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ジェーンのおはなし

ジェーンの本名はJane Doe。
英語で「本名はない」って意味です。
(男の人だとJohn Doe)
人間としては実在しない「キャラクター」だよという
概念を名前のほうで入れてます。

名前通り、ジェーンは「人間」として描いたことは
これまで一度もありません。
すべて「人間臭いキャラクター」で一貫させてます。

キャラクターなので歳をとらないけど
逆に年齢という縛りも
見た目年齢16歳以外はとくにないです。

なので子供たちとなにかして遊んだり、
一方で飲酒してることがあったり、
まったくの自由にさせています。

…イジメやタバコやギャンブルはさせないけどね。
この概念部分は、妹のスビアも同じです。

ジェーンははっきりと「もうひとりの自分」
と言える、作者の分身キャラです。
いや、正確には
「もうひとりの自分はのびのびあって欲しい」
と願った結果、生まれた子。

2007年当時
絵に描いたようなドブラック会社で
大量のえげつない内容の記事を打ちながら
過労とストレスで潰れる直前

「このままだと命に関わる」と察したさい
とっさに作った心の逃げ道、というかオアシス
それがジェーンでした。

本来、自分の分身キャラ、理想キャラって
順当に考えると顔や体が綺麗に整ってて
可愛いとか美少女美青年、イケメン美女で
じつは特殊な技術能力を隠し持っていて
脳内では世界を魅了したり無双したり
ざまあする、みたいな
現状の自分よりもいろいろと
はるか優れている理想キャラ創って
自己投影する傾向強いと思いますが
(もちろん、そうではない方々もいます)

私が無意識に望んだ理想は
完璧で無敵な美少女ではなく
すごい才能をもっているわけではない
そばかす不美人な、ごく普通の女の子。


自分が心身きつい時に
黙ってそばに座っていて
麦茶とかビールよこしてくれるような

親しい「友達キャラ」でした。

不美人なので
ドヤ顔キメ顔以外にも
非常に多彩に表情を崩せます。
粘土みたいに丸くなったりのびたり
風船みたいに膨らんだり縮んだり。

自分が自然体で一番描きやすいキャラクターを
とにかく目指した結果ですので
可愛い子って思いながら描いたこと一度もないっす。
もし可愛く見えたら多分それは愛嬌ってやつで
「こいつはかわいくない、かわいくはねぇ…」って
いつも言い聞かせながら描いてます。

性格は、すっごい雑です。大雑把。
私と同じなら、多分O型じゃないかな。
裏表はそんなにはないですね。
まっすぐで、ちょっとゆるいです。

暮らしはスビアと同じくフリーターの
東京都下、畳の6畳半古アパート。
ふたりは歩いて2分くらいのご近所さんなので
生活や行動が同じってパターンが多いです。

そして、一番大事なこと。
スビアみたいに
経験蓄積を重ねて成長するキャラというよりは
ジェーンはなるべく変わらないこと、
普遍的存在であることを課しています。

もちろん16年かけて、子供が描きやすいように
デザインや色を変えたりだとか
言葉遣いを整理したり細かな微調整はやってますが

つねにのびのびと振る舞っていて
誰かのとなりに自然に寄り添える子という
基本理念は変わってません。


この特色ゆえ
支持する人の層がかなり広いぶん
ある時期からスッとジェーンから
卒業していかれる人も多くいらっしゃいます。

でも、それは大変良いことだなと思ってます。
変わらないキャラクターに和む時期を終えて
その方の生き方や生活ステージが変わっていく。
皆さん個人個人が進化する時期は必ずきます。

だからその時が来たら
追うことはなく、いってらっしゃいと
後ろから小さく手を振る、これはジェーンの役目。

反対に
もし、卒業された方が今の生き方に
疲れてしまって、ふいと戻ってこられたら
いつものように隣に座ってお迎えできる

人が憩う空気を常に保っておく。
これもまた、友達キャラである
ジェーンの大事な役目だと
思っています。

最終的にどういう運命になるのか。
…いまのところはまったく、予測できません。

本当は2010年あたり、当時山田は漫画原作側で
20話にわたる持ち込み用の連載漫画を用意してして
ジェーンはロボットとして登場し
最終回の20話目で壊れて
その役目を終える予定でした。

ところが漫画の話が白紙になったため、
ジェーンを描ける権限、いや存命できる権限は
実質私ただひとりだけになってしまったのです。

数年かけてキャラづくりに紆余曲折 
(この期間も長いので、後日違う形でお話しします)
していたため、ここで終わらせるには忍びなく
ひとりで描き続けてきて、今にいたります。
16年生きたというか、生き延びてるって感じ。

しかし生き延びた分、多くの作品に客演したり
露出する機会はすっかり増えました。
続けてきてよかったって思います。

正直描き続けても、大成は無理だと思う。
これからも地味に生きる存在であることは
よくわかっています。
だから、どこまでいけるか皆目見当がつきません。 

一応私が生きている限りは、自分のアイコンとして
そして、独立した憩いの存在として
これからもこの子らしく、飾らない自然体で
描き続けていければいいなと思っています。

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