スタンダード:白単アグロ(ELD~AFR)
こんばんは、TCGショップMAGの山田です。MTGアリーナでは、すでにイニストラード:真夜中の狩りが実装されていますが、いよいよ今週末には実店舗でもイニストラード:真夜中の狩りが販売開始となります。これにより、長らくお世話になった『エルドレインの王権』『テーロス還魂記』『イコリア:巨獣の棲処』『基本セット2021』がローテーションし、スタンダードは新たな時代へ。王冠泥棒オーコや自然の怒りのタイタン、ウーロのような禁止になったパワーカードを始め、砕骨の巨人や空を放浪するもの、ヨーリオン、夢の巣のルールスなど、多くの強力なカードがスタンダードを去ることになります。みなさんはどのカードとの別れが惜しいでしょうか。自分はといえば、ゼンディカーの夜明け以降愛用してきた白単アグロとの別れが寂しいところです。ストリクスヘイヴンチャンピオンシップの予選、本戦を戦い抜いた思い入れのあるデッキで、MTGアリーナのランク戦で非常に多くプレイました。現実ではイベントの自粛もあり、あまり多くプレイできなかったのが残念です。手元のデッキのカードをスリーブから抜きつつ、思い出にデッキの感想をここに残しておきたいと思います。
今までありがとう
デッキリスト(MTGアリーナでインポートできます)
デッキ
4 命の恵みのアルセイド (THB) 1
4 無私の救助犬 (M21) 36
4 巨人落とし (ELD) 14
4 歴戦の神聖刃 (M21) 34
4 光輝王の野心家 (ZNR) 24
4 スカイクレイブの亡霊 (ZNR) 39
4 精鋭呪文縛り (STX) 17
2 傑士の神、レーデイン (KHM) 21
2 エメリアのアルコン (ZNR) 4
2 軍団の天使 (ZNR) 23
2 ポータブル・ホール (AFR) 33
4 不詳の安息地 (KHM) 255
20 冠雪の平地 (KHM) 277
サイドボード
3 封じ込める僧侶 (M21) 13
1 夢の巣のルールス (IKO) 226
2 エメリアのアルコン (ZNR) 4
1 傑士の神、レーデイン (KHM) 21
2 軍団の天使 (ZNR) 23
2 悪斬の天使 (M21) 6
1 解呪 (ZNR) 10
1 影槍 (THB) 236
2 ポータブル・ホール (AFR) 33
はじめに
今期の白単アグロは、従来のような1マナのパワー2クリーチャーからスタートして、強化して殴りきる!という攻めに寄った構成ではなく、相手を妨害するクリーチャーを展開してジリジリと戦う、レガシーのデスアンドタックスのようなデッキでした。小型クリーチャーによるダメージ源(クロック)と、重いカードへの干渉手段を持つためスルゥタイ根本原理に対して特に有利で、システムクリーチャーの多い出来事デッキなどをやや苦手としていました。(ポータブル・ホールで改善されました)
カード別コメント
4 命の恵みのアルセイド (THB)
1マナ1/1絆魂。絆魂を持つため光輝王の野心家でサイズを上げるとダメージレースを有利に運ぶことが可能。1マナと生贄で対象にプロテクションを与える能力により、重要なクリーチャーを守ることができる。また、この能力で踏みつけや些細な盗みを立ち消えさせることで、砕骨の巨人や厚かましい借り手が追放領域(進行中の出来事)に行くことを防ぐことができる。自身を対象に起動することも可能なため、踏みつけが予想される場合は1マナを残してプレイングすることも多い。実はエンチャントも守れるため、払拭の光(現在は不採用)が破壊されるのを守ることができる。
余談:ストリクスヘイヴンチャンピオンシップのR12の対グルール戦、こちらの払拭の光で相手のアクロス戦争を追放している状態で、相手は払拭の光に対して萎れをプレイ、それをこのカードのプロテクション付与で守って勝ったのは嬉しかったです。ちなみに一番あり得そうなシチュエーションとしては、スゥルタイ根本原理の長老ガーガロスを払拭の光で追放しているところに、古き神々への拘束が当てられるパターンかなと考えていました。
4 無私の救助犬 (M21)
1マナ1/1で、生贄にすることで他のクリーチャーに破壊不能を与えることができる。2ターン目の光輝王の野心家や、相手の行動を妨害している傑士の神、レーデインやエメリアのアルコン、高いクロックを持つ不詳の安息地や精鋭呪文縛りをマナをかけずに守ることができる。
4 巨人落とし (ELD)
