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酒乱はやめておけとか言うやつはやめておけ

私は極端な意見が好きじゃない。
基本的にバランスを取らずに思いっきり踏み込んでくるやつはバカだと思ってる。

ただ、言っておくけど炎上も反論も気にせずハードパンチを繰り出せるのはすごく大事なことだと思ってるし、そういう人は尊敬してる。

両者の違い

極端な意見というのはハードパンチとは違う。
単純に推敲できていないだけの煮込んでないブイヨン。ただ不味いだけのスープ。自分の脳内を巡っていない意見というのはすぐに相手に伝わってしまう。ひろゆきさんの軽薄な発言が嫌われないのは推敲が見えるからだ。ただ不味いだけのスープを出されて喜ぶ人はいない。

その代表格は「酒乱はやめときなよ〜」だ。


なぜか巷では酒乱とモラハラと盗人が同じくらい悪いものとして扱われてる。

酒乱は別に悪いことじゃない。たしかに人間関係で苦労するだろうし、お酒を飲むなら気をつけないといけないことも多い。
でもその程度であれば、ただの個性に他ならない。

なぜかこの国では「個性」というとても大事なものが「周囲から飛び出てしまった余剰分」として捉えられ、「余剰分を削ってみんなと同じになれば安心だよね」という思想がまかり通っている。

酒乱はたしかに珍しいし厄介者だ。でも治るものでもないし、およそ治すものでもない。
なぜなら病気ではなく個性だからだ。

ガンは治すものだが、HSPは治すものではない。それがわかるのに酒乱には強くあたる世間の風当たりはなんたるか。

女性社会のあるあると共通の敵

この前こんなことがあった。
ある女友達が「彼氏の酒乱が何度言っても直らないから別れた」と言ってきた。まぁよくある話だ。

しかしこの彼氏を私は知っている。
めちゃくちゃいいやつ。とにかく礼儀正しくて、清潔感があって、定職にもついていて、ちゃんと挨拶もできる。女性が男性に求めるものなんて「清潔感」「礼儀」「安定収入」くらいのものだろう。だとしたら彼は100点満点だ。

別に2人が別れるもくっつくも知ったことではないが前述の「酒乱を治す」的な発言にちょっと違和感をおぼえた。

この場合の女性社会での最適解は"元カレをさんざんこき下ろす"ということになるが、これは情報戦を生き残るために元カレという共通の敵をつくり、自分の安全を守るという手法に他ならない。

そして最後にはこう言う。

「酒乱はやめときなよ〜」

話を戻そう。

酒乱の良さがわからない人に興味はない


ここからは私調べの個人的な統計にもとづくデータだが、酒乱には心優しい人が多い。酒乱における心優しい割合は80%くらいだ。

名前を挙げるのは憚られるが説得力がなくなるので挙げるとすると、NONSTYLEの石田さんなんかも酒乱エピソードがよく語られている。

彼が社会的に不適合かといえばそうではないし、厄介者かといえばそれも違う。それはお笑い芸人という多様な文化を理解し合う空気が生んだ素晴らしい着地点だと思う。

どもりの人、小さな声で話せない人、多動な人、すぐ脱ぎたくなっちゃう人、すぐ脱税したくなっちゃう人、そういう一風変わった人が"お笑い芸人"にさえなればきちんと社会に溶け込むことができるという証明がお笑い業界だ。

酒乱というのは想像するに、「普段の生活でブレーキを握りっぱなしの自転車」のような人にお酒という解放アイテムを授けることで危険運転者にさせる、そういうものだと思う。

ここで注目されるのは危険運転者の部分。
いつも注目はここに集まる。あの人はそういう人なんだ。なんだかあぶない人なんだろう。インパルスの堤下さんてなんだかやばい人なのかも。

(堤下さんのことは忘れてください)でも大事なのはそっちじゃない。問題は普段の生活でブレーキを踏んでるってこと。ブレーキとはまさしく優しさであり、謙虚さであり、遠慮であり、落ち着きであったりする。

平時に抑えて抑えて抑えて抑えて抑えて抑えてる人ほど、爆発した時のパワーはすごい。パワーを活かす術を私は知らないし、私は酒乱ではない。

でも大事なのは本質だと思う。本質的にその人がいい人なのか。私はその人を好きなのか。それは酒乱くらいで揺らぐようなものではない。ましてや別れる理由にはならない(これは個人の価値観だが私はそんな気がする)。

酒乱に対する正しいアプローチ

とはいえ酒乱はやだなーと思ってる人も多い。そして酒乱と正しく付き合う方法を知りたい、という人もいるだろう。

これはとてもわかりやすい方法がある。

お酒を飲まない、だ。

酒乱=人間性、ではないことは前出のとおりだ。
悪いのは酒乱の人(A)とアルコール(B)との相性だ。それであればAとBを引き離してしまえばいい。

金属アレルギー=人間性、ではない。
悪いのは金属アレルギーの人(C)と金属(D)との相性だ。これをわざわざくっつける人はいない。

お酒はやめられないと思われているが、少しずつ頻度や量を減らしていく、飲む場(飲み会の席、会合など)自体に行かないようにしていくと案外容易にやめられる。コロナでお酒を飲まなくなった人が多いのは周知のとおり。

アルコール依存症のようなものはまったく考え方が異なるのでここでは割愛するが、あれは違法ドラッグに近い。やめられないかもしれない。


とにかく酒乱に対するアプローチとして正しいのはお酒を飲まないことであり、危険人物認定することではない。それくらいの教養がないとSDGsなんて絶対達成できない。

ありがとうございます!先にお礼言っておきます!