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「★ムスコの巣立ち★」他(第2号・2002年 4月12日発行)


---◇ 山口“悟風”智・作「おかあさんへの手紙」◇--------------

------------------------------- 第2号・2002年 4月12日発行 ----

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☆今週は、5年生トラック
1981年度北海道富良野市立鳥沼小5年学年通信「つながり」より
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★ムスコの巣立ち★

ムスコが、家を出てしまいました。ホント!

“もうすこし、家族そろって暮らさないか?” 何回となく進路を決めるころ説得(せっとく)、懇願(こんがん)、哀願(あいがん)したにもかかわらず、すがる親父(おやじ)を振り切って…(チョット オーバーかな)

“どうしても、旭川の高校に入りたい”というムスコの意志を通してしまったのだけど、ほんとにこれでいいのだろうかと思うのです。

第一、自立する能力もない十五の少年が、“どうしても”なんて、生意気ナノダ。
<お陰で六万も七万も仕送(しおく)り>

小鳥が巣立ちをするのは、自分で食っていけるからナノダ。苦労して大きくして、たった十五年で親子がハナレて暮らすなんて-。

もう十年もして、女の子を連れてきて“どうしても”なんてぬかしたら、張り倒すぞ!! 淋しいのです。

(1981年4月24日)


★お見舞い、ありがとう★

自分の不注意から、3月6日夜、車にはねられて、ひと月入院。卒業していった子ども達を初め、同僚の人達、同室の方々、そして、部落の方々と多勢の人にご迷惑をおかけしてしまいました。「動けぬ体」で、一番うれしいことは、誰かがお見舞に来てくれることでした。六年生はもちろん2回も3回も来てくれましたが、とりわけ、うれしかったのは、今のうけもち <“持ち上がり”でなく“とび上がり”だと仲間に笑われていますが>の子やおかあさんが、全員来て下さったこと-。心の奥に大切にしまっておきます。一度、失った命。精一杯、この子らの為にと思っています。

(1981年4月28日)

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☆来週は、6年生トラック
1982年度・富良野市立鳥沼小学校6年学年通信「つながり」より

筆者・山口“悟風”智のプロフィールは、
http://plaza.rakuten.co.jp/gofu63/profile/
をご覧下さい。
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◆編集後記「千鳥足」◆

創刊号を読んで下さった方から、早速、感想が届きました。札幌に住む「おかあさん」からです。

時代が変った、と思いましたのは、「おかあさんへの手紙」と
いう題が、必ずしも当てはまらなくなってきていることです。
娘の保育園のお友達の家庭には、父子家庭も、主夫家庭も
あります。むろん、母子家庭もあります。
父母のどちらかを特定する言葉遣いは、こうした現状への配慮か、
行事名などからも消えているようです。
たった1クラスの中に、社会の縮図が見られるのですね。

「なるほど」と思いました。ご指摘を受けるまで、タイトルは、「おかあさんへの手紙」がベストだと考えていました。いえ、今もそう考えています。

しかし、父が希望していた本のタイトルは「千鳥足」でした。酒好きだった父が、自分で考えたタイトルです。ほろ酔いの千鳥足と言う意味です。

悩んだ結果、本編は実際に学年通信でも使った「おかあさんへの手紙」。「千鳥足」は、編集後記のタイトルとして、採用することにしました。

「悩んだ」と言えば、用語のことです。二十数年も前に書かれた文章ですから、現代の感覚に合わない部分はあるでしょう。今回も、書き換えようかと考えた用語がありました。しかし、このメールマガジン版では、明らかな間違い以外は、原文のまま載せることにしました。

「ヘンだ」と思う部分があったら、ぜひ、お知らせ下さい。読者の皆さんのご批評は、率直に受け止めて、紙の本を作るときの参考にしたいと考えています。

ところで、旅立った「ムスコ」ですが、今こうして、これを書いています。

(発行者・山口一朗)
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■発行者: 「悟風の書斎」管理人・山口一朗
yamaguchi_gofu@yahoo.co.jp
「悟風の書斎」http://www.asahi-net.or.jp/~jh2i-ymgc/gofu.html
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※トップの画像は、「鳥沼公園」makieniさん撮影。
鳥沼小学校に近い公園で、この写真は「
photoAChttps://www.photo-ac.com/ よりご提供いただきました。ありがとうございました。

■「おことわり」

 ☆明らかな間違い以外は、基本的に筆者・山口“悟風”智が書いたまま載せています。(編集者・悟風のムスコ)

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