1マナ1/2で、相手をタップする能力を持つ、いわゆるタッパー。3マナインスタントの出来事モードで唱えることもでき、パワー4以上のクリーチャーを破壊することができる。スゥルタイ根本原理が、鎖を解かれしもの、ポルクラノスや長老ガーガロスをメインに採用し始めてからより価値が上がり、相手の対アグロ用のカードを綺麗に処理しつつクロックも展開し、そのままフィニッシュに行けるようになった。他にも、砕骨の巨人や恋煩いの野獣、黄金架のドラゴン、空を放浪するもの、ヨーリオンなど、多くのカードに対応することができた。
4 歴戦の神聖刃 (M21)
手札を1枚捨てると破壊不能になることができる2マナ3/1。対コントロールでは、場に3点クロックが残しやすいため非常に強力。2枚引いた時は基本的には1枚しかプレイせず、2枚目は手札コストにすることが多い。対クリーチャーデッキでは、余った冠雪の平地や2枚目の歴戦の神聖刃を捨てながら相手のクリーチャーと戦っていき、サイド後は全て抜いて天使2種を目指す。
4 光輝王の野心家 (ZNR)
2マナ1/1で、戦闘開始時に自分のクリーチャーに+1+1カウンターを1つ乗せることができる。2ターン目から優秀なクロックを作り上げてくれる、近年でも非常に強力な2マナクリーチャー。ちなみにヴィンテージの白のクリーチャーデッキでも採用されている。カウンターの乗せる先の選択が重要で、白相手には切り落とし圏内にならないようにパワー3で止める、赤相手には踏みつけの存在からタフネスを3にするように意識し、黒相手では確定除去をケアして分散させたり、激しい恐怖をケアしてタフネス4を目指したり、緑相手には1体のサイズを集中して上げたりと選択肢が多い。考えることが多くて個人的には使っていてとても楽しいカード。
4 精鋭呪文縛り (STX)
3マナ3/1飛行に加えて、相手の手札を見て、1枚のコストを2マナ増加させることができる。重いカードはより重く、軽いカードは2アクションが取れなくなり、行動に制限をかけることができる。手札の状況が分かることでゲームプランを立てやすく、3点クロックも、情報アドバンテージが薄まる前に決着に向かえて心強い。
2 傑士の神、レーデイン (KHM)
3マナ2/3飛行警戒。相手の氷雪土地がタップインになり、相手の4マナ以上の非クリーチャー呪文が2マナ重くなる。対赤単やミラーマッチのようなアグロに対しては、氷雪土地タップイン能力でテンポを取り、踏みつけで落ちないタフネス3と飛行警戒により、攻守にわたって活躍。コントロールに対しては、絶滅の契機や影の評決、古き神々への拘束、アールンドの天啓などを2マナ重くし、攻撃できるターンを増やすことができる。他のデッキに対しても、天頂の閃光やグレートヘンジといったキーカードをプレイするターンを遅らせることが可能。裏面は4マナのアーティファクトで、自分と自分の他のパーマネントに、1ダメージ軽減と護法1(護法1とは書いてない)を与える。探索する獣や踏みつけの持つ、軽減できない効果には注意が必要だったが、それらはローテーションした。次環境で活躍できるかはメタゲーム次第。
2 エメリアのアルコン (ZNR)
3マナ2/3飛行とレーデインと同じサイズで、お互いに1ターンに1つしか呪文が唱えられない能力と、相手の基本でない土地がタップインになる能力を持つ。以前はレーデインの4枚採用だったが、劇的に刺さるゲームも減ったため、多色化した環境に対して刺さるエメリアのアルコンを採用した。出来事デッキはアクション数が多いので、非常に効果的。また、出現の根本原理も無効化することができる。
4 スカイクレイブの亡霊 (ZNR)
3マナ2/2で、場に出た時に相手の4マナ以下の土地でないパーマネントを1枚追放する、お馴染みの除去内蔵クリーチャー。場を離れても追放しているカードを返さないのは強力で、エッジウォールの亭主や狼柳の安息所、悲哀の徘徊者、恋煩いの野獣など、様々なカードを追放してきた。今後も間違いなく使うカードの1枚。
2 軍団の天使 (ZNR)
4マナ4/3飛行で、場に出た時にゲーム外から同名カードがサーチできるカード。押されている盤面からまくる方法が少ないこのデッキにとっては数少ない粘り強く太く戦えるクリーチャー。マナカーブのトップに据えるには文句無し。
2 ポータブル・ホール (AFR)
