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Live2Dでつよつよアニメーションが作りたい話(前編)

みんなもLive2Dでつよつよアニメーションが作りたいよね?!

こんにちは。山田です。絵を動かしたり描いたりする人です。
名古屋の方で、日々Live2D触ってる系フリーランスです。
ゲーム・その他アプリでも映像でもVtuberのガワの制作でも、監修でも技術指導でもLive2D何でもやるマンです。(※営業)

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今回は、Live2Dでアニメーションを作成するお話!
この度 みんなの Live2D LAB に寄稿させて頂く機会をいただいたため、せっかくなので長くなるから書けずにいた内容について書きました。

そして、長くなってしまったので2回に分けた前編になります。

後編はこちら↓一挙公開!!

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アニメーションを作成する話といっても、
「初心者向け!Live2Dで1から覚えるアニメーション作り!!」
ではなくて
「アニメーションをよりいい感じに作るにはどうするの?もっとスキル上げていこうぜ!!」
ってお話です。
なのでAnimatorの使い方とかは堀り下げないので、その辺はLive2D公式チュートリアルとか見てね。

※Live2Dベースでのお話なので、
「アニメーション」と「モーション」という言葉を同義で使用している、また、モデリングしたキャラクターにモーション付けをすることを指している
という前提で読み進めてください。

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アニメーション強い人になりたい

(なりたい)

私の観測範囲では
モデリングができる人>>>>アニメーションができる人
(※できる人=商業案件問題なくできるくらいのクオリティだせる人の意)
という人口分布だなと把握しているのですが(何度か人とお話しした際に同意得られたので間違ってないはず)、つまり


アニメーションって難しい……!! (わかる)


しかし、動画制作はもちろんのこと、ゲーム用の制作はアニメーションまで制作することがセットであることが多いので、「Live2Dできます」という場合に是非持ってほしいスキルだと思ってます。
(Vtuberモデルだと不要なことがありますが、モーションもいれるときはクオリティ如何ではせっかくモデルがいい感じでもモーションがな……ってなってしまうと悲しいので)

そこで有用情報!!!
クオリティアップに関してLive2D公式でわかりやすく紹介されてるので是非参考にしてください。

やったー!親切!!

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(序)ワンランク上のアニメーションにするには

もうLive2D公式で良い情報あるので話が終わってしまいそうですが、それではわざわざnoteに書く意味がないので、改めて実制作において(もりもり修正いただいたり、修正出す立場の時や技術指導させていただいた経験に基づいて)私なりの見解をまとめたお話しをしますね。
(※アニメーションって作る人(あるいはチェックする人)の好みが大きく反映されがちなのでこれが絶対の正解!!というのがなくて、色々好みがあるよねーという大前提の元に、一般的にこうするとよりよいと思うよって話です)

アニメーションのクオリティを上げる為に必要な要素を一言で言うと
「いかに自然な動き(自然に見える動き)にするか」
ではないでしょうか。


モデリングでも、なんかおかしい・違和感を感じると思うところはほんとにおかしいから不自然なとこは全部つぶせ、という話を指導・監修の立場の際に今までだけでなくこれからも累計で5億回くらい言っていく所存かつ己に対する自戒でもありますが、その辺はモーション制作の際も根本は通じるとこがあると考えてます。(※私は自然な動きは不自然なとこをつぶしていけばできるぞ教の信者です)


そしてモーション制作だとさらに、演技的な表現力 が必要。
あと、演出の話をすると、アニメーションであるうえであえて嘘の表現をする場合もありますが、そこも含めて、見る人に「あれ?なんか気持ち悪いぞ?」という引っかかりを感じさせない=自然な表現という定義と考えてください。


最終的にアニメーションさせるための制作の場合は、必要な動きを自然に魅力的に演技させることができるような可動域のモデルを作るとこまでが下準備で(ずいぶん長い下準備だね!!)、アニメーション付けが本番みたいなとこがあるといっても過言ではないのではないだろうか。


ただ動かすだけなら簡単だし、最初は「やったー動いたー!!」ってなればOK(むしろ最初はその喜びを感じてその後のやる気につなげてほしい)なのですが
タイムラインに何となくキーを打ってぬるぬる動くだけでは自然な動きからはかけ離れた「一昔前のCG」「安っぽいアニメーション」になりかねないので、じゃあそれをどう避けるか
脱!!初心者モーションのためのポイントをあげてみます。

◆自然なアニメーションを作るために◆
(1)反動の動き(タメ)を入れる
(2)動きの順序を考える
(3)間とリアリティのあるスピード
(4)グラフエディタを使う
(5)視線誘導を考える
(6)演技と演出をする


