エレベーターで対面、何も考えてへんだけやな。
病院で働いてるので、患者さんを乗せた車椅子を押してエレベーターで階を行き来する毎日。そんな毎日。
これは仕事のメインパートではなく下位項目である。メインパートはリハビリ室で患者さんにリハビリテーションを提供すること。
下位項目なので、べつにどうでもいいっちゃどうでもいい。どうでもいいなんて言い方は良くないな。腐っても医療従事者だぞ。口の訊き方には気を付けなさい。
まあどうでもよくはないけどメインではないのだ。しかし患者さんを誘導することが業務の一部であることに違いはなく、少なからずリスクも伴う。車椅子を押すこと一つとっても、患者さんの身体的リスク、車椅子を扱うという物理的リスク・技術的リスク、会話や接し方という接遇リスク、などである。
何はともあれ、患者さんへの配慮が第一である。たかが車椅子ではない。
車椅子をなめてはいけない。
エレベーターに乗るとき、どうすると思う?
病院のエレベーターは大きいので、車椅子2台以上は乗せられる。
どうすると思う?
僕個人的には、バックで乗り入れるのが正解、というかマナーだと思っている。マナーだと教えられた(ちゃんとした理由は知らないけど)。出る時にそのまま前進出来るように、みたいな理由だったかな。
それが共通認識のマナーだろうが別に誰かの考えた細かいこだわりに過ぎなかろうが、今はどちらでもいい。僕はバックで乗り入れるのだ、というだけのこと。
そして同じタイミングで、後輩が患者さんの車椅子を押して同じエレベーターに乗り込む。
広いから2台乗っても余裕だ。
問題は広さではない。
僕が僕の患者さんの車椅子を引いて、先にバックで乗り込む。後輩も乗ってくるから奥まで入っておこう。
後輩が
「失礼しまーす」
と言いながらそのまま前向きで入ってきた。
僕の患者さんと後輩の患者さんがエレベーターの中で対面。
…変とちゃう?
僕がバックで入ったから後輩もバックで入れよってことではなくて、
患者さん同士を至近距離で対面させるの、変とちゃう?
僕と後輩は2台の車椅子挟んでるから別に至近距離ではない。しかし患者さん同士は至近距離。僕はなんかどうみても変やと思って笑てしまいそうになるんやけど、後輩はなんとも思ってなさそうだ。
もし僕が後輩と至近距離で対面させられたらイヤやで。患者さん同士も至近距離での対面は気まずい、というか恥ずかしいだろ。わからんけど、あくまで想像ね。医療従事者としての先回りの想像、配慮。
「失礼しまーす」とか言って入ってくるから礼儀正しいのか、そのくせ至近距離で対面させて、なんのこっちゃな感じよ。
べつにバックで入る習慣なくてもいいからさ、普段前向きに乗り込んでもいいからさ(1台だけの時とか他の車椅子も前向きだけの時とか)、対面だけ避けてほしかったな。
結論、特に何も考えてへんだけだらふ。