フォーゴトン・レルム探訪で手に入った新戦力。エッジウォールの亭主や遺跡ガニなどのシステムクリーチャーを1マナで処理することができる、序盤戦の要。このカードのおかげで、ならず者デッキへの勝率が上がった。スカイクレイブの亡霊が除去された際に相手に渡したトークンを処理できるのも良い。
4 不詳の安息地 (KHM)
氷雪3マナを使い、4/3警戒になれるミシュラランド(クリーチャー化できる土地)。パワー4がとにかくインパクトがある。全てのクリーチャー・タイプを持つため、パワー・ワード・キルが当たらない。
20 冠雪の平地 (KHM)
不詳の安息地を安定して起動したいので冠雪の平地以外の土地は無し。3マナに強力なカードが多いことや、不詳の安息地の起動、軍団の天使プレイのために4マナまではスムーズに伸ばしたいため、これ以上減らすことは無い。
◆ここからサイドボード
3 封じ込める僧侶 (M21)
2マナ2/2瞬速で、トークンでないクリーチャーが唱えられずに戦場に出るなら代わりに追放されるという常在型能力を持つ。軍団のまとめ役、ウィノータ対策に多めに採用。最速ウィノータを返せるカードは環境全体で見ても少なかった。切り落としと違って構え損にならないのがよい。
1 夢の巣のルールス (IKO)
3マナ3/2絆魂で、墓地の2マナ以下のパーマネントを1ターンに1枚プレイすることが可能。無私の救助犬と揃えることで、除去を多く防ぐことができる。また、命の恵みのアルセイドを使い回すことで、ブロックされずにクロックを刻むこともでき、これは特にミラーマッチで重要。また、ならず者と戦う際には墓地に困ることは無いので、多くのカードをプレイ可能。
2 エメリアのアルコン (ZNR)
アクション数の多い出来事デッキや、飛行が通りやすい相手に対してサイドインする。自分のアクションも止まってしまうため、できるだけアクションしてから、最後に蓋をするイメージで出すと良いことが多い。
1 傑士の神、レーデイン (KHM)
スゥルタイ根本原理や赤単、ミラーなど、刺さる相手に追加。警戒を持つので、光輝王の野心家や影槍でサイズが上がるとなお良い。
2 軍団の天使 (ZNR)
現在の構築では、メイン2サイド2がベスト。速い相手だとサイドに1枚落とすことがある。
余談:リアルのイベントでサイド後にサイドに戻し忘れて、メイン4枚で戦ったことがあります。プレイしたのにサーチ無しと言った時の恥ずかしさときたら。アリーナと違って手動で戻す必要があるので、使う場合は気を付けてください・・・
2 悪斬の天使 (M21)
5マナ5/5飛行先制攻撃絆魂プロテクション(デーモン)(ドラゴン)。アクロス戦争と遭遇することが減ったため採用。クリーチャーデッキに対して非常に強い。サイド後は歴戦の神聖刃と差し変えることで、土地をきちんと伸ばし、プレイまで目指したい。
余談:自分がMTGを始めたてのM11当時、強いカードだなぁ、使ってみたいなぁと思っていたカードを10年越しで使うチャンスが来るとは思っていなかったので嬉しかった。
1 解呪 (ZNR)
2マナのインスタントで、アーティファクトかエンチャントを破壊することができる。アクロス戦争、エンバレスの宝剣、エシカの戦車など、赤と緑に対してサイドインすることが多い。また、ミラーマッチでは命の恵みのアルセイドやポータブル・ホール、ガラスの棺など、破壊できると嬉しいカードが多い。
1 影槍 (THB)
1マナの装備品で、2マナで装備することで装備クリーチャーは+1+1と絆魂とトランプルを得ることができる。クリーチャーデッキに対して、飛行を強化して絆魂でダメージレースを仕掛ける。また、1マナで相手のパーマネントの呪禁と破壊不能を失わせる効果があり、ミラーマッチでは相手の破壊不能を消す能力が役に立つこともある。(基本的にはサイドアウトされている)
2 ポータブル・ホール (AFR)
システムクリーチャーを使用する相手に対して除去の追加。
おわりに
白単アグロは環境に大きく左右されるデッキなので、新環境で通用するかはまだ分かりません。スゥルタイ根本原理が強力だったこの環境では、立ち位置は良かったですね。イニストラード:真夜中の狩りの新カードも強そうなカードが多く、色々と試してみたいところです。また、ローテーションにより今まで活躍していなかったカードが活躍することも充分に考えられるので、新環境が非常に楽しみです。履修なんかはいいかも?ではまた!
オマケ
結構強いとこ残ってる!
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