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短歌83

変わることは分かっててもどう変わるのか見失う季節 三月は

奥底で燃える花びら後悔の形を定めることは怖いよ

春の脈あなたを知っている人の扉の色ばかり確かめて

約束の無精卵だったかもしれず眼裏が赤くて温かい

解いている式のことは分からないのに答えは近づいて 忘れ傘

すぐに詩で誤魔化しちゃう癖よくないよ一日中雨の天気予報

花を炎に炎を花に例えても本当にしたい話じゃないね

後悔をなのに今してばっかりで願える星はこんなにあるのに

元気でいてくれるならそれでいいけれど 強がりなのかもしれないけれど

焦らされたせいで桜にさえ少し怯えてるって言ったら笑う?

出会ったら出会いっぱなしでいたいじゃん願掛けみたいに比喩を選んで

少しずつ平気になっていくことも誰にも正しさとは呼ばせない

サイネリア別れるための出会いとかじゃないって信じさせてほしいよ

嘘っぽい雨風のあと嘘っぽい晴れ 好きだったと認めるのかも

春といえど街灯がなければ暗い道に街灯はあってしまう

踏み込めない仔細こうなる前になら出来たことってあったんだっけ

孵らない卵と二律背反を抱えてしまう たぶん一人で

順当に来年度の話をされるお元気でってわたし言ったからね

花曇り髪を切ったら見せたかったと言ったらどんな顔をさせるんだろう

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