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感情の振れ幅

ぼくは子どもの頃、けっこう感情的だった。怒りや不機嫌を表に出すことも、少なくなかった。

しかし大人になってからは、感情を隠そうとすることが増えた。幼なじみと久々に再会すると、「丸くなったね」と言われたりする。

怒りや不機嫌は、表に出せば出すほど増幅することがある。イライラしたときに、物を殴りつけたりすると、ますますイライラが募ってくる。

今はそんなふうに、負の感情を思い切り漏らすことは少ない。感情のコントロールはしやすいし、人付き合いにおいても、相手の気分を害することはそんなにないと思う。

しかし、感情の振れ幅が小さくなったことに、寂しさを感じることがある。たとえば昔はゲームで友達に負けただけで、悔しくてたまらなかった。最近は、負けてもあまり悔しくない。

負の感情が大きかった分、喜びも大きかった気がする。負けが続いても、最後に勝てれば、その分だけ大きな喜びを感じられた。

これはもしかして、物事にたいする情熱の縮小なのではないか。真剣に何かに打ち込めば、その分、失敗したときの悔しさも増えるだろう。

とはいえ、適度な距離感は大事だとも思う。少なくとも、怒りに任せて暴言を吐いたり、むりやり嫌なことを押し付けたりするのは、あまりいいことではない。

結局は、感情のバランス、嫌な感情との付き合い方が大事なのではないかと思う。生きていく以上、嫌な感情から、完全に逃れることはできない。

ときには、悔しさをバネにして、必死にがんばることも必要だ。だからと言って、常に不足ばかりに目を向けていても、精神的に参ってしまうかもしれない。そのあたりの平衡感覚は、一生を通じて学び続けるしかないだろう。

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