8月の聞香会(寸門陀羅)、報告を失念していました💦
ワクチンを接種して戴いて以降、どうも脳みその働きが鈍っている(元から?)ように思えて仕方がない今日この頃でして…
先ず、佐曾羅の聞香会リポートをすっかり忘れてしまっており…(遅ればせながら、後日に投稿したいと考えています)
この程は寸門陀羅の会のリポートも投稿したつもりになっており、すっかり失念していました。
当日に炷き出した香木のメニューは以前に公開しましたが、印象が深かったのは、六国(木所)の分類が年を経るごとに加速度的に曖昧さを増しているという憂慮すべき事実についてです。
結論から申し上げますと、羅国・真那賀が伽羅で代用されていることは以前から申し上げていますが、現代では、真南蛮も他の産地の香木で代用されるようになってしまっていることが判明しています。
そのことは、本来は御家流香道には縁がない筈のインドネシア産沈香を真南蛮と聞かれる例が増えていることから気付いたものです。
本来、真南蛮・真那賀はタイ産の沈香から厳選されなければならないのですが、上質のタイ産沈香が枯渇するに従い、他の産地の香木が提供されるようになり、定着してしまったと考えられます。
聞香会の参加者は回を重ねるにつれて常連のリピーターが増えて下さり、皆さまの聞香経験を伺うと、御家流香道の経験者が5割を大きく超えておられるようなのです。
そこで今回は江戸時代に実際に炷かれていた御家流の寸門陀羅(賢章院周子旧蔵)を用意した他、真南蛮と間違われ易いタイプのインドネシア産沈香の寸門陀羅も複数を用意してみました。
結果は、予想していた以上に明瞭でした。
御家流香道の皆さま方には昔から縁の無かったインドネシア産の沈香(志野流香道では佐曾羅或いは寸門陀羅)が真南蛮として販売される例が見受けられるようになった頃(記憶では15年ほど前)から木所の分類は狂い始めて、現在に至っては、「インドネシア産沈香の真南蛮」が御家流香道の皆さま方に浸透していると考えられるのです。
すなわち、志野流香道においては佐曾羅或いは寸門陀羅としか分類されないインドネシア産沈香が、御家流香道においては真南蛮として通用しているということになります。
ささやかな試みではありますが、香雅堂の聞香会は、六国(木所)の分類の基準を守ろうとする努力を続けるという点において、それなりに開催の意義が感じられるのかな?と自画自賛しています。
さて、今回も、お寄せいただいたお便りの一部を抜粋して紹介させていただきます。
**********************************本日も聞香会に参加させて頂き、ありがとうございました。
一、「空の通ひ路」は、御家流では使われない寸門陀羅で、真那蛮として売られることもある、というご説明通り、おそらく組香に出てきたら、迷いながらも真那蛮と考えるのではないかと思いました。
二、「袖のこほり」は、懐かしい感じのする香で、聞いた記憶はありますが、他の木所(おそらく真那蛮)になっていたと思います。個人的には、はぜた栗をイメージします。
三、「春ゆく水」は、まさに「春ゆく水」という仮銘にぴったりの香でした。春と流れていく水の新鮮な香を感じました。
四、賢章院旧蔵のスモタラは、いつも聞いている寸門陀羅に近い香でしたが、ずっと上品な感じで、とても心地よくなる香でした。
五、「子の節」も品が良く、優しい香りでした。
六、黄熟香を二つ聞いた後に、改めてインドネシア産沈香の「露しぐれ」を聞くと、黄熟香とインドネシア産沈香の違いが改めてよく分かりました。適切な順番を考えて頂き、ありがとうございました。
七、「木間」は、優しくまろやかな香で、幸せな気分になれました。
これまでお稽古等で聞いてきた寸門陀羅は個性が強く、なかには品が良くないもの、「腋臭のにおい」と言われるものもあって、あまり良い印象は持っていませんでした。
御家流の中だけにいたら、寸門陀羅を限定的にしかとらえられなかった、と思います。
流派を超えて学ぶことにより、香木についてより幅広く、多面的に知ることが出来て、本当に感謝しております。ありがとうございました。
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なお、9月の聞香会(真那賀)も予定通り開催する方向でおります。
六国をテーマに開催してきた聞香会の一応の最終回と言うこともあり、奮発して霊元院勅銘の真那賀二種『雲間』・『波間』を炷き出そうと考えています。
全くタイプが異なる二種の真那賀を存分に聞いて戴くことにより、歴史的名香における真那賀が如何なる香気を放っていたかを知っていただき、そしてその特徴を捉えることにより、伽羅との相違を聞き分けていただけるのではないかと、楽しみにしています。
勅銘香以外のメニューは検討中ですが、紛らわしい伽羅一種を除いては、全て最上質のタイ産沈香の真那賀を愉しんで戴きたいと考えています。
ぜひ、ご参加をお待ちしています!
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