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ソーシャルコーチングのインパクト志向宣言

社会起業家とコーチを繋げるプラットフォームを始めてから、100名ほどの事例を見てきました。その中で、ソーシャルリーダーとのコーチングが「成功」するかどうかを分ける要因がだいぶ見えてきています。その一つが、「インパクト志向」を握り合ってセッションできるかというところです。

ここでいうインパクト志向とは、「社会的インパクト志向」と言えます。もちろん、環境的インパクトを含んだ概念です。ソーシャルリーダーとのコーチングでは、どれくらいそれを握り合えるか、言い換えると「どんな未来を実現したくて今を生きているのか」という問いを保持し続ける(意図的に一時手放すこともある)かが重要です。

僕はわりと横文字が好きなのですが、それでもインパクトとかいうカタカナは厄介。焦点がぼやけます。日本語に意訳すると、「影響」とか「変化」ですね。インパクト志向とは「環境や社会にどんな変化を起こしたいのか」を握り続けるスタイルですし、すなわち「どんな未来を実現したくて今を生きているのか」を握り続けることが大事になるわけです。

HBRの論文でもインパクト(変化)という長期的ゴールが未来に置かれています。インパクトの手前は、中期・短期的アウトカムで、対象者や社会に実際に・具体的にどのような成果(変化)があったのかを重視します。そのアウトカムを生み出し得るアウトプット(製品・サービスやその集合など)があります。そして一番手前である現在にインプットが置かれています。インプットはヒト・モノ・カネ・情報さまざまに入り得ます。

ただ、最重要のインプットはソーシャルリーダーです。それがなければ、アウトプットも生まれず、アウトカムは出ず、インパクトにならず...つまり変化がないのです。インプットたるソーシャルリーダーが最重要のファクターです。

そしてソーシャルリーダーは変化を志向しています。インパクト志向です。アウトカム志向でもあります。(ハシゴなしに登れません)変化を生むには、アウトプットの変化も重要です。何が言いたいかと言うと、社会の変化を求めるソーシャルリーダーには、そのリーダー自身に変化が求めらるのです。

ここにインパクト志向なコーチングの真価があります。コーチングは変化したい・成長したいクライアントのためのものです。"Cultivating Learning and Growth"がコアコンピテンシーにありますから。もっと言うと誰しも変化・成長へのニーズが潜在的にあるでしょうし、ソーシャルリーダーは上の理由で殊更ニーズが強いのでしょう。

インパクトを握ると、現状との間に創造的緊張が生まれます。アイデンティティ・意識が、未来と今の差分の中で変化をし始めるのです。インパクト志向のコーチングの皮肉なところは、結果的にプロセス志向であるところです。今日はちょっと省きますが(長くなりすぎる)、要するに「ケアから始まる社会的インパクト」だなあと思っています!

以上、社会起業家へのコーチングがうまくいく最重要ファクターは「コーチもクライアントもインパクト志向でいる」ことなのではないでしょうかという仮説でした。それが出来るコーチ側の条件や原理に関しては、またの機会に。

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