5月の推奨香木は最上質のインドネシア(カリマンタン)産沈香の佐曾羅です♪

先日の聞香会に炷き出す香木の一つとして「インドネシア産沈香に特有の甘味を出せる佐曾羅」を選んでいる際に、とても印象深い沈香の存在に気付きました。
典型的なカリマンタン産沈香の「顔」をしていて、樹脂化の密度も高度で、塊の全体が最上質のため、水に入れると一気に底まで沈むタイプです。

断面はこんな感じです↓

炷き始めから沈香の佐曾羅に特有の「酸」を放ち、併せて「辛」や「鹹」・「苦」の中に、とても控え目で柔和な「甘」を感じることが出来ます。
殊に印象深かったのが、その「甘」の「たおやか」さでした。
嗅覚の捉え方は十人十色・千差万別であって当然と思われますが、聞いた瞬間に花の色を思い浮かべることがあり、この香木からは宮中の桜のような、漠然としたイメージが湧いてきました。

そんな「たおやかさ」の一方で、典型的な沈香の佐曾羅に特有の「匂いの筋」を力強く放ち続ける稀有な香木を、ぜひお奨めしたいと思います。
以下の和歌から、『仮銘 桜色』と名付けました。

桜色に衣はふかく染めて着む花の散りなむのちのかたみに (紀 有朋)

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