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在日中国人がフィリピンの観光ビザを取得するのに奮闘した件。

初めてnoteを書くので少しだけ自己紹介します。

私は都内の某私立大学に通う山田隆誠と申します。ただ、この名前は通称名であるため、本名は別の名前となります。そう、私は名前を2つ持っているのです(※これのおかげで苦労します)。生まれは日本、育ちも日本ですが、国籍だけ中国なのです。ちなみに私は日本に永住資格を持っており、生まれてこのかたずっと日本に住んでいるため中国語は一切話せません。

このnoteを書くに至った経緯は、人に話す時逐一説明するのが面倒臭いから、というのも半分冗談で、

私のビザを取るまでの死闘がどこか遠くの誰かの役に立てばいいな、という想いで書かせて頂きます。当時情報が少なく、時間的にも苦労しましたが、やはり精神的にも疲弊したのが一番辛かったからです。

紆余曲折あった一部始終を伝えることに価値があると思うので、かなり長めに感じるかと思いますがご容赦ください。

1. ギリギリのスタート

そもそも中国人は、1週間であればフィリピンにビザ無しで渡航できます。それを超える場合は有無を言わさずビザが必要となります。

私は海外インターンに応募し、それに参加するために10日間のフィリピン渡航を予定していました。その時点でビザは必要なんだろうなとぼんやりと考えていました。

そこで、プログラムの主催者の方に中国国籍であることを伝え、ビザに関して問い合わせたところ、こちらで対応すると言っていたのでそれを信じきっていました。これは、日本人でもフィリピン現地でビザの手続きをとる必要があるので、そちらと混同したと推測しております。

ただ、ここに自分の落ち度があるのは言うまでもありません。海外旅行も家族としか行ったことがなく、ビザの手続きも親に頼りきっていたので全くもっての無知でした。一方、親の催促もありましたが大学の試験期間と被っており自分も思うように動けない状況でした。

そんな中、やはりビザは自分で申請する必要があることが判明し、それから慌ててビザ申請のための準備を始めました。これが出発の3週間ほど前です。

2. 書類の調達

必要な書類は、大使館の公式サイトに載っています。

私の場合は語学学校で勉強するような留学ではないため、学生ビザではなく普通の観光ビザを申請することになります。

ただ、先に述べておくと申請用紙における渡航目的はstudyとしているので在学証明書が必要になるとのこと。

在学証明書以外の書類を揃えていざ大使館へ!余裕じゃん、これでビザゲット〜!と思ってた矢先に、、

3. ここでハプニングが?!〜大学vs大使館〜

最後に大学の英文在学証明書を入手し、それを持って大使館に行く予定でした。

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その際、念のため上記”YAMADA, RYUSEI”に、本名及び通称名の2つの名前が載っている住民票を用いて、パスポートに記載されている本名(WANG ZHIYANG)を併記してもらうよう頼みましたが、大学の上からの判断でそれはできないと断られました。

代わりに、その住民票を使って大使館に説明すれば相手は汲み取ってくれるはずだ、と大学は主張して私はそれに従うことにしました。

そして、大使館にいざ書類の提出をしましたが、案の定、在学証明書の名前とパスポートの名前の不一致の件で引っかかってしまいました。

私は住民票を用いて、”This is same person!!”と叫びましたが、努力虚しく拒否されました。ただ、この在学証明書に手書きで本名を書いて、大学のハンコを押してもらえればOKだよと教えていただきました。

これならできるっしょ!と考えた私は、ひたむきに大学の方へ向かっていました。ただ、大学に上述した説明をしたところ、「大学は名前を認証する機関ではないからできない」とまたも断られたのです。さらに、本名(中国名)に改名を勧められましたが、それは首肯し難くまた手続きの煩雑さ故に間に合わないかと考えました。

ここで板挟みになった私は事情を説明しにまた大使館へ。当該旨を説明したところ、まずはノービザで1週間滞在して現地で3日延長しようと提案されました。

ただ、それでは飛行機に乗れなくないかと思い、航空会社に説明すべく連絡を取ることにしました。

4. 大変だった、航空会社への説明

※ここはあまり重要ではないので飛ばしても構いません。

まずは航空会社に、大学の在学証明書の名前の件で日本でのビザの取得が厳しい旨を伝えました。

案の定、ビザ無しでは飛行機には乗せられないと。出国はできるけど、入国の際に拒否される可能性が高いからだと。その代わり、もし仮に現地でビザの申請が確実に下りるのであれば乗せることはできると。その旨を大使館に確認してくださいと言われました。

恐る恐る大使館に問い合わせたところ、それはこちらの管轄外であるため確証は持てないとのことでした。

そして、その旨を航空会社に伝えたところ、今回は心苦しいですがキャンセルするしかありませんとのこと。。

ついに詰んだと思いました。これは出発の約10日前です。
このときの心情はこんな感じです。

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5. 救世主現る!

ここで改めてどうしようかと考えた時、在学証明書の代わりに使えそうなものが唯一ありました。それは私が非常勤として入社してた会社の在職証明書でした。実は私は公認会計士試験合格者として採用されており、そこには本名と通称名の両方のデータを提出していたのです。

ただ、これは発行するのに8日はかかるため、もうこの時点では間に合いそうにはありませんでした。しかし、親の鶴の一声で、ダメ元で行ってみたら??ということで会社に伺うことにしました。

土下座を覚悟で会社に赴いたところ、なんと3日で作ってくれるとのこと!!!!!まさに救世主です!!

僕はここで初めて会計士に受かってよかったと本気で思いました笑

こちらが在職証明書となります。(名前の部分だけ)

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そこからはスムーズで、大使館に両方の名前が記載された在職証明書を使ってビザの申請をしたところ、無事受理されました。ここまで本当に長かった。。。

6. やっと取れたのは〜?

なんと、ビザが下りたのは出発の1日前でした。ギリギリセーフ。本当にヒヤヒヤしつつも、えも言えぬ達成感を感じました。

紆余曲折ありましたがはれてフィリピンに渡航することができました。それらしい写真はありません。

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7. まとめ

ここまで在日中国人がフィリピンの観光ビザを取得するまでの過程を書きました。結論だけ言えば、在職証明書がなければ私はフィリピンに行けなかった訳です。特別に発行してくれた会社にはなんとも感謝しかありません。

この経験は、ビザを取得するだけでもこんなに骨の折れることなんだと思い知ったのと同時に、非常にマイノリティを感じた経験でした。基本的にビザ無しでどこでも行ける日本人は誇りに思うべきです笑

さて、ここまで読んで頂いた多くの方はじゃあ日本国籍に変えたら?と思うかもしれません。まさにその通りです。ただ、ビザの手続きの不便さのためだけで、国籍を簡単に変えていいのだろうか。私は頭が硬いのでしょうか。私自身このままにする理由も変える理由も見つかっていません。

ただ1つ思うのは、日本に永住権をもつ外国籍の人の権利はもっと拡張してもいいのではないかと。そうした仕組みについてはいまだ勉強不足な面しかないのでなんとも言えませんが興味深いところであります。

この経験が1人でも参考になれば幸いです。

最後まで長文駄文ご覧いただきありがとうございました。

p.s.現在私はマルタで留学していますが、こちらもビザを取得するのに大変格闘しました。こちらの体験もいずれもアップする予定なので、興味ある方はぜひ読んでいただけたら幸いです!

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