リクルートさん

UX Bridge vol.7に参加してきました!〜3.BtoBならではの顧客目線の取り入れ方〜

こんにちは!やさしいデザイナーのまりまりです。

あまりにも豪華内容すぎて3回に分けてましたが、いよいよ最終回!

今回も、BtoB/BtoBtoCサービスにおけるUXをテーマにした勉強会、UX Bridge vol.7のレポートをお送りします!

(開催から1ヶ月の時が経ってしまってた・・もうすぐメリークリスマスですよ・・よいお年をですよ・・)

過去のブログはこちらからご覧ください↓

UX Bridge vol.7に参加してきました!〜1.BtoB SaaSにおける究極のUI/UXってなんだ?〜

UX Bridge vol.7に参加してきました!〜2.職人にとってのUI/UXとは〜

さて、今回は『BtoBならではの顧客目線の取り入れ方』というテーマで、株式会社リクルートライフスタイル UXデザイナーの関口 聡さん、同じくUXデザイナーの熊澤 兼一さんがご登壇された内容をレポートしていきます!

Airレジ ハンディとは?

Airレジ ハンディは、紙の伝票では運用が大変だった飲食店の注文・配膳業務をサポートするオーダーエントリーシステムです。(公式HPより引用)

紙の伝票での運用だと、書き間違いや読み間違いが起きたり、準備や確認が煩雑だったりするため、結果お客様を待たせてしまう・・ということがあります。(学生の時カフェでバイトしてたことあるので、すごくわかる・・めっちゃ大変だった・・)

Airレジ ハンディがあれば、配席、注文、会計がスムーズになります!

顧客を知るのは大事。分かってはいるけれど・・

このブログを読んでいるみなさんに質問です。

「最近いつお客さんと会話しましたか?」

これは実際に、登壇された関口さんと熊澤さんが当日参加者の方に質問してたことです。(ちなみにお2人の予想よりは参加者の手の上がり方は多かった模様。UXデザイナーさんが多かったのかしら)

どうですかね。聞かれてムググ・・・となる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

「良いUXを作るためには、顧客を知ることがとても大事。」
分かってはいますが、実際にはなかなかうまく行きませんよね・・

うまくいかない理由は、以下のようにたくさん。笑

「ヒアリングが大事なのは分かってる!でも忙しい・・」
「お客さんとの接点が、営業さんメインなんだよねぇ・・」
「ていうか、リリースしたっきりの機能も多いな・・」

そんな方のために、関口さんと熊澤さんは今回の講演のゴールを「我々の顧客目線の取り入れ方をひとつでも持ち帰ってもらうこと」として、実際にお二人が取り組まれてきた3つの事例を紹介してくださりました!

それでは1つずつご紹介していきます。

事例1:お客さんの業務を実際に体験して、問題を発見!

問題を発見するためには、顧客視点で考えることが大切です。
・・とは言いますが、顧客と自分たちでは状況が違いすぎるので、なかなか難しいですよね。

そこで、Airレジ ハンディのメンバーは、バイトの1人として、現場でお客さんの業務を体験しているんだそうです!

現場では「アプリを作っている人」としてではなく、マジで「バイト」として働きます。外で呼び込みしたこともあるとのこと。

そこで分かったことは以下だそうです。

・言葉にならない肌感覚がわかる(お客様のスピードに合わせて注文を入力するの、めちゃくちゃ大変!とか)
・プロダクト横断の視点が得られる(エアシリーズの中で、こことここ連携とれてないな・・など)
・お客さんの業務の中での、プロダクトの位置付けがわかる(そもそもプロダクトに触れてない時間がほとんどだな)

このように、業務を体験して見える世界はオフィスで想像してる世界と全く違います。可能であれば、現場に行ってみましょう!とのことでした。

とは言ってもなかなか難しい業界もあると思います。
類似で、試せることの例もお話いただきましたよ!

・新規さん参画者プロダクト体験会
・店長と定期ディスカッション

事例2:お客さんと「親友レベル」になって、課題を設定!

