大いなる眠り/レイモンドチャンドラー

大いなる眠り(The Big Sleep)/ レイモンド・チャンドラー著

村上春樹訳

資産家の将軍から強請り屋を止めさせる依頼を受ける。依頼を進めていく中で、行方をくらました娘婿について将軍が案じていることを知る。



マーロウはスターンウッド将軍を人として、依頼人として気に入っていて、消えたラスティー(娘婿)の捜索を依頼されてないけど、真意を汲み取って最終的に捜索しようとするとこがかっこよかった。将軍に対してそこまでしてあげる動機はわからなかったけど、金を稼ぐことが第一の目的で仕事してる訳じゃないってのはわかった。

序盤から中盤にかけて、ラスティーの行方を探してる訳じゃないのに、周りからそう見られて何度も探していないことを説明するマーロウは面白かった。タフぶった奴、金持ち、悪い奴らから脅されたり踏み潰されたりしながらも、自分より強い奴には絶対に屈しない、ヘトヘトになりながらも何かを必死で守ろうとするマーロウはかっこよかった。


気に入った文章をメモしていて気づいたのは、自分はマーロウの台詞に惹きつけられるということだ。今回の作品ではスターンウッド家の姉妹が一番厄介な相手であり、彼らに対してどう立ち回るかが読んでいて面白かった。


・お気に入りの文章

ヴィヴィアン(長女)とのやりとりで

「妹はなかなか素敵な身体をしているでしょう」   「ふふん」    彼女は少し身体を私の方に傾けた。「私のも見るべきよね」と彼女は真剣な声で言った。「そういう段取りはつけられるのかな?」彼女は唐突に鋭く笑い、ドアを半分抜けた。(p95)


オフィスに戻るとカーメン(次女)が裸で横たわっていた時に

「うまい手だ」と私は言った。「管理人なんてちょろいものだ。それで君がどうやってここに入ったかはわかった。今度はどうやってここから出ていくかを教えてくれないか」彼女はくすくす笑った。(p245)


「いいかい」と私は煙草を持った手を彼女の方に突き出した。「もう一回君に服を着せるのは勘弁してもらいたい。こっちはクタクタなんだ。君が差し出してくれたものについて感謝している。私なんかがいただくには立派すぎる代物だ。ドッグハウス・ライリーは決して友達をがっかりさせない。君は私の友達だ。だから私は君をがっかりさせないーー君が自分でがっかりすることまで止められはしないが。」(p246)



ジョーブロディー/将軍が5千ドル支払った男、荷物を積んだトラックの行き先に住んでいた、ガイガーの店の女と付き合っている、オーエンから写真を奪ってヴィヴィアンを強請った

アーサーガイガー/博打の借金として千ドルを要求した男、本屋

オーエンテイラー/車の中で溺死、カーメンを連れ去ろうとした、ガイガーを殺して写真を盗んだ?

エディマーズ/嫁がラスティリーガンと駆け落ちした?

キャロルランドグレン/ブロディを撃った男

ハリージョーンズ/エディマーズの嫁の居場所を売ろうとしてきた男

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