香木アワー その後…

3月の第1・第2金曜日は当方の体調が全く普段通りでしたから、非公式ながら香木アワーを実施させて戴きました。
今週の第4金曜日も截香の予定があり、午後4時~5時半までは作業をしている予定です。
おかげ様で各種の推奨香木のご発注を頂戴していますが、とりわけ『仮銘 にごらぬ波』のリピートが多く、当初の分木予定を上方修正して改めて截香を行なった次第です。

にごらぬ波追加截香①

ここのところ小さい鋸の切れ味が鈍ってきていることもあり、製作中の香割道具に組み込む予定の香鋸(試作品)を使い始めています。

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刃は兵庫県三木市の伝統工芸士光川さんの力作で、厚さ・歯振(あさり)の出し方・全長など数年間に亘って試行錯誤を繰り返した末にようやく理想的と思える形状に到達し、発注を決めたものです。
柄は木工師北村さんに希少な青黒檀を預けて、製作していただいています。

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「絶妙」と言う形容詞が当てはまる申し分のない挽き心地で、作業も捗ります。

ところで『仮銘 にごらぬ波』の黒く見える箇所と薄茶色に見える箇所との聞き比べを、香木アワーの機会に実施してみました。

にごらぬ波追加截香②

薄茶色に見える箇所は「細胞組織の樹脂化の密度が比較的に薄い」と言えますが、加熱してみると表面に樹脂分のきらめきが現れて好ましい気を放ち、「元々の樹の匂いが香気の邪魔をする」とは言えず、いわゆる「雑味が感じられる」ことは無いと思えました。
真っ黒じゃない箇所でもしっかりと樹脂化を遂げていて味わい深さを感じさせてくれることは、この伽羅の嬉しい特長の一つに挙げることができます。



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