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マイブームとデカルト

古賀史健さんの本日のnoteを、非常に興味深く読ませていただきました。

私は古賀さんのファンであり、かつて『嫌われる勇気』を読んで大きな衝撃を受けました。生き方を変えられたと言っても過言ではありません。

そんな古賀さんの本日のnoteは、「諸行無常とマイブーム」というタイトルのものでした。平家物語に出てくる諸行無常という言葉と、自分の中の興味関心の移り変わりとを絡めて、「すべてはマイブーム」という考え方を述べられています。

「すべてはマイブーム」とは、かつてどれだけ熱心に興味を向けていたことも、時間が経てばどうしても興味を失ってしまうことについてのことです。

"ライフワークのように思っていたあれも、当時のマイブームだった。散々に頭を悩ませていたあの問題も、当時のマイブームだった。一生の仕事と思い定めたライターの仕事さえ、長続きしているマイブームに過ぎない。"

古賀さんはライターのお仕事をされていますが、それでさえ長続きしているマイブームに過ぎないと言います。

しかし、興味関心が変わっていくことを悲観されているわけではありません。むしろ、「すべてはマイブーム」という考え方は、自分や過去に縛られることから解放してくれるとのことです。

ひとつの道に集中した方がいいとは、よく言われてきたことです。ところが、実際のところ多くの人は、いろんな寄り道をしたくなります。

ぼく自身も、小さい頃から一つの道を突き進んできたわけではありません。やりたいことも、好きなことも、ブレブレです。

それについて、自信をなくすようなこともあります。それは、自分は一つの分野に精通していたことがない、という劣等感や後悔のようなものです。

しかし、古賀さんのこの記事を読むと、励まされたような気持ちになりました。やりたいことは、ひとつじゃなくてもいいんだよ、と。

このような考え方は、デカルトと結びつけることができると思います。なぜなら、デカルトは『方法序説』で道徳の格率について述べているのですが、それは暫定的なものであるとしているからです。

ふつう道徳と言えば、「なにがあっても必ず、こうしなければならない」というように、絶対的な法則のように考えられているかもしれません。しかしデカルトは、そのようには考えません。

むしろ、当座の生活をできるだけ幸せにすごすために考えたのが、『方法序説』にある「道徳」なのです。

つまり、人生のフェーズによっては、価値観が変わってもいいのです。「すべてはマイブーム」なのですから、あるひとつの価値観にとらわれる必要はない、ということです。

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