こそ泥夫婦の話 ※1990年頃
もののはずみで知り合った
若い二人の恋仲は
もののはずみで知り合った
わりには相当シリアスで
親には固く止められて
友には冷たく笑われて
それでも二人は堅く付き
とうとう居場所がなくなって
心にもない駆け落ちだ
心にもない駆け落ちだ
もののはずみで知り合った
若い二人の恋仲は
もののはずみで知り合った
わりには相当シリアスで
駆け落ちまではよかったが
惜しむらくには金がない
朝から晩まで働けど
どだい貯金にゃ縁もなく
心にもない借金暮らしだ
心にもない借金暮らしだ
もののはずみで知り合った
若い二人の恋仲は
もののはずみで知り合った
わりには相当シリアスで
男は好きな麦酒も飲めず
女は好きな映画も観れず
しょせん世の中、金、金、金か!
どうともなれと呟いて
心にもないこそ泥稼業だ
心にもないこそ泥稼業だ
今夜も夜が更ける頃
二人は出かける闇にまぎれて
やいやい何ぞか文句があるか
草木も眠る丑三つ時に
こそ泥夫婦のお通りだ
何の因果かスネに傷もつ
こそ泥夫婦のお通りだ
こんなはずじゃあないはずなのに
哀しき愛の末路ぞえ
哀しき愛の末路ぞえ…
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