私が「駐妻=辛い!」から抜け出した方法
前回、私が駐妻生活(中期)で陥ったアイデンティティクライシスについて書いたところ沢山の人に読んでもらえた。
今回は私がこの「アイデンティティクライシス」をどうやって乗り越えたのかを書いていく。
乗り越えられたといえるのかは今も分からないが、私はこの方法で「駐妻=辛い!」という考えからは抜け出すことができた。
ブログを書く
私が「駐妻=辛い!」から抜け出せた一つの要因に「ブログ運営」がある。
私がブログをはじめたのは渡独後2ヶ月後くらいから。
あまりにも時間がありすぎたので暇つぶしにはじめたのがアメブロだった。
最初は本当にただの日記で「お気に入りのカフェ」「今日困ったこと」など誰の役にも立たないようなことを気が向いた時に書いていた。
海外旅行に行って旅行記を書き始めた頃からアクセスが増え、コメントももらえるようになったときに「もっと色んな人に読んでほしい」という気持ちが芽生え、「アクセス数の増やし方」に興味をもつようになった。
そして色々ブログについて調べるうちにはてなブログへ移行。はてなブログを数ヶ月運営した後、ブログの外観を自分の好きにデザインしたいと思い最終的にワードプレスに移行した。
もともと文章を書くことは苦ではなく、他に時間を使う趣味もなかったため、暇な時間はひたすらブログに費やした。
また、気になることはとことん調べる性格だったのでブログの作り方・記事の書き方・ブログデザインCSS・SEO・SNS集客など、ひたすら調べては実践してを繰り返した。
ブログ運営がなぜ「駐妻=辛い!」から抜け出す要因になったのか。
それは、ブログ運営を通じて「自ら何かを生み出す」ことができたからだと私は思う。
ブログは徐々にアクセス数が増えてくると、「参考になりました」「楽しみにしてます」「応援してます」「ありがとうございました」と連絡をもらえるようになる。
これが自分の「自信」へと繋がった。
ブログをはじめたことで「何かに夢中になる」ことができ、「誰かの役に立てている」という自信を持つことができた。
きっとブログをやっていなければ2年半も駐妻生活は続けられなかっただろうなと思う。
SNSで同じ境遇の仲間を作る
「駐妻=辛い!」から抜け出すことができたもう一つの要因はSNSだ。
私はもともとSNSを使うタイプではなかったため、最初、SNSは完全にブログへの集客目的ではじめた。
そのため初めは同じようにブログをやっている人ばかりと交流していた。(共通点はブログのみ)
しかし、途中から「自分と同じような環境の駐妻さんがSNSにはたくさんいる」ということに気付き、徐々に「ブロガー」「駐妻」「海外在住者」と共通点の多い、似たような境遇の人たちと交流するようになった。
私の夫の会社は駐在員は一部署一人のみのため、会社関係で友達を作ることができなかった私にとってSNSは出会いの場になった。
もちろん変な人や関わりたくないと感じる人もSNSにはたくさんいるけれど、ドイツ生活を楽しいと感じさせてくれたのはSNSで知り合った友達だった。
SNSを通じて知らない人と会うことに抵抗がある私だけれど、唯一SNSから知り合って直接会った友達2人はコロナ禍でも定期的に会いたいと思えるような関係を築くことが出来、駐妻生活だけでなくコロナ禍での生活を「辛い」から「楽しい」に変えてくれた。
直接会うまではいかなくても、SNS上でやりとりをしたり、zoomで話をしたり同じブログ仲間として交流したりと、SNSを通じて普段出会うことがないような人との交流をもつことができた。
私は「駐妻」はかなり特殊な環境にいると思っていて、やっぱり同じような環境にいたことがある人、同じような環境にいる人にしか理解できないことがあるのが現実だ。
そんなときにSNSを通じて同じような境遇の人と知り合うことは「自分だけじゃない」という安心感にも繋がり、自分だけじゃないという安心感は「駐妻=辛い!」から抜け出す手助けをしてくれたと私は感じている。
お気に入りを見つける
どれだけ気に入らない国、場所でも、すべてが最悪ということは少ないだろう。
SNSで交流している人ならよく知ってると思うが、私はドイツが嫌いだったし今もドイツを好きだとは思えない。でも、嫌いな中にも好きになれる部分は少なからずあった。
例えば、私はブログでこんな記事を書いたことがある。
最初は一人で街を歩くのも気が向かずひたすら家に引きこもっていたが、ある日ものすごく可愛いカフェを見つけた。
それから少しずつカフェを開拓するようになり、友達とのお茶で訪れたり、帰宅途中に何度もケーキをテイクアウトするようになった。
お気に入りのカフェ
お気に入りの散歩コース
お気に入りの風景
すぐにお気に入りがいくつも見つかるわけではない。でも、気付いたらお気に入りが一つ、二つと増えていき、お気に入りが一つ増えるごとに「駐妻=辛い!」という気持ちが少しずつ薄れていった。
ひたすら海外旅行に行く
駐在期間の途中でコロナ禍になってしまったが、私たち夫婦は駐在期間中、ひたすらヨーロッパ各国を旅行した。(2年間で15カ国52都市)
私はもともと海外旅行は好きではなかったので最初は夫に連れられて行くという状況だったが、旅行はやっぱり非日常感があり、その時だけでも「辛い」という感情が薄れ、「楽しい」と感じることができた。
ブログで海外旅行の記事を書くようになったことも合わさり、半年も経つ頃には自らどこの国が面白そうか、楽しそうか調べて私が強く希望して旅行に行くことも段々と増えていった。
一度海外旅行を楽しいと思えれば、後はひたすら平日に行きたい場所を調べ、週末は夫と旅程やレストランの相談。SNSで仲良くなった友達と「あそこがおすすめ」「ここ行きたい」など旅行の話で盛り上がり。調べたことや現地での様子をブログ記事にする。それを読んだ読者の方に「参考になりました」「この記事を読んで行ってみたいと思いました」とメッセージをいただける。このようにどんどんプラスの要素が連鎖していく。
もちろん、「駐妻=辛い!」がゼロになるわけではない。ふとしたときに辛いと感じたり帰りたいと強く思ったりもする。
でも、「海外生活も楽しいこともある」が少しずつ増えてくることで、私は「駐妻=辛い!」という考え方から抜け出すことができた。
これらの駐妻期間中の経験は帰国後、今もなお私の一部になっている。
ブログの更新はストップしてしまったが、ふとしたときに読み返して駐在生活を思い出すときがある。
当時SNSで繋がった人たちのなかには今もSNS上で時々絡みがある人がいる。当時は「駐妻」「海外在住」という同じ立場でも、今はお互い帰国して全く違う生活を送っている人も多いが、それでもふとしたときに「お久しぶりです」とSNS上でも交流できるというのはとても貴重な繋がりだと感じている。
また、渡独前はそこまで旅行に興味がなかった私が、今では何かあると「旅行に行きたい」と思うようになり、私の中で"旅行"は趣味といえるまでになった。
私がアイデンティティクライシスから抜け出せたのはブログであったりSNSで見つけた繋がりであったり、海外旅行の経験だが、何がキーになるかは人それぞれだ。
冒頭でも紹介したこちらの記事に共感して、今もまだ「駐妻=辛い」の中にいる人は、まずはなんでもいいので一つお気に入りを見つけてほしい。
お気に入りを一つ見つけられれば、きっと1年後には5個、10個とお気に入りが増え、「まぁこんな生活もいいかもしれない」と思えるようになっているのではないかと思う。
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