最低限上記全てを常に意識しながら制作する必要があると思ってます。
どうやって全てを意識すんねんという話に関しては
「究極的には慣れるとだんだんできるようになるよ考えながら数こなせ(筋肉)」という結論なのですが、(あと、見る目を持った方に具体的にダメ出ししてもらうと理解度が早いとお仕事でフィードバックで殴られて来た身としては思う)
1つずつ(前編では2まで)説明しますね。


〈おまけ〉
一人では行き詰まる!殴られる場がほしい(訳:スキルアップのために具体的なダメ出しされたい)方は ↓↓こちらもどうぞ↓↓(宣伝)

※興味ある方はsessaのプロフィールよく読んでね


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(1)反動の動き(タメ)をいれる

Live2D公式に記載のモーションクオリティアップのヒント
「反動、ブレーキを付ける」を含む話です

今、その場でちょっと実際に動いてみてほしいのですが、
A.上体を大きめに前に倒してから戻してみてください。

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さらに2回目は1回目の動きを思い出しながら、ゆっくり同じ動きをしてみてください。

動き出す前に力を込める為に反対に少し動く→動きを止めるときは勢いを止める為にほんのちょっと反動の動き→戻す場合は動きを留めた状態を少し保ってから戻す(戻り切るときに反動の動き)

というのがわかるでしょうか。

わからなかったら、ゆっくりかつもう少し頭突きをする感じで力を込めて動いてみてください。力がこもると反動の動きがより顕著になると思います。


このように、

動き出す前にタメてから動き切ったらしばらくキープ(ここは反動を入れるよりグラフエディタでなだらかなカーブを常に描くようにした方が自然に収まりやすい〈※注〉)、戻った時に反動
というのが動きの基本だと考えてください。

特に、動き切った後にきちんと止めないと、常にふらふらした感じ=酔っぱらってるときとかアンデッドになったときの動きになってしまいます。

〈※注〉驚いてビクッとするなど素早い動きはほんのちょっとぴったり止まるか反動の動きいれるかするといい場合もある

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グラフエディタではこういうカーブを描くとよいよっていう参考おいときます(これは基礎の基礎なので応用で色々変化するよ)

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※表情関係と腕の動きは例外でグラフエディタのカーブ上で直線を描く(パラメーターがピタッと止まる)事が多いです


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2)動きの順序を考える

モーションクオリティアップのヒント
「顔の動きを単体でつけるのではなく、体のX・Zも顔の動きに合わせてつける」
「顔XYZと体XYZを慣性を意識してタイミングをずらす」
にあたる話です。

もう一度Aの動きをしてみて、再度頭と体、腕がどの順番で動くか意識しながらゆっくり動いてみてください。

B.胴体を前傾させようとする 腕を引きながら体→頭→腕の反動
 (「体を前に倒す」という意識が強い動き)
C.軽く頭突きのようにする だと 頭→体→腕になるかと思います。
 (「頭を前にだす」という意識が強い動き)

この辺のどの部位が一番最初に動き出すかは、どこに力が入った動きをするかでケースバイケースなのですが、一番多いのはC.の頭→体→腕(肩→肘→手首)の順番で力が伝わるパターンだと思います。

全てではないですが、Cパターンの場合
・頭の動き(角度XYZ)、体の動き(体の回転)をそれぞれセットで考えて(動かして)、
・頭に対して体の動きは2~3コマずらす、
・腕は体に追従して肩→肘→手首(&指等手の動き)の順で1~2コマずらす

という風にするとより自然な動きになります
(例として30fpsの場合。じゃあ60fpsだと倍なのかというとそこまででもないかったりする)

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じゃあこういう動きをさせたい時はどうタイミングずらしていくのがいいかな、というのは実際に同じ動きをいろんなスピードで10回でも20回でも動いたり、ひたすら動画を繰り返し見て研究してみてください。


さらに掘り下げると

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①頭(首)を倒す
②状態を倒す
③肘を引く(肩も少し引く)
④肘を引くのに伴いバランスをとるために肘が曲がる
⑤全体の重心を保つために腰を引く
(⑥座ってる場合は上体の傾け方によっては座面を固定して腰が前に倒れる場合もある)
という風に、ただ体を前に傾けるだけでもざっとあげるだけでもこれだけ動きます。
自然な動きを追及するならこういった関節ごとの動きも追及していくとよいです。



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いかがでしょうか?とにかく自分で動いてみて物理でどこがどう動くか確認しながらポイントを意識してみると、よりリアリティのある動きに近づけたのではないでしょうか?

基本的に抑えたいポイントだけでもまだまだあるので、次回より突き詰めるにはどこを機にしたらいいかのお話をしたいと思います。

〈後半に続く!!〉

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