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【短歌】 TANKA 五七五七七の世界

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短歌千本ノック実施中! 情景・心情表現、季節の風物を研究しています
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#つくってみた

ライラック短歌

花霞 限りなく乙女 天と地の 届かぬ美麻の 白む曙 漆黒に 輝く獅子の 綺羅の下 流る石…

暖かき 優雅な響き ヴァイオリン 音色は高く ステージ金に

藍染も 茶染めも色よ 黒歴史 |枷《かせ》が外れて 色を失う

自尊心 理にかなわぬは 夢の跡 堕ちても白く 煌めき|眼《まなこ》

なぜここに 生を受けたる 透明の 血潮が巡る 世の悲しみよ

眠る草 木々は不動に 空暗く 飲み込む自我を 如何で畏れる

体調が すぐれぬときも 歌を詠む 快晴の日に 詩心乏し

漆黒や 光の始まり 世は無間 素粒子の元 身も天も地も

肩が張り 首筋に熱 足むくみ ワクチンの朝 心|閑《しずか》に

ムカデより ダンゴムシより 子は学び 役に立ったは 日陰の寒座

|碧《あお》き風 限界究め 己のみ 嵐の中で 筋骨唸る

若き日に 一滴残らず 絞り出す 命の重さを 知るに至れば

本物は 努めて尽くし 報われぬ 色も覇も抜け 目だけが獣

宴会を 酔って愉しむ 芸術家 なぜこの時空を 無駄にするのか