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可視化のメリット

教育のためのTOC Advent Calendar 2022の6日目です。
実は今年が初参加です。いままでよくわからずに放置してたんですが、中国で隔離中ということもあり時間があるのでチャレンジしてみます!


ツール(クラウド)のご紹介

さて、教育のためのTOCというのは「ちゃんと考える」ための思考ツールなんですが、その大きなメリットの1つに「思考を可視化できる」ということが挙げられると思います。今回使うのはクラウドというツールで、下のような形をしています。

クラウドの基本形

なんか、クラウドを知らない人でも上の図を見たらなんとなくやりたいことがわかりませんか?クラウドは、対立してる2つの行動があってどっちにしようか迷っている、そんなときに使います。そして「そもそもその行動の要望ってなんだ?もっと大きな視野で考えると目標ってなんだっけ?」ということを考えて「なぁんだ、こうすれば対立で悩まなくていいじゃないか」という解決策を導く、そんなツールです。

職場の後輩の悩みを聞いて

ツールの紹介はこれぐらいにしておいて・・・。
ある日、職場の後輩が社内SNSのチャットで「インフルエンザのワクチンを打とうかどうか迷ってるんだよねぇ・・・」とつぶやきました。「ん?どうして?」と聞いてみると、次のような話をしてくれました(原文ママ)。
 ①ここ数年受けてない
 ②コロナもあって最低限の対策はしてる
 ③上司の息子が受験の年らしい
 ④来月人混み(両親と難波あたり)に行く
ふむふむ、なんかクラウドっぽいなぁと思った私は、手元のパワポですぐさまクラウドを作ってみました。それがこちら。

後輩の話を聞いて最初に書いたクラウド(当時のまま)

クラウドを見ていただければわかりますが、「あれ?インフルワクチンを受けない要望が見えないな・・・」と気づきました。「コロナもあって最低限の対策はしてる」というのがインフルワクチンを受けないことと関連してそうだなとは思ったんですが、要望(ワクチンを受けないことによって達成したい何か)ではないよなぁと思って一旦仮定の箱に入れています。このプロセスってまさに可視化のメリットだなぁと思っていて、漠然と話を聞いていると見逃してしまうようなことに気づくことができます。さらに、インフルワクチンを受けない要望が出ていないからといって、じゃあワクチンを受けたいと思っているかというと必ずしもそうではなくて、ここはどちらの要望もきっちり出した上で結論を決めないといけません。

後輩とのやりとり

さて、クラウドを書いてみて私は後輩に「ん~インフルワクチンを受けたくないのはなんか理由があるんかな?」と聞いてみました。すると「体調崩したら嫌だなぁ」「お金がかかるなぁ」という話をしてくれました。さらに「上司は隣の席なんです」「もし自分がインフルにかかって上司にうつしちゃった場合、ワクチンを受けてなかった自分を責めるかもなぁ」と、ワクチンを受けたい側の気持ちも追加の意見がでてきました。1つの質問をきっかけに、相手が関連することもしないことも含めて色々と考えを巡らせる過程が面白いですよね。それを経て、最終的には以下のようなクラウドになりました。

色々と追加で出てきた後輩の意見を反映したクラウド(当時のまま)

最終的には「まあコロナのこともあってしっかり感染対策はしてるから、不要に出歩いたり騒いだりしなければワクチンがなくても大丈夫だよね」と本人の中で納得をして、ワクチンを受けないことを選択したみたいです。「インフルにかかった場合に受けてなかったら後悔する」という仮定に対して「本当に?受けなくてもきっちり対策してたっていう自信があれば大丈夫じゃないの?」と疑って、インフルワクチンを受けないといけないという思い込みから抜け出したわけですね。(特に私がそんな感じで導いたわけではないです)

まとめ

今回は後輩とチャットでやりとりしていたということもあり、後輩にクラウドを見せながらやりとりをした、ということはありませんでした。それでも、クラウドを使って話を可視化することで、話を聞いていた私の頭は整理され、次にするべき質問につなげることができました。ツールに慣れてくると「わざわざ書かなくても頭でツールを使って考えられるようになる」という部分もありますが、書いてみることの効果も確かにあるなぁと改めて感じたできごとでした。

(注)今回は当時の雰囲気をリアルに伝えたいということで、多少おかしなところはありますがクラウドはそのまま載せてます

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