課題を設定するためには、原因を素早く特定する事が大切です。
とは言っても、たとえばアンケートを取るなどしても、お客さんは全てを語ってはくれませんよね・・

(「なんで?」とか「どう?」とかきいても教えてくれない、というお話がご講演の中にもありました。ちなみにこれについては私が過去になぜ?と聞かないユーザインタビューを体験してみようというタイトルでお話してたりもしますw)

そこでAirレジ ハンディでは、お客さんと親友レベルの関係を築くようにしているそうです。

代表的な顧客と直接関係性を構築しておくことで、顧客の状況をリアルにイメージして原因を深掘ることができます。
何より原因が分からない場合に、サクッと聞けちゃうのが良いところ。

たとえば導入がうまくいかない店舗さんがあった時に、親友レベルのお客さんに相談してみると
「あのビルは、通信環境が良くないんだよー」
と教えてもらえて、すぐ原因のアタリがついたのだそうです。

こちらも類似でためせることの例をいただきました。

・営業に同行する
・定期的にお店を訪れる
・お客さんのお店でご飯をたべる

事例3:現場にプロトタイプを持ち込んで、打ち手を検討する!

打ち手の検討フェーズでは、フィードバックを得ながら改善をまわす事が大切です。
しかし・・お客さんは正しくフィードバックすることはできません。なぜならお客さんにとっても想像の上だから、です。

そこでAirレジ ハンディでは、業務の現場にプロトタイプを持ち込み実験し、反応を見てみることをやってみたです。

たとえば同じように話を聞くのでも、自社のヒアリングスペースで話を聞くのでなく、働いている場で話を聞いたほうが、確かにリアルですよね。

新しい機能(打ち手)をテストする時に、打ち手に適した店舗に依頼し、現場で試せる最小限のプロトタイプを作成します。

店舗に依頼する時に使えるのが、事例2で紹介した親友レベルの関係性作りでもあります。繋がっている・・!

過去にAirレジ ハンディでは、プッシュ通知機能のテストを行ったそうです。これ、どうやって試すと思います?

答えは人力です。笑

バックヤードからフロントをずっと観察して、プッシュ通知を送るタイミングでバックヤードから手動でメッセージを送ります。たしかにお客さんにとってはリアル体験!

そうすることで、実際に働いてる時に通知を見てくれるのか?など、リアルな反応がつかめるのです。おもしろい!!!

やってみて、以下のような点が良かったそうです。

・要件がはっきりする(どういう情報を提供すればいいのか分かる)
・UIの指針がはっきりする(忙しい時に画面見れないんだな、など)
・想定外の前提がわかる(実験の目的以外のことが見えてくる)

そもそも問題の定義から間違えてたよね・・といったことがやはり分かるとのことでした。
なかなか難しいかもしれませんが、現場での実験は学びが多そうです。

何より、現場で使われるものは、お客さんが「使う」と言うものと全然違うそうです。
早くプロトタイプを作って、現場でテストしてみたほうが遠回りのようで近道なのかもしれないですね・・

こちらも、類似でやってみれることを教えていただきました。

・スケッチボードなどを使った、アナログな実験
・フロントのみ実装して実験
・Webなどで簡易版としてリリースして、試用してもらう

まとめと感想〜お客さんと一緒にプロダクト作りをするのは、楽しい!〜

関口さんと熊澤さんは、「お客さんのことを知りたい、とずっと思っていることが重要」とお話されていました。

「社内で想像で話していても、お客さんのことは分かりません。内向きになりがちなフェーズでも、お客さんを知りたいと思い続けることです」と。

たしかに、お客さんもプロダクトに良くなってほしいと思っているはずです。
私は新人デザイナーなので想像の範囲になってしまいますが、お客さんに「もっと話したい、現場を見たい」と相談して、断固協力しない!とはなかなかならないのではないでしょうか。
そこはto Cよりも理解が得られそうだなぁと思います。to Bだからこそできる「お客さんと一緒に作る」の形がある気がします。

何より、想像でたくさん使われない機能を作るより、ひとつでもお客さんが本当に喜ぶ機能を作れたら、そっちのほうがお互い幸せだろうなぁと思いました。

最後に関口さんと熊澤さんはこうおっしゃってました。

「お客さんと一緒にプロダクト作りをするのは、めっちゃ楽しい!」

UX Bridge vol.7のレポート最終回は、この言葉の力をお借りして終わりにしたいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございましたっ!

また近いうちに、こんな感じでイベントレポート書けたらいいなと思います〜♪

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