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そういうもん、という怖さ

天城ってほんとはこんなにいいところだったんだなぁ。天城に戻ったやまだいはしみじみと感じていたのですが、旅館での仕事の中で不思議なことをたいくさん体験しました。

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●休むと「休み癖」がつく
●忙しいんだから全員出勤するのが当然
●変わらないことが正義
●外からきたものを嫌う
●できないことはやらない

この言葉を見るだけでみなさん察していただけるのではないでしょうか?
そう、黒いんです。びっくりするほど黒いんです。でもそれが正しいかのように毎日が平和に流れているのです。

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ちょうど10年前に旅館での仕事が始まったのですが、当時は旅行形態の変化だけでなく東日本大震災の影響もあり経営はとてもひっ迫していて変わらないといけないと動き出していたころで、まだその変化が旅館全体には浸透していなく、お客様にはわからないところで混沌としていました。

●旅館だから~しないといけない。

何についてもこれがついてきます。でもそれらしく聞こえるんです。「旅館だから休んではいけない。」「旅館だから料理はいっぱいじゃないといけない。」「旅館だからどんなお客様にも対応しないといけない。」「旅館だからこれはサービスしないといけない。」
こういった固定観念が染みつくと本当に恐ろしいです。その他のことは何もできなくなるし、それを変えようなんて気には全くなりません。

●~だからできない

これも怖いです。どんな事にもこれがついてきます。その先があればよいのですが、もちろんありません。

こういうことが積み重なることで変化が悪になります。もちろん新しい人材が入っても、先輩から教えられるのは当時のやり方で、それをこうしようと言うもんなら迫害されました。

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それでもお客様からの評価は高く、喜んでいただいていました。

おもてなしとは「表裏なし」。

なのに何故・・・。

ここが一番恐ろしいところでした。

はたから見ると問題にしか見えないことも、実際働いている人は問題とは思っていなく、そういうもんと割り切っていて、そしてお客様をおもてなししたいという気持ちに嘘はないのです。だからお客様には精一杯のおもてなしができるし、それで喜んでもらえるのでやり方に問題があるなんて一切考えないのです。今は結果が出ているから。

天城に戻ったやまだいが旅館というものを知り、最初は右も左もわからないところからスタートして慣れてきたころから本格的にこういった考え方を排除しようと動き始めるのでした。

そういうもんだからといって愚痴で終わる。そういう施設に未来はない。
この取り組みは敵も多く作りましたがこれからの旅館を左右する大きな取り組みになりました。


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