールは硬いから切る時は危ないから一緒にやると楽しいね。
いつか娘ちゃんとお買い物に行きたいと思ってたの。2人だけで。お洋服やアクセサリーや小物を…いつか娘ちゃんが選んでくれるのかな。
ママはずっと娘ちゃんとの暮らしが楽しいし、これからも楽しみがいっぱいなんだよ。
星になったおばあちゃんのお話だよ
ここからはママのママ。
娘ちゃんの星になったおばあちゃんのお話だよ。
おばあちゃんはママが22歳の時に病気で倒れたんだ。脳卒中で入院して検査したら末期癌だったの。
ママはおばあちゃんの事が大好きだったんだ。
とっても悲しくて悲しくて、色んな事を考えてみたけど「お母さんはどう思う?」って聞こうと思って、聞けないのがとても辛かったよ。
おばあちゃんは半年もせずに亡くなったんだ。
ママはその時23歳。おばあちゃんは46歳だったよ。
星になったおばあちゃんがもしも生きていたら、きっと娘ちゃんを大好きになったと思うよ。娘ちゃんはとっても面白いし、優しいし、働き者だし、色んなことに夢中になって、元気で、パワフルで、みんなを元気にするから。星になったおばあちゃんもきっと娘ちゃんを大好きになったと思う。
会わせてあげたいなってずっと思ってるけど。
でも出来ないんだ。
人は死んじゃうと、何も言えないし、どこにもいない。
星になって娘ちゃんが元気にしてるのを見てニコニコ笑ってるだけなんだ。
じぃじも星になっちゃったね。
みんな、いつか、星になっちゃうんだよ。
娘ちゃんには怖い話しだから言わなかったけど、じいじもばあばも、パパもママもそして娘ちゃんもみんないつか星になるんだ。
もし娘ちゃんが世界中で一人になった時
もしも、いつか、遠い遠いいつか、娘ちゃんが世界中でたった一人になったと感じてしまった時。
ママも思ったことがあるから知ってるよ。
世界中で一人になってしまったと感じてしまうのはとても恐ろしい事だよね。
もしも娘ちゃんがそうなってしまったら、ママは生きていたらすぐに娘ちゃんを迎えにいくよ。もしも星になっていても、娘ちゃんのそばにいくよ。
ママが大切な娘ちゃん、君は一人じゃないよ。
「お母さんはどう思う?」って聞いてみて。
星になったママでも聞いてみて。
きっと娘ちゃんの中にいるママが
「絶対に秘密だよ」って言った後、こしょこしょ話で
「娘ちゃんが一番好きだよ」って答えるよ。
ね?一人じゃないね。多分パパも同じように言うよ。
世界で二人は娘ちゃんのことが一番大好きだよ。
ちょっと難しいお話をするよ
もしも娘ちゃんがやりたいことがあったら、すぐにやりなさい。
人はいつ、星になるか分からないから。
やりたいと思ったら、とにかくすぐに始めなさい。
誰かに反対されても、意地悪を言われても、邪魔をされても、それでもやりたいと思う事があるのなら、その気持ちはとてもとても大切なことだから、一人でこっそりその気持ちを持ってていいんだよ。
たとえママやパパが反対しても、それでも、やりたいと思って、絶対に諦められない事があるなら、何を言われてもやってもいいんだよ。
やり方が分からなかったら、たくさん調べて、沢山勉強して、沢山考える事。
自分のやりたい事をするっていうのは実はとても大変な事なんだ。
上手くいかない事があるかもしれない。
方法が他にもないか考えてみて。人に聞いてみるのもいいし、一旦置いておいて大好きな歌を歌ったり、絵を描いたり、お出かけしたりしたらいいアイデアが浮かぶこともあるよ。それから、続けるのも辞めるのも自分で決めていいんだよ。
失敗してどうしようもなくなるかもしれない。
その時は、ママが一番大好きな人が誰かを思い出してね。
おうちの中にいっぱい隠してある、娘ちゃんが小さい頃の記録や写真を見てね。
娘ちゃんが頼りない細い手足で生まれてきた時も、ぷくぷくの手足の時も、怒って泣いてる時も、お手伝いがうまく出来なくて大泣きした日も、弟に意地悪して怒られた日も、ずっと大好きだよ。
落ち着いたら、やる事を順番に片付けていこうね。大切な事は何なのかしっかり考えれば、やる事もやる順番もちゃんとわかるよ。
大丈夫、生きてる限り失敗はつきもので、死なない限りは何回だってチャレンジしていいんだよ。
パパやママはいつかは星になる。
その後、やりたかったけれどできなかった事を作らないで。
やるのも、やめるのも、決めるのは娘ちゃんだよ。
他の人に決めてもらわなくていいんだよ。
大丈夫、あなたはとても優しくて働き者で、正直で、一生懸命だから、パパやママが居なくなっても、きっとあなたを助けてくれる人が出てくるよ。
ママからのお願い
娘ちゃんらしく幸せに生きてね。
別に良い子にならなくて良いんだよ。あなたが幸せだと思えることが何よりも大切なんだよ。
ママはおばあちゃんが早く亡くなってとても悲しかったから100歳位までは生きているつもりでいるけれど。それはだれにも分からないから。ここにも書いておくね。
自分が幸せになって、周りの人も幸せにしてあげてね。
娘ちゃんが幸せになれば、周りの人もみんな幸せになれるよ。
努力が必要なこともあるけれど、そんな時も、腐らず、諦めず、幸せになることを忘れないでね。
ママは、おばあちゃんが星になってひいおじいちゃんやひいおばあちゃん、おじいちゃんみんながどんどん星になっていった時、すごくすごく寂しくて、とっても家族が欲しかったんだ。
ママの夢は『自分の子どもと一緒にクッキーを焼くこと』だったんだ。
だって、それは家族がいて、みんなが仲良くないと出来ないことだから。
ママの夢を叶えてくれてありがとう。
ママは幸せです。
ママのこと
ママは大切な夢をひとつ叶えたから、これからも精一杯幸せだと思えるように生きてみるね。
自分の気持ちに嘘をついたり蓋をしたりせず、いっぱい考えて勉強するよ。
そして、そしてね、その夢が叶った時には、どんな夢だったのか教えてあげる。
いつも見たいに、まん丸い目で「え〜〜〜〜〜〜!?」ってビックリしてね。
ママがんばったじゃんって言ってくれると嬉しいなぁ。
ママが頑張ってるところも見ててね。
絶対誰にも秘密だよ。
世界中で一番大好きな娘ちゃんへ。
たとえ君が良い子じゃなくても私はずっとあなたのことが大好きです。
いつもにこにこをありがとう。
あぁ、そうだ。ママがおばあちゃんに魔法をかけてもらったんだ。
その魔法とってもよく効くから、娘ちゃんにもかけてあげるね。
「あなたはとても運が強い子だから、最後には笑えるようになってるから大丈夫よ」
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